月刊Synthwave生活 2024年5月号

このシリーズでは、だいたい月1を目標にSynthwave、Outrun、Darksynth、Chillsynth等の作品のレビューと言うか紹介をしていきます。
一個前の記事に書こうと思ったけど本筋から外れるので書かなかった事を一つ。ジャンルとタグの使い分けについてですが、10年ほど前はSynthwaveというジャンルにはOutrunという別名があって、どちらも基本的には同じジャンルを指した言葉だったんですが、いつの間にかSynthwaveというジャンル名だけが残りました。しかしOutrunが無くなってしまったかというとそうではなく、Bandcampのタグでは今でも結構使われています。Bandcampのタグは、人によっては検索にかかりやすくするためにありとあらゆるタグを放り込む事があって、その結果Synthwaveで検索しても関係ないジャンルの作品にSynthwaveのタグが付いていて引っかかってしまうことが多々あります。しかしOutrunのタグで検索すれば、今でもオールドスクールなSynthwaveを作っている人たちはこのタグを使っていることがあるので、真正なSynthwaveを検索しやすいのです。
というわけで、今月もレビューの方に行きましょう。

Axion - The Conquest of Space

ジャケットの絵が素晴らしい。見たまんまゲーム音楽的Synthwave。まったくもって2024年の時代感覚に迎合する雰囲気が微塵も感じられないのが頼もしい。

QNAUT - Simulacrum

ドイツはブレーメンのアーティストによるChillsynth作品。ジャケットの絵がいい感じだが、この色彩の感覚が音にもよく表れているような気がする。言葉で表現するのは難しいが。

ED-209 - Alpha Waves

透明感のあってひんやりとしたChillsynth。まあChillという言葉の本来の意味を考えると正しいのかもしれない。タイトルはアルファ波から取っていると思われる。Wikipediaによるとリラックス時などには8~13Hzの脳波が出るらしい。

Planar-07 - Heat

なんかかなりゆったりとした壮大な感じのあるChilsynth。壮大というかなんとも重々しい雰囲気もある。Neon Retro Recordsというレーベルから出ているが、このレーベルは以前は本拠地がロシアとなっていたが、今はBandcamp上では本拠地の表示が無くなっている。色々あるんだろう。

FM Skyline - Images

FM Skylineは基本Vaporwaveに分類されると思うが、やってることは徹底的にMIDI打ち込みなサウンドの追求だと思われる。MIDIというかあの時代の音源でないと出せないなんともバーチャルな艶のあるサウンド。