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自分と、ひとと、言葉

VFJ1期生、maruwa mart (株)の山口です。

9月は、6月からやり始めたことが結果として表れはじめた時間でした。
結果を出すためにどのようなことをやってきたか、そのプロセスと学んだことをお話ししたいと思います。

やるべきことをやり遂げる

6月からずっと製造の現場に入り込み、製造体制の改善を目標にやってきました。
特にやってきたことは主に3つあります。

1. クックチルの実現(※)
2. 製造人件費の大幅削減
3. HACCP(ハサップ)取得に向けた衛生管理方式の確立

※クックチルとは、食品製造における手法の一つです。
定められた衛生管理に則りながら、予め製造を行うことで、大幅な製造の効率化と品質の向上が見込まれます。大手コンビニや飲食チェーンでもこの手法が現在多くとられています。

特に力を入れたのが、クックチルの実現でした。
これが実現できれば、売り上げが上がりコストが削減できる仕組みが作れるので、会社のビジネスモデルが大きく変わることになります。
ただ、クックチルは今でこそ食品に関わる企業で当たり前になっている手法ですが、多くの中小企業や飲食店ではあまり好まれない傾向があります。
なぜかというと、基本的に温かい商品をお客様に食べてもらいたいという想いが強いため、前もって商品を製造することに対して否定的な人が多いことが要因として挙げられます。(もちろん、クックチルの商品は温めれば美味しく食べられます。)
当社もこれに当てはまっており、クックチルに対して否定的な人が多く、どうやれば実現できるのか、社長もずっと悩んでいたようでした。
その結果、クックチルを実現できる商品をつくれるにも関わらず、3年近くもの間設備を使わずじまい。
まさに『宝の持ち腐れ』という言葉があてはまる、そんな状況でした。
そのような状況を私が引き受けるという、かなりの大役を担うことになりました。

3か月かけてやっと実現できたクックチルですが、道のりはとても長かったように思います。
朝4時から現場に入り(正直きついし眠いです)、一緒に商品をつくったり、現場の意見や不満を聞いたり、従業員に対して指示をしていく。
特にきつかったのが、ベテラン従業員への対応でした。
今まで自分たちがやってきたやり方を180度覆されるわけなので、黙っているわけにはいきません。
当時を振り返れば、ケンカになってもおかしくないくらいお互いにヒートアップした時期もありました。
でも、不満や愚痴を言われたからといって、クックチルの実現を諦めるわけにはいきません。
私がやるべきことはクックチルの実現のために、
『現場の問題点を改善しながら、従業員に指示をしていくこと』
これは毎日欠かさず続けました。
製造の現場で問題になっていたことは、『労働生産性』『衛生管理』の2点でした。
これらの問題点を徹底的に洗い出し、改善していきました。
その結果として、製造における人件費は3か月前と比べて『2分の一』にまで削減できました。また、ゴチャゴチャだった工場の中がとてもきれいになりました。

人はちゃんと見てくれている

クックチルの実現を進めていく中で、自分の中でとても嬉しかったことを共有したいと思います。

この取り組みを通していく中で、実はアドバイザーの方から衛生管理や工程管理のことまでいろいろレクチャーを受けていました。
なので、クックチルが実現できたのは私の力ではなく、アドバイザーの方のおかげだと思います。
そして、そのアドバイザーの方が久しぶりに工場に来られた際、こう言われました。

「めちゃくちゃキレイになってますね!3か月前と比べると見違えるような感じです。ぜひ上司にも共有したいので、写真撮らせてください。」

この一言を言われたとき、感情が込み上げてくるものがありました。

工場がキレイになったことなんて、会社の従業員の誰も評価してくれませんでしたが、アドバイザーの方は、食品に関わる会社にとって本当に大事なことをちゃんと分かってくれていたようでした。

『人はちゃんと見てくれている。だからこれからも、自分が大事だと思うことは絶対に諦めることなく行動に移していこう。』

そう思いました。

正直、クックチルが実現できたことよりも、人件費が削減できたことよりも、アドバイザーの方の一言が何より嬉しかったです。(笑)

人を動かすことに正解はない

それと、現場に入る中で大事だなと思ったことも共有したいと思います。

現場に入って学んだことがあります。
それは、人は自分が考えるようには動いてくれないということです。

(株)ブリヂストンの元CEO荒川氏が著書の中でこう言われています。

『戦略を「実行」しようとすると、そこには分厚い壁が立ちはだかります。会社は「生身の人間」の集まりであり、現場は、理屈だけでは説明できない無数の要素が複雑に絡み合っています。
理路整然とした「戦略」を現場に落とし込もうとしても、思ったように実行されることなどありえないのです。』

まさにこのようでした。
なので、自分がこうすればこうなると考えたとしても、現場はそれ通りには決していかないのです。
それは本当につくづく思いました。
それで、心の中では、
『あーーーー!まじで意味わからん!!』
なんてよく叫んでいました(笑)
でも、不満をこぼして終わりにしたくない
そう感じていたので、リーダーに関する本を読むことにしました。

・参謀の思考法
・部下が変わる本当の叱り方
・担当になったら知っておきたいプロジェクトマネジメント
・一流の任せ方 全技術
・D・カーネギー 人を動かす
・生産性
・人望が集まる人の考え方
・「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
・リーダーになる人に知っておいてほしいこと

現場に入る中で読んだ本たちです。
読めば読むほど、人を動かすことというのは奥が深く、これといった正解がないということが分かりました。
でも、読めば読むほど、現場で実践してみようということをたくさん知ることが出来ました。
今試しているのが、『マツコ・デラックス』になりきるというものです。
マツコ・デラックスになって、雑談からはじめてみれば、部下は自分のことを気にかけてくれているんだなという気持ちになるという具合です。
まだまだ効果は出ていませんが、粘り強く試していこうと思います。

最後に

クックチルの実現を進めていく中で、本気で取り組めたのは、実は社長の一言が大きいです。

「どんな結果になろうと、俺が全部責任取るから。だから必ずクックチルを実現してほしい。」

その言葉が私の後ろ盾となって、どんなに辛い状況でも前に進むことが出来ました。
先ほどのアドバイザーの言葉も然りですが、人の言葉というのはものすごく偉大です
それだけで、人生が変わる、そんな気がします。
私もいつかそんな一言を周りにかけられる『ひと』になりたいです。

※写真は、ここ1か月で読んだ本です。本の読み方は様々だと思いますが、私は自分が課題とすることを解決してくれる、そんな本を好んで読んでいます。

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