#75 穀物に「生かされている」という発想
逆転の発想に驚くと同時に、
人間としての驕りに気付かされた思いです。
以下、ユヴァル・ノア・ハラリによる、
『サピエンス全史(上)』から引用いたします。
人類は農業革命によって、手に入る食糧の総量をたしかに増やすことはできたが、食糧の増加は、より良い食生活や、より長い余暇には結びつかなかった。むしろ、人口爆発と飽食のエリート層の誕生につながった。平均的な農耕民は、平均的な狩猟採集民よりも苦労して働いたのに、見返りに得られる食べ物は劣っていた。農業革命は、史上最大の詐欺だったのだ。
では、それは誰の責任だったのか?王のせいでもなければ、聖職者や商人のせいでもない。犯人は、小麦、稲、ジャガイモなどの、一握りの植物種だった。ホモ・サピエンスがそれらを栽培化したのではなく、逆にホモ・サピエンスがそれらに家畜化されたのだ。
私たちは農耕定住社会を選択したことで、
爆発的に人口を増やし、
地球を席巻するに至りました。
しかし、その結果、
さまざまな生活習慣病、感染症、
文化や社会が生み出す精神疾患に
苦しんでいるのも事実。
栽培している穀物に、
家畜=隷属化されているという発想は、
人(ホモ・サピエンス)に対する
痛烈な皮肉であり、
我々の在り方を振り返らせる金言だと思います。
「生かされている」という視点を忘れずに、
謙虚に生きたいものですね♪
地球が生まれてから現在に至る、
人の全歴史が分かる名著なので、
全力でオススメしたい一冊です!