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Green Earth Institute(9212) #日本株 #IPO #2021 | IPOの解説 目論見書の解説 | メモ・ノウハウの共有

2021年12月 新規上場 Green Earth Institute「バイオリファイナリー技術」

事業概要

事業概要は、
コリネ型細菌という微生物を活用した高効率な発酵技術(バイオプロセス)をコア技術とする技術開発型ベンチャーです。
現在石油を原料として生産されている化学品を、農業残渣や食品残渣等のバイオマス由来のものに転換、または従来バイオマスより生産されている製品につき、より効率的な生産方法に代替していくことによる、持続可能な社会の実現を経営理念として掲げ、自社技術を用いて、石油を使わず、バイオマスから化学品を作る「バイオエコノミー」と資源の循環により持続的な社会を作る「サーキュラーエコノミー」の両方を同時に実現する技術とサービスを提供しています。

事業情報

売上構成比率は、
100%がバイオリファイナリー事業

バイオリファイナリー事業は、
コリネ型細菌という微生物を活用した高効率な発酵技術(バイオプロセス)をコア技術として、自らは生産設備を保有せず(ファブレス)、バイオマスから化学品を作る「バイオエコノミー」の事業です。
研究開発事業とライセンス・製品販売事業の2つのビジネスモデルを軸としています。

バイオリファイナリー技術は、4つの特徴があります。
これらの特徴的な技術の組合せよって、遺伝子操作により高度に機能が設計された微生物を活用した、高効率なバイオプロセスを実現し、ファブレスによって研究開発事業とライセンス・製品販売事業の2つのビジネスモデルを軸に収益を得ています。

①増殖非依存型バイオプロセス
増殖非依存型バイオプロセスは、微生物(コリネ型細菌)が、増殖できない酸素抑制条件において、増殖をしないものの代謝活性を高く維持するという特徴に着目し、増殖をさせずに代謝のみを行わせることにより、低コストで高い生産性を発揮する独創的な発酵法です。
大量に培養したコリネ型細菌を反応器に高密度に充填し、酸素抑制条件下で増殖を停止させてコリネ型細菌の活動を物質生産に集中させる手法により、従来の発酵法と比較して高い原料効率で小規模な設備で短時間に対象物質を多量に得ること可能となっています。
増殖に依存しないため、非可食バイオマスを原料とする代謝の過程で生じるフェノール類やアルデヒド類、有機酸類等の副生物による、発酵阻害(増殖阻害)の影響をあまり受けずに生産することができます。

②微生物の改良
より高効率な生産を実現するために、微生物自体についても、複数の遺伝子を破壊、もしくは導入する遺伝子組換えにより、副生物の生成を抑えて原料の利用効率を高める等の代謝経路の最適化や、酵素特性の改変、特定物質への耐性の付与等の開発を行っています。
コリネ型細菌は、遺伝子組換えにより、C6糖(可食バイオマスに含まれる)とC5糖(非可食バイオマスに含まれる)の同時利用を可能とし、また生産性も向上されることから、これまで廃棄物として処理されていた非可食バイオマスを化学品の原料としてより有効に利用することが可能です。

③CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)
従来のバイオマスは、商用スケールにおける生産予測が難しく、少しずつスケールアップするというのが常道でした。
Green Earth Instituteは、自社開発したバイオ生産プロセスにおけるCFDに基づくコンピュータシミュレーションシステムを活用することで、精度良く各環境下における生産条件を予測し、短期間、低コストでスケールアップすることを可能としています。

④リサイクルプロセス
グラム陽性菌であるコリネ型細菌は、細胞壁が厚く丈夫であることから壊れにくく、バイオプロセスにより生産された化学品を含む溶液から濾過、分離されたコリネ型細菌は、繰り返し利用することが可能。

各化学品市場へ段階を経て参入していく計画で、
1つ目のフェーズとして、アミノ酸に代表される食品添加物及び飼料添加物、化粧品原料等の製品の市場において、自社技術をライセンス供与し、ライセンシー企業の製品シェアの拡大を目指しています。
2つ目のフェーズとして、市場が拡大しているバイオ樹脂原料を対象としています。
3つ目のフェーズとして、食品添加物や化粧品原料といった各製品分野に自社販売で参入します。
4つ目のフェーズとして、バイオ燃料及び可食バイオマスを利用した製品を考えています。

PICKUP情報

新技術の商用化には、大別して4つの段階があります。
Stage0:技術開発の対象を選定
Stage1:技術的及市場的な可能性を実証
Stage2:対象製品に対する需要を抱える企業等と最適な菌体及び生産プロセスを開発
Stage3:事業化された技術のパイロットテストの実施、パイロットテスト後の商用化された技術をパートナー企業等にライセンス供与、又は当該技術を使用して自社販売(外部へ委託生産し、当社が販売)

収益タイミング:
Stage2:開発段階においては、主として研究開発収入
Stage3:商用化段階においては、主としてアドバイザリー収入、ライセンス一時金、ロイヤリティ収入又は製品販売収入

自社販売においては、Stage2を自社開発、Stage3のパイロットテスト及び量産実証を委託先とともに自社で進める
収入はパイプラインを通じて製品販売収入のみ

今後の成長について:
各市場への参入フェーズを経ることと、パイプラインが拡大することでライセンス提供先が増え、収益増加となっていく可能性があります。
また、航空業界の二酸化炭素排出量半減の目標や世界各国でクリーンエネルギーが推進している追い風があるため、市場環境は追い風があります。
リスクは、バイオマスに参入する企業が多いことや、バイオマスのコスト低減、技術の差別化などによって、パイプラインの拡大やライセンス収入の増加に大きく影響を与える可能性があります。

同業他社について

バイオマス関連のうちでバイオジェット燃料事業を行っている企業は、
(2931)ユーグレナ、(9513)電源開発、(7013)IHI、(6330)東洋エンジニアリングなどがあります。
バイオマス発電事業を行っている企業は、(9519)レノバ、(9517)イーレックスなどがあります。

まとめ

・バイオリファイナリー技術の企業
・研究開発型ファブレス企業
・ライセンス契約をメインとしている
・顧客は主に大企業
・公益財団法人地球環境産業技術研究機構の技術を事業化、大株主でもある
・2011年創業
・元経済産業省の官僚が代表取締役、「30年代の原発ゼロ」方針に関与した官僚の一人
・ベンチャーキャピタルの株式保有率が約1割あるが、上場時にほとんどが売り出す
・新株予約権が約12%ある

業績について

直近21年9月期は、売上高の面では、バイオ樹脂原料のライセンス契約の締結に至ったことや、サーキュラーバイオプロジェクトの一環として、バイオエタノールの自社販売を開始したことなどから売上成長は約50%増加しています、利益面では、高い売上成長率などによって営業損失額が縮小しています。

IPO情報

AI分析

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

私自身が感じたことの課題解決として、
「ポイントがどうも分かりにくい目論見書をわかりやすくできないか?」
を目標に試行錯誤でポイントをまとめてみました。

さらに磨いていきたいと思いますので、ご意見ご感想がございましたら、お送り頂けますと幸いです。
ご一緒に新規上場銘柄の理解を深めていけたら、うれしい限りです♪
これからも、よろしくお願いします。

他の記事もよかったら、御覧頂けますとうれしいです。

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