『星と氷の銀河鉄道』クレティア×ポポライベについて(long ver.)

イベントストーリーを読み終わったので、順番に感想とか考察を少し書こうと思います。
前回書いた短いやつはこちらです。

どんぐりの背比べと族長

この作品のモチーフは『どんぐりと山猫』だと思います。
『どんぐりと山猫』はどんぐり達の言い争いを山猫に呼び出された一郎という人が止めるというような話でした。
どんぐり=ヒ・ミズ・カミナリ…の族長たちと解釈すれば、一郎=クレティアたちですかね。

星ニモ負ケズ

いつも、目の前の困った人を助けるの。 私もそういう人になりたかった。(ストーリー内から引用)

魔法使いのことを言うクレティアのこのセリフが『雨ニモマケズ』の内容と最後の「サウイフモノニ
ワタシハナリタイ」と重なりますね。

以津真天の星

調べるまで「以津真天」の読み方がわからなかったのですが、「いつまで」なんですね( ˊᵕˋ ;)
いつまで…っていう妖怪が出てきていたし、そういうことかと納得しました。
このタイトルは『よだかの星』がモチーフでしょうか。
夜鷹は作品内でみにくい鳥と言われていて、いろんな鳥から悪口を言われていたので、妖怪のように思われていたと解釈しました。

星と修羅

このタイトルは『春と修羅』という詩集がモチーフだと思われます。
『春と修羅』の中に「ほんたうにおれが見えるのか」という一文があるのですが、クレティアが魔法使いに認識されなかった場面を思い出しました。

うまく言えないんですが、宮沢賢治って世界を見つめているようで、究極の自己を見つめているというイメージがあります。
自分がつくりあげたもので世界を完結させているという感じですね。イーハトーブとか。

前のメモでクレティアは魔法使いを世界だと認識していると書きましたが、世界を見つめすぎるが故に世界の残酷さを知り、自分が追い詰められて傷ついている感じが、クレティアと宮沢賢治ってすごく似てるなと思いました。
自己犠牲の感情が強いとも表現できるかもしれません。

クレティアという生き物
―無声慟哭・星めぐりの歌―

『無声慟哭』に「苹果の頬」とあるように他にも宮沢賢治の作品には「苹果」というのが出てきます。
「林檎」と書く方が一般的だと思いますが、「苹」には「ただよう・さまよう」という意味があるらしく、「果」とあわせて、「ただよう」「さまよう」「因果」「果て」のような意味を込めたのかもしれません。
『輪るピングドラム』では「運命の果実」と呼ばれていましたが、「運命」ということばに当てはめるとしっくりきますね。

クレティアもストーリー内で

生きることは、 悪いことだ。 生きてるだけで特等席なんだから。
でもね、悪いことってのは、 楽しいんだよ。 そう簡単にやめられないんだ。 リンゴジュースみたいにさ。(ストーリーから引用)

と言っていました。

クレティアはりんご酔いをしますが、つらい人生や定められた運命すらもお酒みたいに楽しめるのだと解釈すればとてもかっこいいなと思いました。

そして『星めぐりの歌』では、「あかいめだまのさそり」というのが出てきます。
銀河鉄道にも蠍が出てくる場面があります。

蠍は虫などを食べて暮らしていましたが、ある日いたちに食べられそうになります。
一生懸命に逃げた先で蠍は井戸に落ちて溺れてしまいます。
その中で蠍はこう祈ります。

 ああ、わたしはいままでいくつのものの命をとったかわからない、そしてその私がこんどいたちにとられようとしたときはあんなに一生けん命にげた。それでもとうとうこんなになってしまった。ああなんにもあてにならない。どうしてわたしはわたしのからだをだまっていたちに呉くれてやらなかったろう。そしたらいたちも一日生きのびたろうに。どうか神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸さいわいのために私のからだをおつかい下さい。(青空文庫から引用)

クレティアは言い争いする人達への神託で「みんな仲良くしよう。そのみんなから都合よく誰かを外してはならない。」
と言っていました。他にも人と人との繋がりを「みんな座」と例えたこともありました。
クレティア自体がみんなの幸せのために人間になり、地上におりてきたお星様です。
クレティアは常にみんなの幸せを考えていて、そういうところも宮沢賢治との共通点かなと思いました。

そしてクレティアの目には赤い星があります。
そこからクレティアはさそり座のアンタレスなのではないかという考察を思いつきました。

さそり座のアンタレスは12月1日の誕生星らしく、星言葉は「葛藤・人間性、適応力、内面を見つめる瞳」。
「内面を見つめる瞳」は「星と修羅」で書いた内容に近いなと思いました。

また、アンタレスの赤は酒に酔っているように見える様子から、「酒酔い星」と呼ぶこともあるそうです。

イベントの開始日が近かった(イベントは11月30日から)のも意味があるんですかね。
本当にいろいろ考え込まれていてすごいです。

全体の感想と終わりに

全体としての時間軸?異層?タイムリープやループものあたりの科学的なお話はすべて理解できる頭がないのですが、宇宙規模の壮大さは理解できました。
インターステラーとも少し似てるんですかね…。あの宇宙の中で5次元に触れる感じ…。

あと車掌のペンギンとかを見ていると、きちんと見れていないんですが、『輪るピングドラム』というアニメを思い出しました。
あのアニメも確かペンギンが出てくるし、蠍とかリンゴとか宮沢賢治の話がモチーフとして出てくるんですよね。

イベントストーリーが終わってから、家にあった宮沢賢治の作品集の中でお話のモチーフかなって作品を少し読みました。
難しかったのできちんと理解できている自信はないですが…。

銀河鉄道の夜や雪渡り、ポラーノの広場はなかったので読めてないんですが、いつかちゃんと読みたいですね。
漫画とか短い話ならスマホでも全然読めるんですが…もともと文章読むのがあまり得意ではないので、今も長い文章を読むと疲れるのかすぐ眠くなるんですよね…。
黒ウィズの小説とかも紙で読みたいなと思うときがあります。

とはいえ、文学的に触発される黒ウィズは改めてすごいなと思いました。
最近は運営が縮小気味ですが、モチベも上がりました。
キャラ同士の絡みもいいですが、魔法使い絡みの話ももっと読みたいですね🤔

最後に、ストーリーを読んだ人が見てると思ってこの文章を書いていましたが、最近お休み気味とかそもそも黒ウィズやってないとかで、もし読んでいない方がいらっしゃれば、このイベントのストーリーだけでもやってほしいです。
ミッションガチャもやってるので!(布教)

とにかくこんなに文章書いてしまう程に、いいと思った作品に出会えてよかったです。
なんかまたあったら書き足すかもしれませんが、とりあえず終わります。
ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございました🙇‍♀️

最後まで読んでいただきありがとうございます🙇‍♀️