”Lapis【二宮飛鳥】”制作メイキング兼備忘録
2025年1月4日に投稿した”Lapis【二宮飛鳥】”について、制作のあれこれを残しておきます。あくまで自分用メモみたいなものなので役立つ情報はありません。あしからず。
発案から制作開始まで
もともと本動画は2024年9月頃にニコマス動画「abe7777」を投稿したところ、ニコマス平成メドレー運営の方に声をかけていただいたかたちで制作を開始したものでした。
平成メドレーは見たこともあり、声掛けしていただいたことはとても嬉しかったので二つ返事で参加することとなりました。
今回で6作目となる平成メドレーは2008年までの楽曲や題材をテーマにするとのことなので、なにを作ったらいいかしばらく考えていました。
2008年…。弐寺で言えばDJ TROOPERSがEMPRESSになり、jubeatが稼働開始した年。自分の青春ともいえる音楽ゲームが出そろってきた頃でもあります。そんななかで2008年の楽曲を探していたところ、BOF2008の優勝曲であるLapisにたどり着きました。
Lapisと言えばこの音MADが非常に印象に残っており、いつかこんな動画を作りたいなと思ったことがありました。当時の自分では3Dを扱うことが出来ず、純粋に憧れていました。それを思い出し、いい機会なので挑戦してみようと思いました。まぁ未だに3Dは苦手分野ではありますが…
平成メドレーの雰囲気に合うかは微妙なところでしたが、音ゲー界隈では割と有名な曲ではありましたし、メドレーに採用するかは運営判断によるので、とにかく形にしようと急いで制作に取り掛かりました。
制作過程のあれこれ
この曲はSHIKI氏のオリジナル曲である一方で、ローゼンメイデンのイメージ曲として発表した複数タイトルの中の一曲でもあります。
なので使用するアイドルは人形を模した衣装のSSRがいいと考えました。「[忘失のローズルージュ]関裕美」あたりが一番合うんじゃないかな~と思いましたが、持ってない…!
ならば作曲者のSHIKI氏になぞらえて一ノ瀬志希なんかどうだろうかと考えましたが、彼女はcute属性でイメージカラーは赤。この曲はMVが青色メインのため合わせるのは難しそう。困った…
結局、中の人つながりで二宮飛鳥になりました。曲のイメージとも合い、彼女が参加している楽曲「未完成の歴史」も雰囲気がぴったりでした。
未完成の歴史のMVからアイディアをもらい、天体模型や歯車を3Dで作成しました。モデリングと言えるほど複雑なものではなく、非常に簡素な3Dです。相変わらず3D周りには弱いのでこういったシンプルなものを作るくらいで限界。なんとか技術を上げていきたいところ。
Element3Dの標準機能だけでわりと何とかなる。あくまで3DモデルをAE上で動かすためのソフトなのでモデリングはできないのだけれど、そこをなんとかして何とかなった。
元MVをよく見ると、3~4種の3D映像と、4種の文字演出、そして特殊シーン(蒼星石)の組み合わせという、構成自体はシンプルながらもその組み合わせによって飽きずに、かっこよく見せるという構成の工夫がされています。そもそも2008年の時点でここまで高クオリティのBGAを個人で作れるのも驚愕です。いくら頑張っても自分じゃ劣化コピーにすらなりませんが、なんとか見るに堪える形にするしかありません。
映像の構成は元MV準拠にしつつ、より二宮飛鳥もとい未完成の歴史の雰囲気を踏襲できるような感じを心掛けました。
幾何学模様っぽいウニョウニョしたやつはこのジェネレータを使用してます。かなり前から存在は知っておりいつか映像に使おうと思ってましたが機会がなく、ようやく使うことが出来たので満足。
モーショングラフィックス素材はフリー素材もありますが、かなりの数を自分で作りました。こういったちまちました作業をしている時が一番楽しい。
グラフィック系の作品に出てくるこういうやつ、作り方を忘れるのでメモ。
詳細は以下の動画から。2016年の動画だけどいまだに見返すくらい参考にしてる。4:00あたりからの実践は何度見てもすごい
一通り素材が完成したらあとは元MVを参考にしつつAftereffectsで組み合わせながら一本の映像にしていく。ここが一番楽しい作業。
1フレームずつ元MVを見ながら作っていると、やはりその完成度の高さに驚かされます。2008年の時点でこれほどまでのクオリティのBGAを完成させた技術力はどこで培ったのでしょう…と調べていたら作者はトールミツハシ氏の別名義とのこと。なるほどね…
というか2009年の「DRAGONLADY」のBGAもトールミツハシ氏だったはず。この時期の映像創作界隈は氏の影響力なしに語れません。
そんなこんなで映像は完成。10月半ばには運営へ提出しました。思った以上にスムーズに作ることが出来て物足りなさすらある。
平成メドレー6について
結果として1時間超えの合作になり、ここまで規模が大きくなるとは思っていなくて驚きました。
ジャンルは本当に人それぞれで、自分のように懐かしの音ゲーで参加してる人はいなかったので差別化は出来たのではないかと思います。とは言えニッチなジャンルであることには変わらない(BEMANIシリーズならともかくBMSであるところが特に)ので、ネタが理解してもらえるか不安でしたがコメントを見ると通じているようで安心しました。
大人数の取りまとめや直前のアレコレを見ていると、こういった企画の運営というのは本当に大変なんだなと痛感します。関わってくださった方々、動画を見てくださった方々、ありがとうございました。