顔面アウト
元々このnoteは週一くらいで更新しようと思って始めたんですが、2か月くらい、このnoteを放置していました。自分の中では3か月くらい開いたような気がしたんですが、見てみたら2か月だったようです。
その2か月の間、何をしていたのかというと、「顔面アウト」というWebサイトを作っていたりなどしました。
この「顔面アウト」というのは、どんなサイトかと言うと、みんなで落書きして遊ぶ面白画像サイトです。
学生時代、授業中の暇なときに、教科書に載っている歴史上の偉人や文豪の顔に鉛筆やボールペンで落書きをした経験のある人は多いと思います。それをWeb上でやろう、そして出来た落書きをみんなで見て笑う、というのがこのサイトのコンセプトです。
誰かが画像を投稿する。そしてその画像にみんながそれぞれ落書きする。面白い落書きが出来たら、それを投稿して見てもらう。というシステムです。
面白画像とか笑える画像のコンテンツというのは、常に需要があって、ネット上でも毎日のようにいろんなネタ画像が共有されて人々を笑わせています。そういう面白い画像をどんどん生み出していくためのサイトが作りたいと思って始めました。
落書きの素材となるお題画像を投稿するのは簡単にできますし、落書きをするのもブラウザ上だけでできるようになっているので、簡単です。別に絵をかくのが下手でも問題ありません。それがかえって面白さにつながる可能性もあるからです。
このサイトのメインコンテンツはもちろん落書きになるのですが、もう一つこのサイトの特色として、Monacoinによる投げ銭システムがあり、投げ銭された額がそのまま作品の評価として使われるという仕組みがあります。
このシステムはオリジナルではなく、AskMonaというサイトが先に有りまして、なかなか斬新な仕組みなのでパク…いや発展形を作ろうと言うことで取り入れてみました。
MonaCoinとは何か?というのをここで説明すると非常に長くなるので、詳しくはWikipediaで見ていただくとして、要するにBitcoinから派生した暗号通貨です。映画に例えて言うならば、Bitcoinが「トップガン」だとすれば、Monacoinは「ベストガイ」みたいな感じです。(ちなみに私はベストガイの方は見たことありません。)
Bitcoinに関しては、たとえばIT系の仕事の方なら、
「Bitcoin?ああ、あの公共トランザクションログを利用しているオープンソースプロトコルに基づくPeer to Peer型の決済網及び暗号通貨ね。」
って感じだと思いますが、それ以外の方には中々分からないと思います。あまり一般の人向けの説明で、いい感じの説明が中々無い、もしくは説明できる人がいないというのが現状でしょう。つい最近「ゴルゴ13」でBitcoinを題材にしたエピソードがあり、その作中で数ページにわたって解説がなされていたんですが、あくまで漫画なのでそこそこの説明で、話の都合上いくつかフィクションが紛れ込んでいる感じもありますが、ゴルゴが好きな人は単行本が出たときにでも読んでみるとよいでしょう。
私の知っている中でよくまとまっていると思われる解説のリンクを一応張っておきます。
http://news.mynavi.jp/articles/2014/04/17/bitcoinokada/
http://www.nii.ac.jp/event/shimin/archives/2014/1/
これらの説明は読むのに中々苦労するかもしれません。特に技術的な予備知識が無いとさっぱりかもしれませんが。個人的に思うのは、変な例え話みたいなのを盛り込んだ説明というのは余計に分かりにくくさせるんじゃないかということです。上のリンクの説明はあんまり変な例えとか無いと思うので読みやすくはないかもしれませんが正確だと思います。
例えばの話、「C言語のポインタを何かに例えろ」と言われてもあんまりいい例えが思いつきません。そういう例えにくいものがたくさん登場するのが暗号通貨の世界なんでしょう。暗号通貨を語る上で「採掘」というキーワードがたびたび出てきますが、この「採掘」という表現も、それほどいい比喩でもないと私は思います。どうしてもヘルメットをかぶってつるはしを持ったおっさんのイメージが出てきてしまいます。上のほうで書いたトップガンとベストガイの例えも、文章中の小ネタとしては良いですが、例えとしては割と不正確です。
結局Bitcoinというのは何かというと、決済システムです。中本哲史という人が、「公共で世界中の誰でも見れて、なおかつ誰にも改ざんできないデータ」というものを思いつきました。「じゃあそれに世界中のお金のやり取りを記録すれば、最強の決済システムが出来るんじゃないか?」という感じ(たぶん)で作られたのが、Bitcoinというシステムです。そのシステムで使われる通貨の単位もBitcoinと言いますが、単純に通貨の単位としての意味だけで使う場合には「BTC」と略します。
このシステムの中で流通しているBitcoin(などの暗号通貨)は、要するに電子マネーみたいなものなので、紙幣や硬貨と違って物体としての実体はありません。それは当たり前です。でも実はデータとしての実体もないんです。「誰から誰にいくら支払われた」というデータだけがあります。
たとえばAさんからBさんに5BTC支払われたとすると、「AさんからBさんに5BTC支払われた」というデータがインターネット上に送られます。それは世界中にコピーされて拡散され、一回拡散してしまえばそれはもう取り消しできません。そのデータはすべて記録されているので、たとえば「自分が今いくらもっているのか」というのは、自分宛の入出金の記録を全部集計すればおのずと判明するという仕組みになっています。
Bitcoinは、いくつかパンドラの箱的なものを開いてしまったとおもうのですが、そのうちの一つは、「ある程度の技術があれば、個人でもBitcoinと同じシステムを作ることができる」ようにしたということじゃないでしょうか。現に何百もの暗号通貨がBitcoinをもとにして作られています。STAP細胞と違って再現性があるわけです。そのうちの一つが、Monacoinなわけです。(やっとMonacoinの話が出てきました)
Monacoinは日本人によって作られ、日本人向けに(というか2chで)広められました。Bitcoinは元々英語圏で作られて広まったものなので、日本人でBitcoinを持っている・利用している人がどのくらいいるのか分からないですが、Monacoinについてはそれなりに日本国内に利用者がいるだろうという感じです。Bitcoinを持っている人というのも、基本的には投機的な目的でBitcoinを売買している人が多いようで、なおかつそういう人は、決済システムとしてのBitcoinについてはあまり興味が無さそうなんです。
実際日本のインターネット上では、BitcoinよりMonacoinのほうがポピュラーな存在になってきているようです。これは暗号通貨の世界では、非常にガラパゴス的な状況とみられています。
そんなわけで、いま日本で暗号通貨を使ったサービスをなんかやってみようという場合は、とりあえずMonacoinが選択肢として有力なわけです。ぶっちゃけた話をすると、Bitcoinより相場がかなり低いので、万一損害が出てもそれほど大きくならないというのもあります。
そんなわけで「顔面アウト」では、Monacoinを使ったシステムとなっておりますが、でもこれは買い物をするとかではなくて、上で述べたように「投げ銭」をするために導入しています。これは「実際に暗号通貨を使ってみる」という体験を、ローリスクローリターンで気軽に体験してもらうことが一つの目的です。
「顔面アウト」で投げ銭を受け取ったら、それまた別の人に投げ銭しても良いし、自分の手元に出金してもかまいません。出金するのはいつでも出来るようになっています。手数料もごくわずかです。
最近、Youtubeの広告で、動画の収入で儲けた人を使ってYoutubeで収入が得られるというのをアピールしていますが、あれは確か支払の最低額が1万円くらいになっていて、それを超える時点までは貰えないという風になっていたと思います。ほかのアフィリエイト等や、スマホのアプリの収入などもそういう定められた額に達するまでは支払が貰えない決まりというのがあるはずです。
それに対して「顔面アウト」では、そういった支払の最低額というのは設けていないので、投げ銭で貰った分を、少ない額であっても、好きな時点でいつでも引き出せます。これはちょっと暗号通貨のすごい所の一つです。ほかの決済手段の場合、たとえば銀行振り込みなら、手数料はどうしてもかかるので、月1回にまとめて、なおかつ支払最低額を上回った額の時だけ、という風にせざるを得ないでしょう。でも、その支払最低額の制限を取っ払ったら、本当の意味での小遣い稼ぎというものが出来るようになるかもしれません。
長々と書きましたが、暗号通貨の世界がこの先どうなっていくのか?それは誰にもまだわかりません。小学校の頃、ノストラダムス関連の本ばかり読んでいた私でもこの先の展開が全く見えません。まあでもこの先の推移を見守っていく必要のあるのは、これから何かビジネスを始めようとしている人、インターネット上で何かを売りたいという人ではないでしょうか。ネット上で何かを売るには、当然決済手段が必要です。それは導入コストや手数料が安い方が良いでしょう。近い将来には何らかの暗号通貨がその選択肢の一つとなるかもしれません。あるいは、手数料の安さや、送金や受取の簡単さ、参入障壁の低さを最大限に利用した新しいビジネスが思いつくならば、それは今までになかった新しい市場を作ることになるかもしれません。
というわけで、「顔面アウト」よろしくお願いします。