悲シ(ラ)ミよ こんにちは
Bonjour poux,
2回目ですね。
シラミがうちにやってきた。
その存在は学校や学童の入り口に貼ってあるポスターで認識していたが、他人事だと思いたかったけれど、やってきた。
夏休み後に流行るシラミは、もはや秋の季語ですよ。
薬局のウィンドウも季節ものとしてシラミ薬を特集しますよ。
はじめましては昨夏、チュニジア旅行最終日の洗面台で、娘の頭からピョンと、こんにちは、と出てきた。
慌てて異国の散髪屋に連れて行きロングの髪をカット、さらに異国の薬屋で薬を購入。
思い返せば心当たりがあった。娘は少し前から頭を掻くことが多くなり、頭をちょっと見たら白いものが付いていて、しかし毛根と解釈していた。
それは毛根ではなくシラミのタマゴだったのだ。
なかなか運転の荒い空港行きの貸切バスの最後尾で、娘の頭からシラミのタマゴを取った。猿の毛づくろいのようにして。かなりたくさんあった。
プールも入っていたし、並んだベッドでは気にせずみんなで寝ていたので他の家族にうつっている可能性がある。
帰国後また薬局に駆け込み薬購入。
家族全員その薬で頭を洗い、シーツ枕は交換せよとの命、もちろん従う。
幸い、娘以外には虫やタマゴはいなかった。
娘の頭にはかなりのタマゴがあったが、虫は最初のこんにちはの1匹しか見つけられなかった。薬局では初期と言われたが、もっとひどいと虫が借り暮らしで住んでいるのかもしれない。
娘は誰に教わったわけでもないのに長い髪の方がかわいいと信じており、多分ディズニープリンセスの刷り込みでしょう、それゆえ切りたがらなかったのでかなり長く、切るきっかけになったのは結果的によかった。
きちんと薬で対処しないといけないらしいが、薬が効いたようで良かった。
今年も夏の始まりに娘の仲良しのお友達にシラミが出たというので、お、おぅ、それで髪切ったのね、と思ったけれど娘にはうつらなかった。
トランポリンパークでシラミもトランポリンしていると聞いたので誕生日会をやった後にまた薬で洗ったけれど、シラミは来なかった。
学校の入り口の注意喚起ポスターを横目でふんふんと見るだけだった。
それなのにね、呼んでないのにシラミがこんにちは、とやってきた。
はいボンジュール。
娘が頭を痒がるので見てみたら、毛根ではないタマゴがあった。
前回初動ミスしたので今回は許されぬ。
え!いつから痒いの?昨日?早く言わないとだめでしょ!と詰問しちゃう。
よくよく探さないと見つけられないレベルではあるが、タマゴあります。
薬でシャンプー。
その後またチェックしてみると薬の浸透が甘かったのか、なんと動く借りぐらしのシラミッティを見つけた。
素人目に、多分まだ成虫ではない。
親にならないと卵は産めないのに一体どこに成虫がいるのか?
タマゴだけ産み落として別の頭に移っていったのだろうか?
いつ?どこで?
OÙ & QUAND ?
クシに残った髪を集めてみると、娘の髪は細く柔らかく、確かにたいそう住み心地が良さそうではある。
シラミというのは頭に棲みついて頭皮から吸血し、毛髪に卵を産み付け、そしてまた別の頭に移り生き伸びていくらしい。
フランスで初めてシラミの話を聞いた時、不衛生…と思ったけれど最近は日本でも出るみたいで、不潔だから感染するというわけではない、だから差別やいじめにつながらないように、ということです。
しかし日本とフランスのシラミ頻度は全く違うので、それはやはり衛生観念の違いからくるものだろうなあと思います。
フランスの衛生事情は、日本人にはまったくびっくりするレベルで、たとえば子供が学校に上がってトイレに入って驚いた。
3歳用教室のそばのトイレのドアを開けると個室なしでお便器が3つ並んでおり、一応横の仕切りはあるものの丸見え。
ペーパーは手の届くところにはなく、少し離れたところに、ひとつ。
掃除がしやすいのだろうか?
手を洗う石けんも切れていたり、ハンドドライヤーも微風で乾かせなかったりする。
水洗に問題があるのか、使用禁止のことも日常茶飯事。
※もちろん地域や学校によります。
我が子におきましては、早く空気椅子を覚えたら良いのになと思う。
Bonjour tristesse,
ところで悲しみというか苦しみの方は、もうどうしたらよいのか分からない。
効く薬はあるんだろうか。
解脱かな。