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【大学生メンター体験談】ありのままの自分に何ができるのかを考えつくした経験

very50には、MAP(Mentorship Acceleration Program)LiD(Ledership in Developing countries)を修了した大学生が、メンターとして高校生のプログラムに参加する制度があります。今回、2023年8月にインドネシア・バリで行われた高校生向けのMoG(Mission on the Ground)に大学生メンターとして参加した八重樫さんより、メンター体験談を聞きました。ぜひ、ご一読ください!

八重樫 海斗
慶應義塾大学法学部政治学科2年生。趣味はバックパック旅行で、今までで17カ国へ旅をした。そんな海外好きが転じて、国際協力に携わりたいと考えるようになる。
地元の川口に住むクルド難民に興味を持ったことから、2023年9月にトルコへのスタディツアーを企画し渡航。トルコで、マイノリティが抑圧される現場を目の当たりにし、国際協力への興味を強める。


1. MAPへの参加経緯

もともと海外が好きで、大学入学後、国際交流サークルでの活動やバックパック旅に打ちこんでいました。活動の中で、途上国を訪れる機会も多く、途上国の社会課題に興味を持つようになりました。そんなとき、大学一年生の終わりに、新しく何か打ち込めることを探したいと考えているなかで、メンターをやっていた大学の友人からMAPを勧められ、自身の興味に合っていると思い参加を決めました。

2023年9月に、トルコ地震で家を失った人達が住んでいるゲルを訪れた時の写真です。
トルコでは、普通に歩いているだけで「チャイ飲もうよ!」と誘われて、
お家に上がらせてもらったことが何回もありました。
ローカルの人々の生活や価値観を知るのが楽しくて、旅中は色々な人と話します!

2. MoGに行く前の事前準備期間に感じていたこと

MAP修了後、MoGでのメンターを初めて務めることになり、「ビジネス系の知識や経験も少ないなかで、高校生を引っ張ることや、バリの社会起業家に価値を残すことができるのだろうか?」と正直不安でいっぱいでした。事前準備としては、オンラインで生徒とミーティングをしたり、生徒向けの授業に参加したりしていました。
MoGの前に開催されたメンター合宿*へ参加して、実際のMoGのようなケーススタディーを実践したことで少し不安は和らいだものの、バリ渡航に向けて緊張していました。

*メンター合宿 詳細Instagram投稿
夏に開催されるMoGに引率するメンターを対象に、1泊2日の合宿を実施しました。MoG引率前に、チームビルディングとメンターとしてのスキル向上を目的にしていました。合宿では、MoG体感ケースワークや、教育を考えるディスカッションなどに取り組みました。

今回のMoGでは、Tempemanというバリの社会起業家と活動しました。
大学生メンター仲間と、Tempmanの事業家の2名との写真です!

3. MoG中に感じていたこと

実際にバリでMoGが始まってからは、「大学生メンターとして、生徒より高い視座をもっていなければいけない」という緊張感や焦りから、自分自身を本当の自分より良く見せようと、無意識にカッコつけてしまっていました。しかし、MoGの活動にのめりこんでいくなかで、カッコつける余裕がなくなってきたということもあり、「ありのままの自分が今生徒にできることはなんなんだろうか?」と本気で生徒に向き合えるようになりました。高校生からも「今回のMoGの大学生メンターのなかで、初対面の時と比べて、一番印象が変わったのはかいとさん」と言われるほどでしたが、この変化が、自分と高校生ひとり一人との心理的な距離を縮めてくれました。

高校生と事業家のテンペワークショップ体験に行ったときの写真。ワークショップに関する提案をする上で、実際に体験してみようということになりました。コンテンツへの気づきはもちろん、
全力で楽しませようとするベニーのホスピタリティに、みんなで感動しました!
現場を見たことで、事業家へ価値を残すという目標に向けて、
さらに高校生のやる気に火がつきました!

高校生たちも、新しく慣れない環境かつ忙しいスケジュールのなか“ありのままの自分”で接してくれることも印象的でした。“ありのままの自分”をさらけ出すからこそ、お互いの強みや伸びしろがあらわになり、相手の粗探しをするのではなく「あいつってこういうところがあっていいよな」と、相手を尊重しつつ絆が深まっていく様子に感動しました。

MoGでのTempemanの事業家に対しての生徒の最終プレゼンの後、
事業家からのフィードバックを受けている時。感動的でした!

MoG中に、生徒と1対1で話す機会がたくさんありました。生徒と話す中で、生徒が悲しんでいたり苦しんでいる時に、共感はできるものの、うまくアドバイスできないこともありました。そんな自分への力量不足を感じ、つらかった時もありました。
そんな時、大学生のメンター仲間やvery50スタッフと話す機会が安らぎの時間となりました。つらいときにメンター仲間に声をかけてもらったり、ミーティングの中で悩みを共有する時間があったりと、カッコつけず、正直に悩みを打ち明けられたり、感情を共有できたりする機会がありました。自分と同じようにつらい中で頑張っているメンター仲間と話し、「自分は一人じゃないんだ」と気づき、高校生やメンター仲間のために、自分も頑張りたいと心から思いました。
今まで、自分の悩みを共有することが苦手で、つらいことが起きても、一人で解決しようとしてきました。だからこそ、ありのままの自分をさらけだして、悩みを共有することで、こんなに気持ちが軽くなるのかと驚き、今後の自分に向けた大きな教訓になりました。

もともと、「自分のやりたいことをやる」が自分自身の原動力なのですが、高校生や大学生メンター、very50スタッフなど「コト」ではなく「人」が今回のMoGでの原動力となりました。MAPを始めた当初は、社会課題への興味が強くありましたが、MoGでの高校生や大学生メンターとの関わりを通して、「人」の面白さや素敵さに気づくことができました。

最終日のクタビーチ観光の際に、大学生メンター5人とvery50スタッフと撮った写真です!

4. 今後の展望

MoGへの引率などvery50との関わりによって、自分自身の将来の展望にも変化がありました。元々社会課題に興味があり、国際機関で働くことを目指していましたが、ソーシャルビジネスへ興味を持ち、ビジネスという手段を用いて、世の中にいいことをしたいという夢ができました。以前は、「社会起業家」は、雲の上のような存在で、自分には絶対できないと決めつけてしまっていましたが、very50での活動を通してさまざまな社会起業家と出会い、「成功している人が存在するなら、自分もやってみたい」と勇気づけられました。
さらに、MoGで「人」の面白さや、素敵さに気づくことができたおかげで、自分の夢に向かって突き進んでいく過程でも、もっと周りの人を大切にしたいなと強く思っています。

今回MoGで出会ったTempemanのベニーとの写真。ベニーからはいい影響をもらい、
とても仲良くなりました。今でもオンラインで連絡をとっています!

帰ってきて数日経った今も、ひとつ一つの思い出を鮮明に思い出せるほど、MoGは、自分にとって印象的な経験でした。メンター活動に興味を少しでも持ってくれたなら、ぜひMAP(Mentorship Acceleration Program)へ参加して欲しいです!僕自身も、海外が好きという軽いきっかけからMAPに入り、MAPでの活動やメンター活動をすればするほど将来への気付きや自己成長につながりました。「MAPに参加してみようかな」という小さな勇気が皆さんの大学生活をより豊かなものにしてくれると思います!