グアテマラとエルサルバドルのBitcoin事情 ― 2024年8月 ―
Bitcoin。おそらく、誰もが一度は耳にしたことがあると思います。2008年にSatoshi Nakamotoという謎の人物が発表したブロックチェーン技術を基盤として生まれたのが、このBitcoinです。
2009年の誕生から15年が経過し、今では投資対象として知られる存在になりましたが、実は決済手段としてもその可能性が広がり、世界中で導入が進んでいます。
みなさんは「BTC Map」というサービスをご存じでしょうか。これは、Bitcoin決済が可能な施設を探すことができるプラットフォームです。
早速見てみましょう。
欧米諸国での利用が多いのは想像に難くないと思います。しかし、実際に見てみると意外な国々での普及が目立ちます。特に、南アフリカや中南米の国々です。日本の登録数は50か所ほどと控えめですが、新興国での利用が想像以上に広がっていることに驚かされます。
その中で私が特に注目しているのは、中米エリアです。
世界で初めてBitcoinを法定通貨として採用したエルサルバドル、そしてその隣国であるグアテマラ。この二国だけで、Bitcoinを使える施設はおよそ700か所もあります。
特にエルサルバドルは、ここ数年メディアの注目を集め、Bitcoinを活用した「循環経済」が実現されているとも言われています。
しかし、実際のところはどうでしょうか。果たしてBitcoinは現地で本当に根付いているのでしょうか? グアテマラやエルサルバドルと聞くと、政治や経済の不安定なイメージがあります。そのような中で、Bitcoinは現地の人々の日常に浸透しているのか。それとも、物好きな外国人が使うにとどまり、店舗にとっては扱いづらいものと思われているのでしょうか?
こうした疑問を解消するため、私は実際にエルサルバドルとグアテマラを訪れてみることにしました。
当初はエルサルバドルだけを訪れる予定でしたが、ビットコイン研究所の練木照子さんが発表した「グアテマラのビットコイン・レイクに行ってみた」という記事に刺激を受け、グアテマラにも足を延ばすことにしたのです。
このレポートは、調査報告書というよりは旅の見聞録として気軽に読んでいただければ幸いです。練木さんが2022年に訪れたときから2年が経った今、グアテマラとエルサルバドルがどのように変わっているのか、その姿をゆったりとお伝えしたいと思います。