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【EDH】刈り手、ベイレン/Baylen,the Haymaker デッキリスト+解説

(まえがき:当該記事のレベル帯は7~8を想定しています)

versunismと申します。

ブルームバロウが発売されて早1か月が経ちました。
発売前のカード情報の先行発信にてベイレンを見かけ、

「マナ生成、ドローが出来て本体が軽い、これは面白くなりそう!」

と思い立ち即デッキを作成、山陰にて開催されたEDHイベントなどで使用してみました結果、ナヤカラーとは思えないほどインタラクティブ、非常に『自由』な使用感で、お勧めできるジェネラルであると思いました。

X/旧Twitter上では組んでみたという声はちらほらあるものの、知識多く知恵少なきインターネット、moxfieldやハレ等で見当たるデッキリスト程度しか情報がなかったため、自身の構築でどの程度の強さなのか、或いはどのように動き勝利手段とするのか、といったベイレンの魅力を拙筆ながらもご説明、ご紹介させて頂ければと存じます。



1.刈り手、ベイレン/Baylen the Haymakerについて

 

時に農民、時に戦士。ベイレンは自身の身体と武器の両方に荒々しい力を吹き込むという独自の能力で、ヘイメドウの村の防衛を率いています

『ブルームバロウ』の伝説たち|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト (mtg-jp.com)

ブルームバロウで登場した、ナヤカラー(赤,緑,白)の兎・戦士です。
混成マナの生物はスタッツが強めに設定される傾向がありますが、
例に漏れず3/4/3という優等生となっております。

また、アンタップ状態のトークン(生物/非生物問わず)を複数タップし、

2つで有色マナ生成
3つでドロー
4つで自身に+3/+3カウンターで強化(発動ターン中トランプル付与)

する起動型能力を持ちます。

マナ生成やドローといったリソースを伸ばす能力はラビットフォーク特有の農耕民族としての姿、自身の強化能力は脚当て隊 或いはヘイメドウ自警団での戦士としての姿を表しているのだと考えられます。
なお余談となりますが、紹介記事の原文まで確認しましたが、文章に三人称が使用されておらず現時点では男性なのか女性なのかは不明です。

トリプルシンボルだけあり序盤の着地の安定性には若干の難があります。
しかしトークンを優先してバラ撒いておいてもよく、既にトークンが出ていれば着地時に即除去されようが最低限の仕事はできます。
そして色さえ出れば本体のマナコストは軽いため、リキャストが容易です。
言わずもがな、トークンと共に長く場に残すことが出来れば、ガンガンリソースを稼いでくれます。


以下、ベイレンをジェネラルに据えた場合の固有の強みについて、
ご紹介させていただきたく。

2.ジェネラルとしての強み

インスタントタイミングで幅広い戦術

トークンを立てておきマナ生成orドローの双方に好きなタイミングで派生可能であることは他のジェネラルにはない固有の動きです。動く必要が生じるまでマナを構えておき、何もなければドローをすればよいため有効な選択を採ることが可能です。

そしてインスタントタイミングで唱えられるトークン生成カードとは非常に強いシナジーを持ち、

インスタントタイミングでトークン生成(トークンアンタップイン)

生成トークンにてさらにマナ生成し次のカード発動orカードをドロー

といった連鎖的な動きが可能で多くのアドバンテージを獲得できます。

全体除去へ疑似的耐性

横に並べるなら全除去撃たれたらキツくない?と思われるかもしれません

しかしトークンでないカードを何枚も横に並べるデッキとは異なり、三体以上のトークンが出るカードはキャントリップ換算できるため、大量に並んだところに全除去を撃たれた場合も非常に損失が少なく済んでいます。
むしろ、手札が増えていることも。
もろちん展開用のマナクリやベイレン本体も流れるため、当たれば痛いのは間違いないですが、後半になれば一枚のカードから5,6体のトークンを生成するのも難しくなく、全除去を2度3度撃たれても戦線復帰可能な粘り強さを持ちます。

アーティファクトやエンチャントのトークンも対応しているため、こちらは《毒の濁流》や《冒涜の行動》などの生物除去では流されないことから比較的安定継続して場に残してリソース化できます。
(自分は『不労所得』と呼称しています)

墓地利用ゼロ

トークンを軸とする関係上、展開やキル手段を含めて墓地を利用する構築にならない(なりづらい)ため、墓地対策の影響を受けません。

横と縦双方の守り

トークンを横に並べる構築になることや、自己強化能力で一方を取れることもありガードが固いです。
統率者あるあるだと思うのですが、コンボガン積みで7-8想定でデッキを組んだはいいが、6程度と卓を囲んだ結果、顔面ボコボコにアタック喰らって負けた…みたいなことはないでしょうか。
(特にディミーアカラーやオルゾフカラーのジェネラル)
そういった試合が少なく、精神衛生的にも優れたやさジェネラルであると思います(?)
戦闘が強く、コンバットによる勝利も狙えるジェネラルです。

 農耕民族は剛く逞しい


以降につきましては、自身の構築の話になります。

3.デッキリスト(~BLB)

デッキレベルは6↑~程度のデッキと対戦を重ねた上で7-8程度と考えます。
最初は色も考慮して6程度を想定していましたが、明らかに7以上はあるように感じました。

4.構築の方針

理想の動き方

初手はマナクリからのマナ加速+トークン生成呪文でキープし

トークン生成

カードをドロー

トークン生成呪文を引く

トークンからマナブースト

トークン生成

というサイクルで早期に大量マナを確保し、Xトークン生成呪文を叩きつけていくことを理想の動きとします。

初手で1~2枚のトークン生成カード、ベイレンをキャストできる1枚以上のマナ加速カードおよび土地を2マリガン以内に引ける構築としています。

何も妨害がないことは100%ないので実戦ではあり得ないですが、引きによって5,6ターン頃にはキルムーブを取れます。もちろん黒や軽い2枚コンボが無い為安定するわけではありません
しかしスピードを出そうと思えば出てしまい、一挙にヘイトを稼いでしまうため、実戦では生成カードを温存しつつじわじわとリソースを伸ばしていくのがいい塩梅の立ち回りになると思います。
妨害カードを多めに採用しており、危険行動に対する防衛を条件にリソース稼ぎのヘイトを下げてもらうことも視野に入れています。

トークン生成カード

消費マナ:生成数の効率が高いものを優先的に採用したいです。
トークン生成カードを大量に検索していると自然にわかってきますが、大抵の場合、1マナ:1トークンを相場にデザインされています。
固定マナシンボルのカードは最低でも単品で1マナ:1トークン以上出る可能性が高く、なおかつ軽いものを優先的に採用します。

 

また、基本的にトークンは除去されるものと考え、最低でもキャントリップとなる3枚以上は生成される可能が高いものを優先します。
これが理由で破壊対象が3マナ以下となる可能性が高い《秘宝の突然変異》は不採用とし、《オーラの突然変異》は採用しています。

X系のトークン生成カードを大量に採用する

XマナでX体トークンを生成する系のカードは、ほぼ1マナ:1トークン以下の生成効率にはなるものの、下記に述べる点から非常に採用するメリットが高いです。

・1枚で序盤の仕掛け・終盤のエンドカードに双方になり得る柔軟性
・《ガイア揺籃の地》による早期大量展開の実現
・極論どれだけ大きいアクションをして打ち消されても1枚しか損失がない
・後続のアクションによって消費するマナを調整可能

シングルシンボル+Xの生物生成呪文は全カード採用しています。

これ以外あれば教えてください 《煙の精霊の助け》は非生物の為未採用 

ダブルシンボル以上+Xであればインスタントのものを特に優先し、その他は生成トークンの強さや生成効率の大きいもの、付加効果の大きいものを採用しています。

 

逆に言えば固定のマナシンボルのカードは序盤では軽いもの以外使えず、終盤或いは《ガイア揺籃の地》設置後に引くとパワー不足となるジレンマが発生することとなるためマイナスポイントとなります。
《高まる献身》や《急報》が該当します。

受動的なトークン生成能力のカードは採用しない

《カリスマ溢れる征服者》や《終わりなき巣網のアラスタ》が該当します。

シゴデキ"風"

これらは相手の挙動によりトークンの大量獲得が狙えそうですが…

《カリスマ溢れる征服者》については、生物の場合、速攻持ちのタップ能力を即座に起動させたい場面でもない限りタップインで困ることは少なく、ファクト等もタップインで次ターン以降に使用しても問題がないことが殆どのため、全くトークンを生成させて貰えません。青系デッキにたいしてもさして時間稼ぎにもなりません。

《終わりなき巣網のアラスタ》は前項でお話したトークン生成効率の相場を達成するには、相手に4枚以上のインスタント・ソーサリーを唱えてもらう必要があります。
一方他プレイヤーは除去されるまでは発動を控えればよいだけであるため、マナコスト分のトークンを生成するまでに盤面に残してもらえることの方が少ないです。

例外的に《息詰まる徴税》に関しては青系のドロー抑制orドロー後の減速を迫れ、自身の動きは制約せず相手のみゆるいスタックスが可能であるため採用しています。

シゴデキ 土地が伸びてくると微妙

トークン生成がアドバンテージに繋がるジェネラルであることが判明している以上、相手はトークンを生成させないように動くのは間違いないため、これらのカードはまず1:1生成効率以上の仕事はしないと考えていいです。
…考えればわかることではありましたが、失敗談です。

トークン生成時にのみ効果を及ぼすカードは採用しない

例は《似通った生命》や《選定された行進》《ペレグリン・トゥック》などです。

弱くは無いんですが…

これらは一見、トークン生成するデッキであれば相性のいいカードと思われますが、

・次のトークン生成カードを引いており
・該当カードを場に残し
・発動或いは生成能力を通す

というクソ狭伏見稲荷をくぐり抜ける必要があります。まあ、無理です。
また倍エンチャ系は精神面のインパクトがデカいのかめちゃくちゃヘイトを買います。実際通れば強いですが、オーバーキルです。

《聖戦士の進軍》なんかも同様の難点を抱えており、生物トークン生成系カード後から唱えるだけで殺シ⁉と逸ってしまいますが、冷静に考えればまず通らず、どうせなら同じマナでトークンを追加で数枚程度出したい場面の方がよほど多いです。

 

なお、トークンが先に置いてあれば仕事をするカードは、トークン生成前に置いておくカードよりも1000倍採用基準に近いです。
A+B問題は発生するものの、仕事が出来る機会は先発動のものよりもずっと多く、発動タイミングも他プレイヤーに悟られにくいためです。

《再度の収穫》のようなインスタントタイミングで爆発的なアクションを起こせるもの、キルカードになり得る《光素の泉》《村の鐘鳴らし》は採用しています。 

スタックス系デッキとしては構築しない

ナヤカラーのジェネラルについてはスタックス系のジェネラルを想定される方がいらっしゃると思います。しかし自身のベイレンの構築方針では、スタックス系のカードは《息詰まる徴税》以外採用しません。
一概には言えないかもしれませんが、《エメリアのアルコン》をはじめとしたスタックス系カードはリソースを稼げる相手を優勢にするだけであると考えています。
《光明の不可思議、タヤム》を使用していたことがあるのですが、このジェネラルではスタックスで時間を稼ぎ、下準備(カウンター生物・マナ)をする戦法がよいとされていました。

 

実際は準備が完了してもコアの能力を起動するジェネラルを除去する、或いは墓地等を取り除くのに必要なカード枚数は1枚程度でよく、ターンを引き延ばしたはいいものの、リソースを稼げる青いデッキなどに妨害を蓄える時間を与え、アドバンテージの差が開き、そのまま基幹的な部分を対処され動けず、結果試合に追いつけなくなるケースがあまりにも多く感じました。

個人的にリソースを稼げるデッキ、青いデッキに対しては

・他家の脅威を止めてもらうのにカードを使用してもらう
・こちらも負けじとリソースを貯める
・止めないとヤバそうな札を叩きつけまくる
・戦闘ダメージを稼ぎ、かつ重要生物を除去し、ハンドを稼ぎ過ぎたら
 みんなで殺しに行くからねという意思表示をする

を意識しないと過剰に優勢になられてしまう傾向にあると考えています。
こと青にはリソース戦にて強いカードが多すぎます。
《リスティックの研究》、《神秘的負荷》、《フェアリーの黒幕》といった便乗系カードに手札を稼ぎまくられるヤバさは癌に蝕まれる体と同じで、気付いた時には手遅れです。

ビンジョリオン三人衆

故にナヤカラーのベイレンではなるべく安定してトークンを撒き、手札差をつけられすぎず、隙あらばライフに圧をかけていくようにする方針がよいと考えています。

5.勝ち手段

《波止場の恐喝者》+《ティムールの剣歯虎》

グルールカラーお馴染みトバカツケンシココンボ。 

(要:相手のアーティファクト・エンチャントが5枚以上)
ベイレンでは無限マナに加え、宝物トークンから無限ドローが成立します。
それぞれのパーツが単体で強いため、自然にデッキに編入出来ます。
また、マナが大量に確保できるジェネラルであることから、
《適者生存》1枚からキルムーブに繋ぐことが可能です。
序盤事故の確率が上がってしまうことを忌避し現在の自分のリストでは《祝福されたエミエル》を抜いていますが、《ティムールの剣歯虎》と同じ動きが可能です。
《ティムールの剣歯虎》を優先している理由は《ガイア揺籃の地》や《ロナスの狂信者》など、マナ確保手段が若干緑に寄っていること、採用生物数が少ない為《適者生存》のコスト確保に能力を起動して繋げる必要のあるケースが多いためです。

無限マナからは《野火の呼び覚ます者》のトークン無限バーンや《光素の泉》による特殊勝利に繋げて勝ちます。

《村の鐘鳴らし》+《ティムールの剣歯虎》

 

(要:ベイレン+生物トークン(12))
ベイレン+生物トークンが12体以上存在する場合は上記のカードで無限マナ+無限ドローが成立します。
こちらもベイレンにおいては双方非常に強く、特に前者はブーストカードにもなるため腐りません。
こちらは相手のアーティファクト・エンチャントの数に依存しないため、《害獣の侵入》などで盤面を荒らした後でも仕掛けることが可能です。
このルートが存在することによりトバカツというパワーカードを出し惜しみしなくてもよくなるのは大きなメリットです。

《光素の泉》

 タッサの神託者

(要:ベイレン+トークンorタップ状態の生物+白マナ)
ベイレンの為に刷られた特殊勝利カードです。
おそらくベイレン以外には扱えません。
コスト確保に生物をわざわざタップしなければならないことや、白マナが確保しにくい問題点をベイレンが全て解決しています。
1枚出して通ればそのまま勝利するため実績がそれなりにあり、今のところ継続して採用しています。
《堂々たる撤廃者》《沈黙》《波止場の恐喝者》等で妨害を吸い、《光素の泉》をポン出しして勝てる試合があります。
生物トークン16体をタップしたマナ生成量が、ちょうど《光素の泉》マナコスト+起動コストとなるのも美しい。
《天使の嗜み》だろうが《一つの指輪》プロテクション適用中だろうが関係ありません。
むしろ《光素の泉》のためにベイレンが刷られたのか…?

その他

 火炎属性付与

《野火の呼び覚ます者》はタップ時にプレイヤーに1点を飛ばす誘発能力を持つトークンを生成します。
《ガイア揺籃の地》+召集でバカみたいな数のトークンを生成すれば1~2キルできる程の火力が出ます。
また、こまめなライフ削りは油断ならず、特に黒系のデッキに対してライフに圧をかけ自由を奪うことが可能です。
中盤~終盤ではX=6以上は当たり前のように出る上、X=10まで行けば終盤では生殺与奪の権を握る程度まで追い詰めることができます。

 

このデッキは《ガイア揺籃の地》と非常に噛み合っておりマナブースト速度がえげつないです。ベイレン自身のマナブーストでもトークン生成が加速するため、生物横並びの状況での《破滅の終焉》X=10以上の達成は容易のため隙を見て狙います。《アロサウルス飼い》を置いておけば、打ち消されず信頼性の高いキル手段にもなります。

 白も打ち消されなくなってくれない?

また、小粒のトークンも数が集まれば普通に一人落とせる程度の火力が出ます。終盤のデッドヒートの場面では、相手の生物が数匹立っている程度であれば数の暴力で征服できることがあるので、常に視野に入れておきます。
ただし、一極集中で一人落とした瞬間に他家が走り出す危険性もお忘れなく…

あとがき

上記の解説になかった採用カードの採用理由や廉価版の構築案など書き記したいことは他にも山ほどありましたが、想像以上に長々しくなってしまいましたので解説は以上となります。
《刈り手、ベイレン》はトークン生成効率のいいカードが出次第強化されるため、今後の成長もバッチリ期待できる魅力的なジェネラルです。
記述も経験も未熟な紹介ではございましたが、ベイレンに興味を持って頂ける方が増える一助になることができれば幸甚です。




トークンを多用するため、オナリジルトークンの作成もはかどります。

確かに致しました。


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