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VB TIMES12月号Vol.3 『SPAC』とのM&Aで上場企業に!?~生まれるメリット・デメリット~
Venture Bankは、世界中で事業展開する企業、そして、世界を舞台に活躍している投資家たちによって組成された、ベンチャー支援プロジェクトです。
「起業したい」「事業を起こしたい」という未来の起業家たちをサポートするべく、私たちはビジネスプランコンテストの開催など、様々な取り組みを行っております✨
未来の起業家を更に応援するために、現役起業家やエンジェル投資家のインタビューや、現在企業に向けて奮闘する未来の起業家たちに注目し、その様子をお届けする『VB TIMES』🌳
「起業するからには株式上場を目指すゾ!」
そんな高い向上心を持った起業家の方も少なくないでしょう。
しかし、そう簡単に上場できるわけではないこと、みなさんもご存じですよね!?
ということで!新たな上場手法ともなり得る、今話題の『SPAC』に注目していきたいと思います!
米国で話題の特別買収目的会社『SPAC』とは?
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『SPAC(特別買収目的会社)』とは、買収を目的とする企業のことで、上場した時点では一切事業を行っていないペーパーカンパニーです。
著名な経営者や投資家などネームバリューのある人が代表に就任することで、その信用力を以って資金調達をします。
その後、通常2年以内に有望な未公開会社を買収または合併し、空箱企業に具体的な事業という中身をいれるイメージです。
SPACに買収・合併された未公開会社は、「従来のプロセスをすっ飛ばして上場することが出来る」というのが、最も大きな特徴ではないでしょうか!
SPACとのM&Aにより生まれるメリット・デメリット
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【メリット】
IPOでは審査の際の条件が厳しく、特に実績の浅いスタートアップには難関です。
通常、少なくとも2~3年以上の準備期間を想定して計画を立てますが、SPACによるM&Aで審査が簡素化され、5~6カ月で上場が実現する可能性があります。
【デメリット】
本来であればEXITは、事業計画や資本政策を入念に練って進めます。
しかし、SPACによるM&Aにより一足飛びに上場することで準備不足に陥り、期待値と上場後の評価がシンクロしない、ということが起こり得ます。
信頼と株価が急落するなんていうことにも……!汗
SPACとの合併案件として過去最大!の上場企業
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去る2021年12月2日、ソフトバンクグループが出資する企業『グラブ(Grab Holdings Inc.)』が、SPACとの合併により、米国ナスダック市場(NASDAQ)に上場したことが話題になりました。
グラブは、ハーバード大経営大学院の同級生だったアンソニー・タン氏とタン・フイリン氏が、2012年にマレーシアで立ち上げた配車サービス運営会社です。
シンガポールを拠点に、マレーシア・フィリピン・タイ・ベトナム・インドネシア・ミャンマー・カンボジアの400以上の都市で事業を展開しています。
2021年4月に、SPACである『アルティメーター・グロース』社と合併し、企業価値は約396億ドル(約4兆3300億円)に!
投資家からは40億ドル(約4,316億円)余りの資金を調達!
今回の上場はSPACを経由した過去最大規模の取引きとなりました。
まさにこれこそ、SPACとの合併によるメリットの享受!!
こうしてグラブは通常の上場手順を踏むことなく、米上場企業の肩書をゲットしました!!
NASDAQ上場初日にまさかの事件…!
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『米上場企業のグラブ』の狂喜乱舞な様を大いに盛り上げてお伝えしましたが、喜びも束の間、ここでまさかの事件発生です!
グラブはかなりの期待と注目を集めていたものの、なんと上場初日の株価は大きく激震。
初値は合併前と比べて19%高い13.06ドルをつけたにもかかわらず、その後21%急落して8.75ドルで取引終了を迎えるという、厳しい船出となってしまったのです。
まさか、SPACとの合併によるデメリットまでも待ち受けていたとは…。涙
とは言え、グラブCEOのアンソニー・タン氏は、東南アジアを代表するユニコーン企業として、「新しい可能性をもたらしているテクノロジー企業の存在を知らせた」と述べています。
今後の動きに期待したいですね!
日本においてのSPACの存在は?
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IPOは今年、2007年に記録したIPO件数と資金調達額を上回り、過去最高の6000億ドル(約68兆4000億円)を更新しました。
これはSPAC銘柄の継続的かつ爆発的な増加による影響であることは間違いなく、米国を中心にSPACを巡る熱狂は衰えることなく続いています。
日本では、2008年に東京証券取引所で導入が検討されたこともありましたが、いろいろな問題がクリア出来ず、未だSPACは解禁されていません。
しかし今年10月には、『第一回SPAC制度の在り方等に関する研究会』が東京証券取引所の主催で開催されたり、日本のスタートアップを合併の対象とするSPAC『ポノ・キャピタル』がナスダック市場に上場するなど、新しい風が吹いているように感じます。
「投資→回収」のスピード感が上がることで、投資家も『新しい挑戦をする企業』への投資がやりやすくなることでしょう。スタートアップの更なる活性化へと繋がる未来は、もう間近なようですね♪
【お知らせ】
起業に関する情報やピッチイベント内容などお届けしてきた『VB TIMES』ですが、今回をもちまして休刊する運びとなりました。
『VB TIMES』を愛読、応援してくださった皆さまに感謝申し上げます。
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