【アパレルの闇】衣料品2割値下げ。中の人間が思うこと。
こんにちは、現役インナーウェアのデザイナー、amiです。
今回のブログのテーマは、無印良品、衣料品2割値下げ。
実は、このブログ去年10月に下書きとして執筆していて、そのままお蔵入りに
なった記事でした。
時は経ち、2021年1月20日の日経MJで、また同じ2割値下げの記事が出たので
メーカー側の人間が思った気持ちが、再びフツフツと蘇ってきたので
再び筆を持った次第です。
簡単におさらい。
【アパレル業界はコロナ禍で大打撃】
・外出する機会が減りアウターが売れない。
室内を快適に過ごそうとするお家アイテムが人気。
・グローバル企業の無印良品も同じ。
アウターは厳しいけど、生活必需品の下着や靴下などの消耗品は買い替え需要がある。
なので2割値下げをして、来店してもらうのが目的。
【客目線:2割安くなってラッキー◎】
お客さんから見ると、切実に「ありがたい」の一言。
たしかにコロナ禍で、消費者のお財布の紐が硬い。
GUも今以上に値下げしてくるし(21年春から3割値下げ。一番高いのが2900円になる・・・!!)
・インナー 税込¥990→¥790
ami「え?オーガニックコットンで790円ですか?」の、第一印象。
・脇に縫い目がないパジャマ ¥4990→¥3990
パジャマは去年から値下げ。
私はこのパジャマ持ってます。たしかにパジャマで5000円は高いな。と思いつつ購入して少し経つと3990円になったので「もう少し待てば良かったなぁ」と後悔していた。
・3足よりどり靴下 税込¥790 → ¥690
3足で790円でも安い。って思ってたのに690円へ値下げされていた。
ami「おぉ、どこまで値下げするんだ??」
・ハイライズショーツ 2点¥990 → ¥790
【メーカー目線:結局その2割をかぶるのはメーカー側】
去年10月の消費税増税の際も、「税抜き価格から税込価格に表示を変えてお客様に分かりやすい価格にしました。」と、アピールされていた無印良品。
それも全部下請けメーカーが頑張っているんですよね。
無印良品は何の痛みもない。。。
・価格は下がるが、アップデートの要望が多い。
・素材も値段以上にこだわっている。
・縫い方が複雑になると、その分工賃も上がるし生産効率も悪くなる。
メーカーが苦しんでいる声を聞くと、やはり切なくなる。
無印良品はグローバル展開なので、生産ロットも多いので
この売り上げが無くなるとメーカー側も厳しいので、頑張って価格を下げる。
体力あるメーカーなら対応できるけど、資金が少ないメーカーは厳しい・・・
【結論。メーカーの中の人間が思う、結局は何が言いたいのか?】
コロナ禍になって1年、世界は一変。
コロナきっかけでアパレル業界の負のサイクルが変わればいいのにな。と切に思う。
まずは「知る」という姿勢が大切。 By池上彰
近年、世界中から「サスティナブル」って言葉をよく耳にするようになった。
「サスティナブル」って表面だけの解釈ではなく、
これからはサスティナブルの裏側も知ることが大切。
例えば、この下着、200円安くなったけどその裏側ってどうなってるんだろう?
これって同じ事いっぱいあるんですよね。
コンビニのコーヒーとか、ブラジル産の鶏肉の異常な安さとか、フィリピン産バナナの裏側とか。
斜陽産業のアパレル業界。
大量に生産して、大量に投げ売りして価格が下がって、最後は破棄する。
アパレル業界に在籍して10数年、このおかしなサイクルをずっと疑問に思ってきた。
けど自分はどうする事もできないしな。と思いつつ。。。
こんな業界嫌だな、って思って脱アパしたい。(=脱アパレル業界)
って本気で考えてた時期もあった。(断念したけど)
暗めの文末になってしまいましたが、、、
無印良品の下着めちゃくちゃこだわってます。
各日本のメーカー、めちゃくちゃ頑張って商品作ってます!
綿素材が好きな方は、是非買って見て下さいね〜
では、また〜