過剰整備か、安心を買う選択か――神奈川からの依頼
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相変わらず悪夢が続いている。この時期特有の忙しさが原因だろう。年末年始を迎えるまで、この状態が続くのは覚悟の上だ。
そんな中、昨夜からスイフトスポーツの整備に取りかかっている。この車両は神奈川県からはるばる弊社へ持ち込まれた。オーナーは非常に几帳面な方で、地元の整備工場で7月に継続車検を受けたものの、「整備はやはりビークルフィールドで」と決めてくださったようだ。その際の車検は必要最低限の手続きに留まり、今回の入庫に至った。
今回の作業内容は極めて多岐にわたる。ラジエーター、ウォーターポンプ、ファンモーター、各種ホース類、燃料ポンプ、エアコンコンプレッサー、オルタネーターといったパーツの交換が主だ。特にラジエーターについては、純正の樹脂製アッパータンクに起こりがちなカシメ部分からの漏れを考慮し、社外品のオールアルミ製へ変更することになった。
通常、年式や走行距離から見ればここまでのリフレッシュは不要だ。しかし、このオーナーはメンテナンスに対して先手を打つタイプだ。将来のトラブルを未然に防ぎたいという気持ちが整備への積極的な姿勢につながっている。過剰整備とも言えるが、それは「安心を買う」という価値観の表れだろう。メカニックとしては、あれもこれも勧めるのではなく、必要な情報を提供した上で最終判断をオーナーに委ねることが信頼の礎だと考えている。
作業はまだまだ終わりが見えない。リフトの空き状況や他の作業との兼ね合いもあるため、効率よく進める必要がある。こうした手間のかかる案件にこそ、仕事の醍醐味があるのかもしれない。オーナーの期待を超える仕上がりを目指しつつ、この年末の慌ただしさに飲まれないよう、一つ一つ丁寧に進めていきたい