シリアルアントレプレナーに聞く、スタートアップの心得とは? <VERSUSイベントレポート>
日本最大級のエンタメ・スタートアップコンテスト START ME UP AWARDS のプレイベントが4月15日に開催されました。今回はその様子を一問一答形式でレポートします。
今回のプレイベント登壇者は 浅枝⼤志さん。
メイド美容院 モエシャン、イヤホンジャックを使用したガジェット Beatrobo などの事業を次々と立ち上げ、現在はAR技術を用いたマーケティングソリューション atap を立ち上げています。
今回はそんなシリアルアントレプレナーの浅枝さんに、スタートアップ立ち上げにあたって気をつけるべきアドバイスをお伺いしました。
■エンターテック分野で起業する時に、気をつけることは何ですか?
浅枝さんいわく、日本でエンターテック業界のビジネスを立ち上げるには
「参入マーケットをグローバルにすることを意識する」
ということ。
エンタメ業界が放っておいても成長するような市場ではないこと、興味のある購買ユーザーが(他の分野に比べて)縮小傾向にあることから、スタートアップらしい成長速度を維持するにはグローバル規模でのサービスを考える必要があるとのお話がありました。
また、あわせて重要なのが
「著作権者への報酬の還元を設計しておく」
ということ。
エンタメに関連した事業を行う場合、どうしても他人の権利を使ってビジネスを行うことになるので、ただ新しいことをすればいいだけではなく、権利者に利益が出るようなサービス設計をしておく必要があるとのことでした。
■既存の業界慣習や、著作権のルールとの向き合い方について意見を聞かせて下さい
過去にBeatroboなどで著作権コンテンツを扱った場合は「既存の企業とかなり真面目にやりとりしていた」とのことでしたが、反省としては
「もっとユーザー目線でサービスを作るべきだった」
とのこと。
著作権を扱うときは、どうしてもアーティストや著作権者に気を使いがちになってしまいますが、慣習を言い訳に設計を妥協せず、未来の普通となる前提でユーザーを第一に考えるべきとのご意見でした。
■イノベイティブな事業アイデアを思いつく秘訣や、アイデアをサービスに落とし込むコツを教えて下さい
これについては、いくつかのお話が出ましたが一つは
「大企業がやりたいと思っているが手を出せなさそうなことを、先にやってしまう」
ということ。
こうすると、大企業と利害が一致し、業務提携がしやすくなり、エンタメ業界でも事業を進めやすくなった経験があるとのことでした。
また、もう一つアイデアを思いつく上でも、事業を進める上でも重視しているのが
「思いついた未完成なアイディアを溜め込まずにたくさんの人に話す」
ことだそうです。
特にまだアイデアだけの段階のときは「真似されてしまうのではないか」と心配して話さない人がいますが、仲の良い友人の取り組んでいることの真似をするほど情熱と行動力を持つ人は少なく、また真似をされたところ表面上の真似でしかなく、その先に考える大きな時代の変化までは真似しきれないので、真似されるリスクを恐れて話さなしよりも、多くの人に話してアイデアをブラッシュアップした方がよい、とのお話がありました。
また、これと合わせて
「自分と同世代ではない世代の友人を各年令層ごとに一人ずつ作ると良い」
というお話があり、20代ならば、10代、30代、40代、50代、60代と仲良くなり、30代ならば10代、20代、40代、50代、60代と仲良くなるなど、あらゆる世代の人と話すことができる環境を自ら作り上げ、視野を広げることが有効との話もありました。
その他にも多くの学びがあった今回のプレイベント。ぜひこちらをご参考の上、START ME UP AWARDSにも奮ってご参加ください!
■START ME UP AWARDS 2019概要
START ME UP AWARDSは2014年の開始以来、エンターテインメント関連ビジネスの活性化につながるアイデアと起業家を支援してきました。2019年からは日本初のエンタメ・スタートアップスタジオであるVERSUSが主催を務め、より若い世代の新しいアイデアをブラッシュアップする場となることを目指していきます。
■賞
<最優秀賞:1組>
- 米国「サウス・バイ・サウスウエスト2020」でのAccelerator Pitch Eventエントリーへのサポート
- 米国「サウス・バイ・サウスウエスト2020」会場までの往復渡航費
- 上記に関わる言語支援
- スタートアップスタジオ「VERSUS」による創業支援
<優秀賞:2組>
- スタートアップスタジオ「VERSUS」による創業支援
■募集要項
下記のエンタメ・スタートアップスタジオ「VERSUS」のテーマ領域に合致したプロダクト、もしくは事業アイデア
<VERSUSのテーマ領域>
1.日本のコンテンツビジネス生態系の活性化、再構築につながるサービス
2.日本コンテンツの海外輸出を促進するサービス
3.エンタメ活用によるインバウンドビジネスを活性化するサービス
4.アジア市場の緊密化を促し、日本文化伝播の可能性を広げるサービス
5.テクノロジーを活かした新しい表現、クリエイティブを呼ぶサービス
6.エンタメビジネスにイノベーションを起こし得るあらゆるサービス
■応募資格
・個人もしくは有志のグループであること ※法人名義での応募は不可
・応募締切(2019年6月30日)時点で代表者が25歳以下であること
・日本語もしくは英語でのプレゼンテーションが可能なこと
■応募締切
6月30日(金) 23:59 応募フォーム受付にて
■応募方法
以下のフォームに必要事項をご記入の上、応募ください。
https://goo.gl/forms/GMZSkl8GcJNNTLKj1