お気持ちビジネスでアニメは作れないんですよ。
アニメの認知が一気に進み所謂、オタクのものではなくなりましたね。
さて、この業界の作品については深く(引くほど)語れる人は多数いますが投資先として魅力がない(日本の頂点I.G.ですら時価総額がしょぼい)ので経済的な流れを捉えて混ぜて語れる人は多くないのでまとめてみた
クールジャパンアニメは砕けない(砕けてる)
まず、この記事を読んでいただきたい
マーベラス、テンセントの完全子会社と資本業務提携に係る契約を締結
https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1254596.html
「あの」テンセントが日本のアニメについに参入してきました。
・・・凄さ分かるよね?
そもそもテンセントの凄さを理解してない人が多すぎるので軽く説明
テンセントのここがすごい
・年間売上6兆円,時価総額68兆(トヨタ23兆)
【決算】テンセント2019年売上は約6兆円と増収増益!オンラインゲーム売上は1.8兆円!
https://chinagamenews.net/market-info-395/
・Lineの5倍のユーザーがいるWechatと4倍のユーザーがいるQQ mobileをそれぞれ参加に収めている
世界のメッセージングアプリ事情 ~WhatsAppやメッセンジャー、WeChat、LINEの歴史と勢力図から今後の展望まで~https://mobilus.co.jp/lab/chatbot/global-messaging-app/
・あのゲーム大国中国のシェアを半数以上抑えている
https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20200706010/
・ハリウッドのビックタイトルに投資してる(スカイダンス)
https://note.com/sakucchi/n/nfb8656df2b70
etc...
このまま続けるとテンセントまとめになるので、以下参照
で、話をマーベラスに戻すと
このマーベラスが超すごい企業、テンセントと資本提携したわけです。
ちな、資本提携と業務提携とパートナ-契約の違いわかりますよね?
※若干ずれてる気もするがまあ大体こんな感じ
簡単に言うと
・資本提携は婚約に例えられるほどめっちゃ強力な提携です。
※株式の抑える分量によっては実効支配も可能
※完全に支配下におくM&Aとは違うので注意
”で、結婚して何がいいのか?メリットあんの?
日本は結婚率どんどん下がってるよ?”
ということですが一番はやっぱり
財布(信用)が共有できることですね。
アニメ企業(メディア業界)は自社コンテンツ等に資金を投じて(以下:投資)売上を生み出し、そこから利益を享受するのですが、
当然企業には投資できる限度額が限られています。
映像作品の収益概算
例えば
ハリウッド(ディズニー)は150億投資してアナ雪を作れるのに
ジブリは20億投資で千と千尋の神隠ししか作れない
なぜでしょうか?
ハリウッドは制作費が高くて当たり前。
とかクソしょうもない事は言わないように。
思考しないで世間一般から借りてきた答え(定型文)返すやつ。
回れ右。さようなら
さて、続けますが
まず推定される興行収入がまるっきり違う。
ほんでその興行収入だが、日本だけで言えば
アナ雪255億
千と千尋の神隠し308億
おや?千と千尋の神隠しのほうが稼いでるし、さすが日本の誇るジブリ!
ディズニーに勝って(ry!
違います。
この場合、比較するなら世界規模に拡大します。
それぞれのコンテンツを世界規模に拡大すると
アナ雪 $1,279,852,693(135,664,491,458円)
千と千尋の神隠し $365,481,131 (38,740,999,886円)
見にくいね。
億で揃えて丸めると
アナ雪1,356億 : 千と千尋387億
実に3.5倍(差額969億)もアナ雪は稼ぎ出しているのです。
ついでに利益計算をすると
制作費(原価)
アナ雪150億 : 千と千尋20億
利益率
アナ雪 11% : 千と千尋5%
おお!やっぱり千と千尋のほうがコスパにすぐれてて(ry
というわけで
数字からわかるようにアナ雪は世界で儲かるように設計されている。
正しくは「儲かるように計算して」作られています。
もしあなたがお金を無限に使える裕福な資本家であった場合
ハリウッドは投資口は1口100万投資してやると
1年後にして1000万円にして返してくれる
ジブリは投資口は1口20万投資してやると
1年後にして300万円にして返してくれる
ただし、それぞれ投資口は限られていてそれぞれ一人、1口までとする。
どちらに選択しますか?って話。
簡単ですよね予算があれば99%、ハリウッドにみんな投資するよね。
というかこの状況でジブリに投資するやつ、お気持ちビジネスでもやってんの?
話をもとに戻します。
リアルな話をすると
マーベラスは財布(営業CF)に現金22億あります。
これでは予算的にジブリ1本しか作れませんね。とてもじゃないけどアナ雪は作れません。
しかし、
そんなマーベラスでもアナ雪を作るために金を引き出す方法があります。
そう。ここで登場するのが「銀行」と「投資家」です。
こいつらにマーベラスが
「作品つくるから金を貸せ、色つけて返したる」とせびるわけ
ですが、はっきりいいます。
銀行、投資家は
こいつらクソです。
でも彼らは必要です。
事業に理念があろうがなかろうが、結局ものずくりは金なので銀行独自の計算でリターンが見込まれないものに対しては金かしません。
重ねて言えば映像ビジネスなんて収益安定性の欠いているビジネスに積極的に金貸してくれる連中ではありません。
(もちろんかしてくれるところもあります。金利やら担保やらかなり不利な条件で)
余談:
結局リスクを分散と資金集めのために委員会方式とか立ち上げる訳ですが、責任所在も曖昧になるのでこれも100%善かといえば微妙です。
実際、アニメ作るときに大変なのは理解のある金主探しなんですよ。
でもまあ、どうにかこうにかして銀行等から借り入れするんですが、前述したとおりマーベラスは金がありませんので借りれる額にも限度があります。
多分アナ雪予算はどうやったって集まりません。
そこで登場するのが
世界のテンセント!
やり方はこうです。
マーベラスはスーパーがつく、リッチなテンセントパパにパパ活のお小遣い(制作費)として予算をせびりに行くのです。
といってもテンセントパパも子供の戯言(提携先の中身のない提案)には金は出しません。
ー小芝居ー
そうなるとマーベラス君は考えます。
そうだ!僕の得意な絵(アニメ)を作って売ろう。
でもテンセントパパは子供が絵が得意なことは百も承知なので
ただ単に貸してといっても、すぐには財布の紐は緩めてくれません。
マーベラス君は更に考えを進めます。
そうだ!絵を売ったときの売値と制作にかかった材料がどれぐらいになるか説明しよう。と。
マーベラス君はプレゼン資料を手にテンセントパパにパパ活をしに行きました。
マーベラス「・・以上、絶対に儲かります!金くれ!」ドン!
テンセントパパ「わかった。でもそれだけでは不足だ。パパの知り合い(中国、海外市場)に紹介して販売する。そしてその版権管理はパパがやる。いいね?」
ということで話がまとまって無事をお金を無心する事ができたマーベラス君は無事アナ雪を制作し、パパもニッコリの興行収入を得ることができましたとさ。
おしまい。
といったストーリーがあるとかないとかなのですが。
とにかくテンセントに承認もらいます。
で、ここからが大切
あくまで推測ですが上の小話ではテンセントがパパ活料金くれましたが正確には金を貸してくれるのはテンセントでなく
銀行(金主)が
アナ雪の予算を出してくれます。
それもいままで千と千尋の神隠しの予算しかくれないところがです。
なんでかって?
今までは孤児のアルバイト程度(国内販売)の収入しか見込まれない子供(マーベラス)が
突然、世界でも有名なテンセント一家の養子になったら
そら、ナンの心配もなくお金貸しますよね?
仮に子供が粗相(焦げ付き)してもテンセントが子供の尻拭いをしてくれるわけですから。
つまり
「信用度(クレジット)」がバク上げされた
※クレジットについては下記著書がわかりやすくて詳しい
ということです。
皆さんが普段使われているクレジット、あれは貴方の口座や貴方自体の価値にお金を貸してるのでなくて
これぐらい貸してもほぼ返してくれる。
という信用に基づいて金額を決めて返してくれるんです。
というわけでこのクレジット枠が大きく取れるので、マーベラスは今後
世界的な輸出(主に中国国内かも)向けの商品
をどんどん作っていくかもしれませんね。儲かりますし
ただ、テンセントの経営方針は基本
買収先に口出ししない
ということらしいので、これまでどうり日曜日の8:30のビックIPみたいなのをガンガン作っていくでしょう!
というか、中国人ほど他人の力を借りる(利用する)のが得意な民族はいませんよ
ついでに妄想してみると
仮に
「テンセントにパパ活ナンゾせずに自己資金22億使い切ってジブリ作ったらええやん」
という状況で考えて見ます。
とりあえず自分の財布にあるもの全部突っ込んで売れるかわからん1本の大作作りました。
仮に千と千尋とかポニョ、もののけを引け「れば」
大勝利です。
しかし、かぐや姫(30億近い爆死)
※涙なしでは語れない記事です。必読
なんて引いてみてください。
既に財布の中身はすっからかん、現金111億(貯金)有るようですが確実にみんな大好き、雨が降り出すと傘を取り上げる「銀行」が
金遁!
KA★SHI★HA★GA★SHI
を発動します。
そうなるとローンや借金で借りている社屋や機材を一括で全部返済する義務が発生しますので
会社倒産!社員解散!家族離散!
の危機が発生します。(上場してたら継続企業の前提に関する注記発生)
GCですよ
カルロス・ゴーンじゃなくて、GC!ゴーイングコンサーン!
もちろんその前に指導名目で経営干渉、下手すると財務担当として銀行から出向で役員の就任を迫られて実効支配されるのが先だと思いますが。
いずれにしろGCになると無能な経営者は確実に退任要求されて放り出される事は
約束された勝利の剣 (エクスカリバー)※勝率低い
並に約束されてますね。
ようするに金があるかと言って
すべてを使い切る身の丈を超えた投資は行ってはいけない
ということです。
やるんだったらクラファンとかではめ込んだほうがいいですよ!
くっそ恨まれますが。笑
ヤマカンwwww薄暮であれなのにほんとにハート強いwww
余談
で上記でクレジット(信用)といいましたが、一般サラリーマンは
借金を悪だと思ってると思いますので説明しておきます。
まず前提としてサラリーマンが借りれる最大の借金はいくらでしょうか?
アコムの200万?爺さんが溜め込んだ500万?
違います。
マイホームローンが適応される年収の約10倍程度です。
(当然個人で違います)
少なくとも「正社員」で300万程度あれば
3000万借りれます(個じ(略
それぐらい個人には将来を見込んで支払いの信用があるわけです。
(厳密には勤め先の信用)
その個人ですら数千万単位の金を動かせるわけですから、実績ある企業が鉄板の事業を実行した場合。
数億ある手元資金の数倍はレバレッジを効かせて資金集められることは想像に難くないですよね。
おわり