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自衛官から総合系コンサルファームで活躍するためのマインドセット/元航空自衛官インタビュー〜前半〜(no.9)

プロフィール
本田 大輔さん
現職:総合コンサルティングファーム
自衛隊在職時最終役職:航空自衛隊3等空尉

経歴

ーー本日はお忙しい中、退職予定自衛官、元自衛官のキャリアを考えるインタビューにご対応いただきありがとうございます。まず、本田さんの経歴を教えていただけますか。

本田さん:2017年に防衛大学校(61期)を卒業後、航空自衛隊幹部候補生学校(107B)を経て、高射整備幹部として第1高射群に配属されました。部隊では、小隊長として勤務していました。2019年8月に自衛隊を退職し、10月より日系総合コンサルティングファームへ入社し、戦略、DX(デジタルトランスフォーメーション)、IT 等に関するプロジェクトに従事しています。

ーー自衛隊に入隊された背景と在職時の職務内容を教えていただけますでしょうか。

本田さん:私は、防衛大学校から自衛隊を経験しています。防衛大学を選択したのは、経済的な理由です。もともと医師を志望しており、学費が掛からない自治医科大学を受けましたものの合格できず、同じく学費が掛からないため受験した防衛大学に入学しました。

防衛大学卒業後は、航空自衛隊幹部候補生学校に入校し、ここには2017年3月から10月まで在籍しました。航空自衛隊の幹部候補生学校は、航空自衛隊奈良基地に所在し、幹部自衛官になるべくいくつかの課程に分かれて教育を受けるための機関です。卒業後の職種の一つにパイロットがありその身体適性もあり希望するか迷いましたが、そちらの道は自分から辞退しました。課程教育としては、防衛関係教養について学んだり、訓練や体力練成を行いました。

幹部候補生学校卒業後は、高射整備幹部という職種に就き、防空システムの一つである高射器材の整備に携わりました。聞き慣れない用語かと思いますが、ペトリオットミサイル(PAC3)がその装備品の一つで、こちらは聞いたことがある人も比較的多いのではないかと思います。他国から発射された弾道ミサイルを地上から迎撃する地対空誘導弾及びその防空システムのことです。

高射関連の部隊では主に、部隊の組織(小隊)運営や、整備・品質管理に関する系統の取りまとめを行っておりました。

ドリル

若くても責任ある職を経験させてくれた自衛隊


ーーPAC3は最後の要のミサイルですね。空自幹部自衛官として勤務していた中で、在職中の思い出・エピソードを教えていただけますか。

本田さん:当初は前向きな入隊ではありませんでしたが、今となって振り返ると大半が大変良い経験でした。中でも、部隊で初めて行った本格的な基地警備訓練は印象深いです。

私の所属していた基地は陸上自衛隊が合同で所在しており、その内空自エリアで空自の指揮系統のみで警備訓練を行いました。しかし夜間に当直勤務で見回りをされていた陸自の方も不審者と間違えられることもあり、見回り中に誰何(すいか)されて非常に驚いていましたね。ただ、いろいろな状況を想定して訓練の内容が組まれますので対象外と勝手に判断した結果、実は取り逃していたなんてこともある為、全員真剣に取り組んでいました。

その訓練の中で私は基地司令(指揮官)に意見具申する指揮所長というポジションを、他の訓練要員との兼ね合いもあり3尉ながらに務めました。私が所属した基地は規模が小さかったのですが、このように小さい規模の基地で勤務する若手幹部はしっかり幹部として扱ってもらえるため、やりがいを感じやすいことは、私が持つ小規模部隊への印象です。実際当時の小隊長の役職は、建制順で基地内のNo.4に位置する役職ですので、得難い経験ができました。

加えて職場の人間関係にも恵まれていたお陰で、日々の業務や業務後の時間も充実したものでした。

ーー若くても機会があれば要職につけるのですね。期待されていた自衛官キャリアですが、なぜ自衛隊から民間企業へ再就職されようと思ったのでしょうか。

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