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犬や猫に健康診断を受けさせる意味ってあるの?
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働いていると毎年健康診断の受診がありますね。採血されるのがとても苦手なので毎年ドキドキしながら受診しています。動物を飼っていると元気なうちはワクチンや駆虫薬など予防関係で受診することがありますが多くの動物病院では健康な個体や若い個体向けの健康診断のメニューを用意しています。
人間においては健康診断は労働安全衛生法により定められている企業の義務ですが、ペットでは飼い主さんの義務というわけではありません。
本記事ではペットにおける健康診断の意義について考えていきます。
犬や猫は大人になると1年で4歳ほど年齢を重ねていき、大体7歳頃から中高齢にさしかかっていきます。それまでの若い間でも1年に1度の健康診断をお勧めしています。元気なうちから毎年のように検査をすることで、その個体独自の検査基準範囲を設定することができるのが最大のメリットになります。通常基準値というのは健康な個体を30例ほど蓄積して計算していくため、個体ごとの幅は反映していません。個体ごとの基準値を作っておくことで後々わずかな異常が起きてもそれを認識しやすくなります。
例えばサイトハウンド系の犬種では他の犬種に比べてヘマトクリット値が高めの傾向があります。そのため、一般的な基準値では範囲内であっても、継続して低下傾向にあれば貧血の可能性もあります。こうした犬種間の差も一般的な参考基準範囲には反映されていません。だからこそ、健康なうちからその子にとっての基準範囲を作っていくことが大切なんですね。
値を出す際は算術平均値と標準偏差を計算して±2SDの基準値範囲を設定していきます。注意点としては、この作り方では健康な個体でも一定の確率で基準値範囲を外れる可能性(低値と高値2.5%ずつ)が出てきます。実際に異常かどうかは獣医師がそれまでの個体の臨床的な経過や身体検査など様々な情報を客観的にみて異常・正常を判断していくことになります。
参考
人間の健康診断について:https://nw.wellcoms.jp/column/従業員の健康診断は企業の義務知っておきたい基礎知識 2022/10/27参照
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