獣医師のちょっとした日記6
今日は抗生剤について。
人の医療では随分前から言われていますが、ここ数年で薬剤耐性の問題が獣医の間でも認識されてきているように感じます。
非常に遅いと思います。
人の病院に比べ、動物病院はすぐに抗生剤を出してしまうことが多かったと思いますし、今でもそうかもしれません。
『"とりあえず"抗生剤処方しておきますね』と、、、
抗生剤は細菌による感染症に対する薬ですから、細菌感染が認められて初めて処方されるべき薬です。
癌かどうかわからないのに、癌の可能性があるから”とりあえず”で抗癌剤を投与するのはあり得ないとおもいますが、それと同じことをしているんですよね。
もちろん、細菌感染をすぐに証明はできないけど、もしそうであればすぐに治療しなければならない症例においては、予測のもとにおける抗生剤治療が否定されることはありません。
もし後から違うとわかったら休薬すれば良いのです。
人でも、小動物でも、これからは抗生剤が効かなくなることで感染症による死亡率は増加していくことが予想されます。
今後更に薬剤耐性の問題に対する認知が広がり、より的確な使用がされていくことを切に願っています。