物は言いよう 14
この周りをお散歩してると、青い空が広がり、日々違う雲の形を楽しむことが出来る。
季節ごとに畑に野菜の花が咲き実をつける。 その成長を見ながら歩くのは楽しい。
そして、雀やカラスはめずらしくない。
白と黒のコントラストが美しい尾の長い雀より少し大きな鳥は何て鳥だろう? 動きが速いので写真が撮れない。
野鳥に出会えると、とっても嬉しい。
「あっ!アレ、鴨だ!」葱畑を歩いた後で鴨に会ったりすると、なんかイイコトありそうで嬉しくなる ーーーカモ葱!?
そんなある日、 ブロッコリー畑の横を歩いていたら、「えっ、あれ! 今のきっ...キ ジ!?」
あまりの驚きにケータイを出すチャンスを逃してしまった。
後で長男Sに聞いてみると「あ ー、いるんじゃない?」 とこの地に住んで長い我が息子はそっけない。
また、ある日、 小川のそばの木の上に大きな鳥が止まっている。 あの鳥はなんだろ?
今度は、ケータイ出して、 写真撮って、 翌日、 息子に、 「この鳥何?」
「サギかなんかじゃない。色んなのいるからこの辺...」
「アンタって鳥詳しくないの?」
「詳しくない。」
「あそ。」
我が長男は、 身長186cm。現役時代のポジションはラグビー日本代表I選手と同じプロップで、 ものすごく優しいとこまでも同じだが “笑わない 男" というか “喋らない男” だが、Iさんのようなユーモアセンスがないのが残念!
後日、 久しぶりに 「元気ですかー?」とコンタクトしてきたKに、
毎日、てくてく歩いてることを伝え、 この鳥の写真を送信した。すると、即レス。
「これはアオサギですね。」
「Kって鳥に詳しい男?」
「借金トリですが、全然詳しくないです。」
ハハハッ、 おもしろい!
Kって、 こんなおもしろい奴だったっけ?
ちなみに、Kは某ファイナンス会社にお勤めで、長い付き合いだけど、こんなおもしろいこと言えるとは、思わなかった。
この鴨やサギに会える小川があるのは、整形外科へ行く道のりである。
背中で合掌出来た私が、ある日突然、左腕が上がらなくなったので、通い始めた。
A先生「毎日、風呂上がりに腕上がるところまで上げて。しかし、やせ過ぎだなー。ちゃんとメシ喰ってんのか?」
「食べてますよー、いっぱい!」
「肉食べなきゃダメだぞ、牛肉。」
「だって、癌患者は牛肉はダメって書いてありますよー。」
「牛は草喰ってんだから、いいんだよ。」
ーーーえっ、そゆこと?
そして、数ヶ月後、先生の言う通り、週に2回通院して電気当てて、毎日風呂上がりに、ちょい痛いぐらいのストレッチをしていたら、肩は治っ た。
バンザーイ ... 出来るようになった。
....で、朝。Yana(インドネシアにいた頃の Pembantu)がいないから、 やむなし、自分で 掃除機ちょいちょい。クイックルワイパーでサーっと。その頃ちょうど、ピーッと洗たく機の音。
🎵君はロックなんか聴かないと思いながら🎶
なんてYouTubeかけながら、洗濯ものを干すべく、行ったり来たりしてたら、さっき ツルツルにしたフローリングの床でスッテーン!
あっと思って、頭を打ってはいかん!と思い手をついた。 ーーー私、運動神経いいじゃん!
じぃ〜〜ん! ーーーいや、全然良くない。手首痛い!!
...で、また、 A先生の元へ。
「先生、 肩治ったら、転んで、手が痛い。」
「えー、どーした?」
「こうやって (鼻歌口ずさみながらとは、言わず)スッテーンと...で、右手ついちゃって、痛いんですう。」
普通の医者は、 ここで
「ああ、 年取るとね。転びやすくなるから、 気をつけて下さいね。」
そう言われりゃぁ、「ハイ、ハイ、 ババアは骨も脆くなってんだからって言いたいんでしょ!」となって、しょんぼりだ。
ところが A先生はチガウ。
「しょうがねえんだよ。 人間は立ってんだから、転ろぶんだよ。」
「ですよねー!」ハハハハッ
物事言いよう、捉えよう。
言い方によっては、おもしろくもなんともないことが、おもしろおかしくなって笑えるひと時となる。
返答ひとつで、暗い気持ちになるものが明るい気持ちで、その日を過すことが出来る。
言い方ひとつで、鴨にネギを背負わせることも出来れば、せっかく、背負ってきてくれたネギを下ろさせてしまうことにもなっちまう。
物は、言いようだ。
どーせなら、明るく楽しく!ネギいっぱい背負おってきてもらおう。