月刊Synthwave生活 2024年3月号

このシリーズでは、だいたい月1を目標にSynthwave、Outrun、Darksynth、Chillsynth等の作品のレビューと言うか紹介をしていきます。
日本人は(よその国の人は知らないですが)割と食べ物に関してこだわる傾向があるようです。SNSでバズったり炎上したりするのも食べ物がらみが多いようですし。それは思うに、日本のビジネスパーソンのほとんどが、仕事して飯食って寝る以外の事が出来ない生活を送る中で、唯一生活の彩りがありそうなのが食事くらいしかないからではないかと思っています。ただ私は、生まれつき食べ物に全然興味がないので、必然的に別のものに興味を見出していくしかなく、まあそういうわけで今月もこんな特殊な音楽のレビュー記事を書いているわけです。
というわけで、今月もレビューの方に行きましょう。

Midwest Collective - New Twilight Music Vol. 1

Windows96と複数のアーティストによるコラボレーション的なコンピレーション。Windows96は本名?であるGavrielの名前で、ざっと見た感じ半分くらいの曲にかかわっている模様。しかしWindows96としてはこないだアルバム出したばっかりだと思うが、えらい精力的だ。しかもどの曲も一聴してWindows96と分かるのでこの人はやっぱり本物だと思う。Vol.1ということは今後も展開する予定なんだろうか。

Ѕtratford Ct. - Secret Selection #91​-​100

Chillsynthのコンピレーション。こういうのを継続して出しているЅtratford Ct.からのリリース。毎回10曲ずつ入ったアルバムでこれで100曲になる模様。非常に宇宙的な感じのするChillsynthが多めで良い。

PURE LIFE - IKLECTIK: Beyond A Venue

PURE LIFEレーベルによるコンピレーション、31曲入り。寄付と支援を募る企画としてこれだけの曲が集まった模様だ(詳細は英語だがBandcampページに書いてある)。内容としては、Y2K・90年代のテクノな感触を持つような曲が前半にあり、後半はいかにもDreampunkなアンビエント。なんとも都会的な孤独感があり、醒め切った感じがするのは共通している。このレーベルはジャンルとしてはDreampunkがメインのようだが、2010年代のVaporwaveその他から続く一つの潮流が、そろそろ次の変化を遂げようとしているかもという印象を受ける。それが何なのか、どのような名前で呼ばれることになるのかは現時点では私にはわからない。

Zakirra - Memory

Soviett Recordsという謎のレーベルからリリースされた、あんまり素性のわからないアーティストによる作品。「Kono Yarou」というタイトルで「馬鹿野郎」というサンプリングで始まるのが素晴らしい。サンプリング元はおそらくAKIRAだろう。内容的にはスタンダードなSynthwave。正直私はこういうどこの馬の骨かもわからないような怪しい音楽を探すのが好きなだけかもしれない。