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北米獣医師免許試験・備忘録122、Necropsy

剖検です。マニュアルによると、大きく分けて5つの課題をこなさなければなりません。

(1)perform a necropsy in an orderly manner, using appropriate instruments safely and adeptly

* 適当な器具を安全に用いて剖検を行うこと

(2)dissect the heart under direct observation of an examiner

*  心臓を試験官の前で解剖すること

(3)describe findings as normal or abnormal in writing, and if abnormal, briefly listing what the abnormality(ies) is (are), using the Necropsy Report Form provided as Appendix 2 to this section of the MOA

* 観察された正常・異常について所定の様式に従って記録すること

(4)take tissue samples for histopathology;

  * 病理組織検査のためのサンプルを回収すること

(5)remove the head for rabies testing.

  * 狂犬病の検査のために頭部を取り外すこと

制限時間は105分。剖検90分、記録15分です。

剖検は体重45㎏以下の豚・犬・猫・牛(たぶん仔牛)・馬(たぶん仔馬)・山羊もしくは羊のどれかがあたるそうです。猫とかの剖検ならともかく、最大サイズが来たら時間が厳しそうだなぁと思いました…(汗)

Sample collection
剖検の際に、病理組織検査のためのサンプルを採取しなければならないことは前回お話しました。
Fixative or fixative substitute will be provided, and candidates will need to add the appropriate volume of fixative for amount of tissue collected.
とマニュアルに書かれているので、サンプルを固定する溶液は提供してもらえる(=それが何かを覚えておく必要なし)。ただ、サンプルに対してどれだけの固定液を入れなければならないかは知っておかなければならない。
固定液の量については諸説あると思うのですが、調べてみたら 1:20 ぐらいでした。
また、preserve a tissue section of the appropriate size/thickness from each of the following organs, とあるので、採取するサンプルがどれくらいの大きさであるべきなのかは知っていないといけないと。
理屈からいくと、組織の変異がある場合は正常部と変異部の両方を含む 3 x 5 cmくらいが適当かなと。スライドの上に乗る標本の大きさは最大で約 1 x 1.5 cm。 3 x 5 cm あれば、4側面をトリミングしても3ブロックの標本が作れ、そこから薄切ができる という感じで。
採取しなければならない臓器は以下のとおり
Heart, Lung, Liver, Small intestine, Colon, Stomach, Spleen, Pancreas, Kidney, Skeletal muscle, Thyroid gland, Adrenal gland, Internal lymph node, Peripheral lymph node
注)日本語訳は意訳であり、翻訳ではありません。

Fatal Flaw
剖検にも一応「瞬殺リスト」があります。
1. Candidate fails to practice safe handing of sharp instruments
2. Candidate does not dispose of sharps in the correctly designated area
3. Consistently use instrument inappropriately, resulting in excessive tissue damage
4. Candidate fails to protect him-/herself from possible exposure to zoonotic organisms
5. Candidate exhibits any other behavior that would put him-/herself or other exam personnel at risk.
要約すると(1)鋭利な刃物の取り扱いを誤った場合、(2)刃物を正しく処分しなかった場合、(3)器具を正しく使用せず、組織を著しく損ねた場合、(4)人獣共通感染症等に対する安全措置を怠った場合、(5)その他の行為によって、安全に支障をきたした場合
注)日本語訳は意訳であり、翻訳ではありません。

2019/08/29

うーんと、これは試験の前に YouTube で復習しとけば大丈夫じゃない?という感じの科目です。有難いことに、何とサスカチュワン大学が作成した動画が公開されているので、それをまるっと実施すればいいというか。

それでも試験というのは怖いもので、過去の受検者で心臓を切開する際に、心臓を掌にのせた状態で切開を実施しようとして不合格になった例があったとか。最初は何で!?と思ったりもしたんですが、受験した後では『あーあのプレッシャーの中だったら、十分ありえる…』という感想に変わりました。

ガチで神経壊しにかかってくる試験なんですよねー(^_^;)

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