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ソウルでのタクシー事故とチョークの関係

【ソウル親子留学時の時の日記を加筆修正しながら出しています。2002年頃の話です】


友達の家に遊びにいってたメロンを迎えに行く時のこと。無理に割り込んできた軽トラが私の乗っていたタクシーと接触した。

サイドミラーが割れて車体も少し擦ったようだ。幸い運転手にも私にも怪我なく

それは良かったのだが

すでに道路の真ん中ではタクシーと軽トラックが(予想通り)激しく罵りあうこと3分は

良くないやめてくれ〜。

もう乗り換えようか、などと思ったときだ。

口論中の軽トラの親父が急に車に戻ってゴソゴソ何かを取り出そうとしている。

ちょっとっ。

ナイフとかピストルじゃないだろうな。私はドアに手をかけ頭を低くして反対側から逃げる態勢を整えた。

そして身構えてから再度様子を伺うと

軽トラ親父は、タクシーのタイヤ位置を道路にマーキングしている。手に持っているのはチョークみたいだ。壊れたサイドミラー部分と擦れてへこんだ車体にもサクサクっと、印を付けてまわっとる。



誰?

警察でも保険会社の人間でもない。キミはぶつかった加害者だろ、なんで現場検証してるん?

さらに軽トラ親父はひと通りマーキングが終わると携帯を取り出して(たぶん警察だろう)状況を説明している。

不思議だ。

韓国では警察が来る前に自ら印を付けるのか?

いやそれより
なぜ検証用チョークが車に積まれているのだ。

それだけ日常的に必要ってことか?
それほど事故るってことか?

あ、ダメダメ。
余計なこと考えてる時間ないねんよ降りなきゃ。私は窓を開けて運転手に

「時間がないので、他のタクシーに乗り変えますー!」

と、言った。

そしたら

「ケンチャナヨ〜! すぐ警察が来て、ちょこっと話して出発するから。ケンチャナヨ〜」

出たよ意味不明系のケンチャナヨ。笑。アンタがケンチャナヨ(大丈夫)でも、こっちはケンチャナヨちゃうのよ😭わかれ。

ほんでさ
すぐ済むって言うけど500%すぐに済まないだろ? 警察来たら来たで、あーだこーだ言い合いするんやろ? 

でも考えてみたらこんな現場体験はそうそう無い。うーん、警察来るのを待っていたい気持ちも沸々。

や、あかんあかん。


「私は早く行かないといけないんですー私の娘が待っていますーだから降りますー!」

と、私は叫んだ。

「そうかい、じゃあ分かった分かった」

と、タクシー運転手は諦めたように言った。


私はすぐ後ろにいた別のタクシーに乗った。
行き先を告げる。

そこではたと気がついた。

あれっ。
事故った場所までの料金を支払ってない。
わぁ〜忘れてた。

おじさん何も言わなかったからな。
迷惑料でええと思ったのかな。

まっいっか。
いづれにせよもう遅い。笑。

新たにもうひとつ気がついた。でもたしかメーターは1000円近くになってたぞ。

今日の運勢は災い転じて福となるてか😝なんつって。 

「あの事故にあったの? それは怖かったでしょう〜アガシ(若い未婚女性を意味するから、私は間違ってもアガシではない。夕方でよく見えなかったのだろう)」


バックミラー越しに心配されたような気がするが、聞いてなかった。

せっかくアガシと呼ばれてるのに。

1000円得したことの方が嬉しいニセアガシmeは窓の外を眺めながら、何度もこみあげてくる笑いを堪えるのに必死だった。アホ。


【ソウル日記はあと二話にまとめてます。いつも読んでくださってありがとうございます】

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