必要以上の整備は贅沢か?安心を買う選択
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今朝の冷たい空気の中、ランエボCT9Aの試運転を行った。この時間帯の試運転は、まだ動き始めたばかりの一日の静けさを感じられる瞬間だ。最近は日中の忙しさを考慮し、始業前に試運転を進めることが増えている。エンジンのレスポンスや足回りの挙動を丁寧に確認し、クルマが本来持つ性能を存分に引き出す。その感覚は、仕事を通じてしか味わえない特別な喜びでもある。
今日は引き続きスイフトスポーツの予防整備を行う。オーナーの希望で、大掛かりなメンテナンスを一気に進める計画だ。まずはラジエーターを高性能なDRL製に交換する。純正品でも冷却性能には問題なかったが、経年によるカシメ部分の劣化を予防するための決断だ。これに合わせてファンとモーターも新品へ。見た目には小さな部品だが、エンジンの命綱とも言える重要な役割を担う。
次に、ブレーキのマスターシリンダーを交換し、ブレーキオイルとクラッチオイルを全てリフレッシュ。油圧系統の確実な動作は安全性を左右するため、慎重に作業を進める。そして燃料タンクを降ろし、フューエルポンプの交換作業に入る。タンク内のガソリンは自作のスイッチで抜き取りながら、効率よく進めていく。こうした自作ツールもメカニックとしての経験と工夫の積み重ねだ。
さらに、オルタネーターやエアコンコンプレッサーの交換も行い、エンジンオイルとミッションオイルを新しいものに入れ替える。最後に、車高を少し落として全ての作業が完了する。
正直、ここまでの整備が本当に必要かと問われれば、最近の自動車の耐久性は飛躍的に向上しており、部品も長持ちするため必須ではないかもしれない。しかし、今回の整備はオーナーの「愛車を長く安心して乗りたい」という思いが詰まったものだ。早めの部品交換は、故障のリスクを減らし、結果的に修理費用を抑える効果もある。安心を買うという意味では、これ以上ない価値があると感じる。
整備後は試運転と細かなチェックを丁寧に行い、完璧な状態でオーナーに引き渡す予定だ。愛車へのこだわりを共有できる瞬間が、この仕事の醍醐味だと改めて思う一日になりそうだ。