黎の軌跡の感想文
初めに
皆さま初めまして、Veraと言う者です。
この度、文章を書くという作業に習熟するために、自身が最近プレイしたゲームに関する感想文を書こうと思った次第です。
軌跡シリーズに関しては零・碧の軌跡以外は全てプレイ済み、未プレイの零碧に関してもある程度のストーリーは把握しています。そういう人間が書いた感想、意見となることをご留意の上、読み進めて戴けると幸いです。
ゲーム・軌跡シリーズ概要
ゼムリア大陸という架空の舞台を元に壮大なストーリーが繰り広げられるストーリー重視のRPG。世界観や人物の作りこみや、販売会社のファルコムが独自に持っている音楽チームが手掛ける良質なサウンドを特徴としている長寿シリーズです。
要するに王道を往くJRPGですね。今時逆に珍しいくらいコテコテのJRPGになってます。
シリーズの時系列としては空の軌跡(3作)→零・碧の軌跡→閃の軌跡(4作)→創の軌跡(ここでシリーズとして一区切り)→黎の軌跡となっています。
良かったところ
まずこのゲームの良い所を上げてみます。シリーズの前作から改善された点と作品単体としての良い所を一緒くたにして良かったところとしています。
・戦闘がスピーディ(な気がする)
今作の戦闘は、アクションバトルとコマンドバトルの二つを使い分けて行います。基本的には雑魚戦ではアクションバトルで敵を攻撃して怯ませる→コマンドバトルに切り替えることで、怯んだ敵に対して有利な状況でコマンドバトルを行う。という流れになるのですが、この流れが中々楽しく、(実際の経過時間は分からないけれど)体感時間がかなり短い。今までのシリーズに比べて雑魚戦が苦になりづらくなりました。それでも面倒くさいと思う人はいるかもしれませんが、個人的にはかなり改善されたと感じています。
・メインキャラでも死ぬべきところでちゃんと死ぬ
それ本当に良い所か?と思う人もいるでしょう。前提として、シリーズの前作では信じられないほどキャラクターが敵味方問わず死にませんでした。というか、死なせないようにするために展開が無理やりになることがかなり多く(ギリギリのタイミングで助っ人が来る展開が”何度も繰り返し”繰り広げられる、ボス戦で敵を倒しても、イベントとしてはボスが一時退却するだけで殺せない)など、プレイしていた身としては「はいはい結局誰も死なないんだろ、ボス戦勝っても逃げられるんだろ、知ってる」と言う風に白けてしまっていました。
ですが、今回は違います。全体的に対象年齢が上がったのか、ちゃんと死にます!、殺せます!!やったぜ!!!!。
正直好みが分かれる要素ではあると思うのですが、個人的には、キャラが生き残るためだけに全体のストーリーが捻じ曲げられるのは嫌なので、死ぬべきところでちゃんと死んでくれる今回の方が良かったと思っています。それにその方が、有意義で意味のある死に方が出来て、キャラの味も良く出るだろうとも思うので。
・パーティキャラが良い
JRPGで大事なことですよね、キャラの良し悪しって。黎の軌跡はキャラも特徴あるし、ちゃんと全員に活躍の場があるのも良い所だと思います。
主人公のヴァンはJRPGでは異例の24歳主人公です。20代前半の自分からするとまだまだ”お兄さん”だと思うのですが、ゲーム内では”おじさん”言われまくります。「そっかぁ24はおじさんかあ……」と少し悲しい思いをしながらプレイしていました。そんな自分語りはさておき、この主人公、普通の主人公に比べて年齢が高いので、パーティ内での立ち位置が主人公というより主人公を成長させる師匠ポジっぽくなってますね。その分他のパーティメンバーが主人公っぽい性格になっている気がします。アーロン、アニエス、カトル辺りは本当に主人公っぽい性格してると思う。
で、詳しい話をするとネタバレになるのであまり言えませんが、このパーティの雰囲気が中々良いんですよ。家族でも友人でも同級生でもない、様々な背景を持っていて様々な目的の為に主人公ヴァンの元に集まってくるんですよ。奇妙な縁なんです。何か一つでもずれていれば出会うことも無かったんじゃないかっていう面子でして。でも決して仲が険悪と言うわけでもなく、軽妙な掛け合いを見せてくれるんですよね。これが本当に良かったです。
良かったところはこれ以外にも様々あると思うのですが、とりあえず自分が思いついたことを書いてみました。以前のシリーズと比べて確実に改善すべきところを改善しているように感じられました。開発が問題点を把握してくれていて、それを解決しようと動いてくれていることが分かっただけでも良かったと思っています。
ですが、当然のことですが、1作で全てを改善することは中々難しいでしょう、改善しきれていない点もあるように感じました。というわけで次は自分が少し気になったことを書かせてもらいました。
気になるところ
以下は個人的に少し良くないというか、気になるなと思ったポイントです。
・ボイスの使用方法に関して
何せ2021年のJRPGですから、黎の軌跡にも主人公役の小野大輔さんを始めとした豪華声優のボイスが使われており、物語を大きく盛り上げてくれています。声はキャラと良く合っているし、演技も本当に良かったです。
このゲーム、台詞全てにボイスが付いているわけではないのですが、それはこのゲームのテキスト量の多さや、ゲームとして予算が限られているであろうことから、仕方のないことだと思います。そしてそのボイスをストーリーの重要な部分や、特にプレイヤーの印象に残って欲しいシーンに絞って使用するのも当然だと思います。
私が気になったのは、一つのシーンでボイスありの台詞とボイス無しの台詞が入り乱れていることです。一連のシーンであるキャラがボイス付きで喋っているにも関わらず、他のキャラはボイス無しで会話が進みます。このせいでプレイ中に、「テキストを読む姿勢」と、「ボイスを聞く姿勢」を反復横跳びさせられるのは地味ながら苦痛でした。
これは個人の願望でしかないですが、今作は登場人物が全員良いキャラをしているので、猶更キャラ同士の掛け合いをもっと楽しみたかったというのもあります。(というかぶっちゃけこっちが本音で、上で書いたのは全部理論武装でしか無かったりします。自分の主張をそれっぽくするために理屈ぶってしまいました、すみません。)
・「届く」など特定の単語の乱用
この特定のワードの乱用問題は閃の軌跡の頃から言われ始めた印象があります。ネットで「閃構文」と検索すると色々出てきますので、気になる方は検索してみてください、結構面白いですよ。
今作は、確かに前作に比べれば幾らか改善されてはいるのですが、その中でもやはり乱用されている単語があります。普通にシナリオを読んでいても何となく気づくくらいです。
その中でも特に「届く」は、ボスや強敵との戦闘という盛り上がるシーンで毎回と言っていいほど使われるために悪い意味で印象に残ります。しかもこの言葉、若者が使う「やばい」と同じくらい様々な意味で使用されている印象があります。例えば
・格上・強敵に対して、喰らいつくという意味(届かせてもらう!など)
・自らの信念・覚悟を貫くという決意表明の意味(届かせて見せます!など)
個人的にはわざわざ「届く」という言葉を使わず、上の例のように、喰らいつく、貫くという言葉を使えばいいと思います。こういう語彙力の無さを感じさせてしまう表現は、物語を陳腐にしてしまうと思うのですが、どうでしょうか?
ちなみに他にもそれなりに多く使われていた単語はあったとは思うのですが、「届く」に比べれば気になりませんでした。
また「筋を通す」という言葉も「届く」と同じくらい多用されてはいたのですが、この言葉は、主人公たちが裏解決屋という法的・社会的にグレーな立場である中でも、守るべき一線を持っているということをプレイヤーに認識させるために意図的に多用されていたと思います。(それでも流石に使いすぎじゃね?と思ったのは内緒)
・読み込みの遅さ
これは単純で、今までの軌跡シリーズに比べて、演出の強化や、マップ内にある建物のシームレス移動の実装などによって、全体的に読み込みが遅めです。大きなマップだと読み込むのに数十秒はかかります。
ただ、これに関しては自分が初期型のPS4でプレイしていることが一因であるかもしれません。最新のPS4やPS5でプレイした場合には読み込み時間がそこまで気にならない可能性はあります。詳しい方いらっしゃったら教えてください。
最後に
初めてのnoteであり、拙い表現なども多くあったと思います。今改めて読み返すと、「ゲーム感想文なのにゲームの画像一切用意してないってなんやねん」とセルフでツッコミを入れたくて仕方ありません。このnoteを書こうと思い立ったのがゲームクリア後だったのでこうなってしまいました。次があればちゃんと用意しときます。
こんな体たらくにも関わらず、この投稿をここまで読んでくださった皆様に、感謝を申し上げます。
黎の軌跡、RPGが好きな人にはおすすめです。シナリオも王道ながら面白いですし、キャラクターも魅力的だと思います。前作のダメな点を開発側も把握していて、それを改善しようとしているのも好印象でした。また、軌跡シリーズは前作で物語が一区切りとなり、この黎の軌跡から舞台や登場人物を一新しての再始動となっています。(まあこう言いながら前作キャラが結構出てくるんですけど、それでもサブキャラというか、長くシリーズをプレイしている人へのファンサービスの側面が強いので、軌跡シリーズ未経験の方でも気になりづらいと思います。最悪ネットで過去作のまとめみたいな動画とか見て補完してください)
なので、もし軌跡シリーズに興味があると思う方や、シリーズが長くなりすぎて今更新規参入しづらいなあと思っていた方がいるのであれば、この黎の軌跡から軌跡シリーズに入るのはアリだと思います。
改めて、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。