月刊Synthwave生活 2025年2月号
このシリーズでは、だいたい月1を目標にSynthwave、Outrun、Darksynth、Chillsynth等の作品のレビューと言うか紹介をしていきます。
10年ほど前は、Synthwaveの世界を体現したゲームといえば「アウトラン」だったわけですが、現在台頭してきているジャンルにおいては「リッジレーサー」「ワイプアウト」「セガラリー」という感じでしょうか。まあ順当に時代が10年ほどスライドしている感じはあります。この調子でいくと10年後には「グランツーリスモ」とか「Forza」とか「Need For Speed」になってるんでしょうか?しかしなぜレースゲームばかりに偏っているんでしょうか?その辺は謎です。
というわけで、今月もレビューの方に行きましょう。
Miami Nights 1984 - Gunblaze Assault
架空のゲームのサントラという体の作品。ジャケットを見てもわかる通りPS1の時代のゲーム音楽を意識しているとみられ、従来のSynthwave的な音と90年代的な音がミクスチャーしたような感じ。
NewRetroWave - In Search of Darkness (1990-1994) [Original Documentary Soundtrack]
ドキュメンタリー映画のサントラ。NewRetroWaveはこの映画の前作でもサントラを提供していたが、内容はホラー映画についてのドキュメンタリーのようである。基本的にDarksynthの曲がそろっているがホラーが題材なだけあって、あんまりサイバーな感じはなく怪しげでゴシックな雰囲気だ。しかしジャケットの絵はちょっとキツイ。
Carlights - The Best of Carlights vol. 4
非常に透明感のあるサウンドで純粋なSynthwave。近年は90'sやY2Kなサウンドの波が押し寄せて昔ながらのSynthwaveのアーティストも岐路に差し掛かっているように思えるかもしれないが、今でも別に昔ながらのSynthwaveで良いものを作ることはできるし、そもそも時代の流れにとらわれないのがSynthwaveのあり方なのかもしれない。こういう透明感のある突き抜けるようなサウンドだけでほぼ構成された音楽は他のジャンルには求めることはあまりできないだろうし。
YET soundsystem - FORBIDDEN MEMORIES
Ambient jungle系の作品。やはりタイトルから想像できるとおりPSのゲームを意識しているのだろう。しかし「KUTARAGI」というタイトルは意表をついているがある意味では直球である。おそらくSynthwaveの音作りとも通じるところがあると思うが、なかなか透明感のある鋭い音が随所にありこれが90年代のゲーム音楽っぽさを作り出していて、90年代のPCMシンセを感じさせる音だ。