見出し画像

北米獣医師免許試験・備忘録67、Symmetric dimethylarginine (SDMA)

SDMA, 正式名称 Symmetric dimethylarginine 、日本名は対称性ジメチルアルギニン。


数週間前にバサーストアニマルクリニック (BAC)でちょっと話題になっていた血液検査項目、SDMA。今年(2015年)夏から IDEXX Laboratories 、アイデックス ラボラトリーズ株式会社で通常の血液検査項目の一つとして追加になりました(トロントでは、です)。

SDMAは腎機能のバイオマーカーで、糸球体濾過率に係る機能の優れた指標になるとされています。従来のクレアチニン値が腎機能の75%を喪失するまで上昇しないと言われているのに対し、SDMAは腎機能が平均40%喪失した時点で上昇するとの報告が出ています。

BACに来院し、血液検査を受けると自動的にこのSDMAの結果もついてくるのですが…BUN・クレアチニン値が正常であるもののSDMA値だけが上昇という結果が出ている症例がポツポツみられます。つまり、慢性腎臓病の早期段階が疑われるため、その他の検査結果・症状等を含めた総合的な判断および治療方針の検討を期待される、という流れになっていくのかなとも思うのですが、まだまだ出てきたばかりの検査項目なので、これからどうなっていくか判りません。Dr.Hayes は「これからの治療を変えていくきっかけになる」というようなことを言っていましたが。

インターネットで検索してみたところ、日本では来年(2016年)よりサービス開始予定だそうです。詳しくはこちらをご覧ください。アイデックス ラボラトリーズの提供するSDMAに関するPDF資料です。

すごいな、もう10年前になるのか。SDMA、最近はもう当然のように Pre-op Blood Panel に入ってますね。有難いことです。

いいなと思ったら応援しよう!