【日記を書くことについて、あるいは、日記のすヽめ vol.01】
私が日記を書き始めたのは約5年前だ。オーストラリアへ10ヶ月間、留学へ行ったときに少しでも英語力を上げる目的で書き始めた。
それまで日記を書くという習慣も、英語で文章を書くという習慣もなかったので、最初は何を書けばいいのかさえ分からず戸惑っていたことを覚えている。
次第に「何を」書きたいのかが見えてきて、それを英語で表現するために電子辞書に載っている表現をお借りしながら、そのときの自分の精一杯の力で毎日書いていた。
別に誰に見せるものでもないけれど、あとで見返したときに文法が滅茶苦茶で読めないなんてことがあったらあまりにも悲しすぎる。そう思って文法だけはできるだけ正確に書くように心がけていた。
5年が経って英語力も当時よりは上達した今から見返すと、不自然な表現が見受けられることも多々ある。とは言え、5年前の自分が「何を」して「どのように」感じたか、第二言語である英語で書き溜めたものを読めるのは、タイムスリップしたような感覚になるし、貴重なものだ。
5年前に日記を書き始めたときは語数にして300語くらいだったが、留学を終える頃にはそれを優に超える文字数をつらつら書いていた。
それだけの文字を手書きするには時間も労力もある程度かかるので、その頃は本当に暇だったことが文字数からもうかがえる。
面白いことに、「何を」して「どのように」感じたかを書くことが多かった内容に、「何を」して「どのように」感じて、「なぜ」そう感じたか。や、「いつ」、「誰と」、「どこへ」、「どのように」などといういわゆる5W1Hの要素が少しずつ増えていた。5年の時を経た自分が一閲覧者としてそれを見るのは、非常に興味深く、英語を書く能力や内容や表現方法など、様々な観点から楽しめる要素が満載である。
日本に戻ってからは文字通り忙しくて、日記を書く習慣も次第になくなっていった。
しかし最近では、意識的に日記を書くようにしている。日記を書くことで記憶が鮮明になることを実感しているし、何より自分の状態を知るのに1番適した手段だと感じるからだ。