高級幹部自衛官から大手IT企業へのキャリアとマインドセット(no.21)
Veterans Channel キャリアセミナー No.1
「元1等空佐中村泰三さんの自衛隊からのキャリア形成の考え方」
自衛官キャリアコミュニティ「Veterans Channel」で開催した中村さんのキャリアセミナーをまとめています。自衛官一選抜で1等空佐まで昇進し、エリート街道を進んでいた中村さんがなぜ民間企業へ転職され、どのような考えでキャリア形成されているのかを余すことなくお伝えいただきました。
プロフィール
中村 泰三さん
現職:外資系IT物流会社 General Manager
自衛隊在職時最終役職:航空自衛隊1等空佐
ご経歴
ーー本日はお忙しい中、自衛官のキャリア媒体「Veterans Channel」のキャリアセミナーにご登壇いただきありがとうございます。まず司会より中村さんのご経歴を紹介いたします。
司会:中村さんは、防衛大学校卒業。卒業後、航空自衛隊へ入隊し、地対空ミサイルの管制官として勤務。
在職中、現場での組織運営と災害派遣等部隊運用で10年、防衛大学校教官2年、陸上自衛隊へ出向したのち、防衛省本省で政策的調整や意思決定に携わることに4年勤務の他、部隊指揮官・基地司令として2年勤務され、最終的に1佐でご退職されました。
その後、自衛隊で培った知識と経験が、民間との比較の中で、何が共通し、何が異なるのかを自ら検証したいとしてホテル会社を経て、現在は外資系IT物流会社General Manager職にて、物流センターのセンター長として勤務されています。
自衛官でも民間企業で十分に活躍できることを自ら実証したかった
ーーまず一つ目の質問ですが、1佐まで昇進されて民間企業へご転職された理由を教えていただけますでしょうか。
中村さん:いくつか理由があります。
もともと自分の人生で、一つの仕事だけに拘っているのはつまらないなと思っていました。若い頃から辞めどきを考えていました。それは自衛隊の仕事が嫌だったからではなく、他の可能性をさらに探求したり、世の中に貢献できることがないかという理由です。
もう一つは、一通り自衛隊の中で、部隊指揮、防衛政策に関わって、東日本大震災災害派遣も貢献できました。自衛隊で僕がすべき仕事は一通りやりきったなという思いもありました。
最後が最も退職理由として大きいですが、元自衛官が企業でも使えることを実証したいという思いです。
自衛隊にいると自衛隊の中でしか生きていけないと思っている人たちや、潰しが効かないとか思い込んでいる人たちがいます。
僕はそんなことは無いと思っていました。これだけ自衛隊でやったのだから何かしら役に立つことがあると。
例えば米軍は、同じ職種に6年いたら、昇進するかやめるかしないといけないので、結構民間企業に出ていくんですね。それでも十分活躍しているし、大企業幹部は元軍人がゴロゴロいます。
そのため、僕もそうした気持ちで自衛隊も民間で通用しないとは必ずしも言えないのではないかということや、1佐で民間企業へ飛び出すという人たちもあまりいなかったので、まず僕がやってやろうという気概で飛び出しました。
公務員でもこれだけやっていれば、民間でも通用することを証明したかったという思いがあります。
ただ、やはりその階級での退職は自衛隊へも迷惑もかけたかもしれません。退職当時は、2回目の防衛省勤務をしていて、班の総括をさせてもらっていたのですが、非常に大きなプロジェクトがあり、そのプロジェクトに関わっていました。
10年以上なかなか進まない難易度の高いプロジェクトでしたが、これをやり切ったら民間企業でも通用する、と決めごとにして取り組みました。
しっかりやり切りましたが終わった時は7〜8キロ痩せてたんじゃないかな。それくらい大変なプロジェクトでしたが、空幕長はじめ高級幹部にプレゼンし、空幕長からもよくやったと褒めてもらい無事終えました。
その1週間後くらいに辞めますと伝えたら、皆卒倒していましたね。先輩からは、「何かあったのか?」心配してくれていました。ただ決してNegativeな退職理由では無かったため、最終的には納得してもらいましまた。
ーー強い意思がありますね、最後の退職理由はより強い気持ちがあるように感じます。そこまで考えられる理由は何でしょうか?
中村さん:先ほどの話ですが、自衛官やっていると同期や同僚とかから辞めたいけど辞められないと、話の端々に出てきます。辞めたいが潰し効かないよね、と決まって言うんですよね。
何を根拠に言っているだろうかと思っていましたし、そのまま続けた結果、上司とうまくいかないといった人間関係で潰れてしまう人もいるんです。
確かに民間企業でも職務や仕事上、なかなか辞められないというのはあると思うんです。ただ、自衛隊から民間企業へいけないというような固定観念だけはぶっ壊してやろうという決意でした。
ーーご経験のもとでの、ご自身が証明してやろうというお気持ちだったんですね。今のお仕事も現職自衛官セカンドキャリアへ勇気付けられるお仕事をされていると思いますが、どのようなお仕事をされていますか。
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