琉球朝顔
琉球朝顔、わたしははじめて聴いたお花の名前だった。
毎朝、自転車を漕ぎ、電車に乗り、そこからバスに揺られる。そんな何の変哲もない日々。朝は早いし、電車は混む、バスは座れない。ふと、何もかも投げ出してやろうかと思う。
11月中頃、いつも通り大学に向かうバスの中、私は座れずにいた。酷く揺れるバスの中では周りの人たちのように電子機器なんて触れない。ひたすら流れてくるラジオ(RaNi Music)を聴いていた。
酔いそうになって窓の外を見ると、お花で溢れかえったお家を見つけた。特別綺麗で華やかなわけではない。しかし、懐かしいような、本で読んだことのあるような、そんな家だった。たくさんのお花の中でも一際目立つもがあった。それが朝顔だった。
わたしは
「この時期に朝顔?!」っとなったのを覚えている。酔っているのも忘れてリュックサックの中から電子機器を手探りで見つけ、検索。
ー11月 朝顔 咲く?ー
一番上に出てきたのが、琉球朝顔であった。新しいことを知った喜びと、他の人は知らないであろうというマウントが私の心をパッと明るくさせた。
この出来事を経て、電子機器を触らない生活がいい!と漠然と思っていたが、電子機器がなければこの出会った朝顔の名前は分からなかった。わたしはこれから電子機器と上手く付き合い、たくさんの出会いを大切にしていきたい。