雲の上に登るには、地道に手を動かすしかない
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今朝はいつもより少し遅く起きた。なぜか毎晩のように悪夢を見る。なので夜に寝るのは苦痛だ。それでも、睡眠時間の優先順位は高い。7〜8時間は確保するし、昼寝も欠かさない。休息はパフォーマンスに直結する。
今日は定休日だが、会社へ行くことにした。休みの日に仕事をすると言うと、大抵の人は驚くか、理解しがたいという顔をする。でも、私にとってはこの時間が必要だ。気持ちが落ち着くし、積み重ねた分だけ前に進んでいる実感がある。
今日のメインは、タイムアタック車両のタイヤをホイールから外す作業の続き。基本的には難しい作業ではないが、1セットだけ厄介なホイールがある。グラムライツ。スポークがリムまで伸びているため、いつも使っている多機能のタイヤチェンジャーでは対応できない。無理に使えば、ホイールやチェンジャーを傷つける可能性が高い。だから、一般的なチェンジャーを使い、手順通りに慎重に進めるしかない。
こういう時、最新設備がどれだけ便利でも、結局は基本を押さえているかどうかが問われる。弊社は設備投資に積極的で、効率よく仕事を進められる環境が整っている。作業はハードでも、肉体的な負担は少ない。それでも、道具に頼りきるのではなく、手作業の精度や基本的な技術をしっかり持っていないと、本当に「できるメカニック」にはなれない。そう思いながら、一つひとつ丁寧に作業を進めた。
作業の合間には、ネット販売の処理や在庫整理、片付けといった雑務を進めた。営業日だと接客や作業に追われて手が回らないから、定休日のこういう時間を使う。効率を考えれば、やれることはやっておきたい。
弊社には、代表やチーフメカニックのような「雲の上の存在」がいる。彼らは圧倒的な知識と経験を持ち、私から見れば途方もないレベルにいる。でも、ただ羨ましがっていても仕方がない。同じ年齢になった時、彼らの下で働いている分、彼らを超えられていなければ、それは私の努力が足りなかったということだ。凡人の私にできるのは、ひたすら数をこなすこと。遠回りに見えても、それが一番の近道だと思っている。
そう考えながら、今日も手を動かし続けた。
