【健康経営の新常識】飲酒指導はパンフレットだけでは無意味?遺伝子情報を活用した減酒指導が重要だと示した報告
こんにちは、健康経営アドバイザーのKです(薬剤師・中小企業診断士)。
今回はアルコールの指導に関して非常に興味深い研究を見つけたのでシェアしたいと思います。
「個々人のアルコール代謝遺伝子情報に基づいた減酒指導で 過剰飲酒をしている若年成人の飲酒量が減少」という記事です。
筑波大学の研究チームが、過剰なアルコール摂取習慣のある若年成人に対し、個々のアルコール代謝遺伝子情報を基にした減酒指導を行い、その効果を検証したものです。
詳しくはコチラのプレスリリース」参照
研究対象は、筑波大学の関係者196人。アルコール代謝遺伝子情報を含む減酒指導を行う介入群と、パンフレットのみを配付する対照群の二つの群に分けました。
介入群は、事前に参加者自身のアルコール代謝遺伝子検査を受けてもらい、その結果を基にした減酒指導を1回実施。
対照群は、アルコールに関する指導パンフレット「大学生のためのアルコール・ハンドブック」を配付しました。
参加者は研究開始から24週間の間、毎日、アルコール飲料の摂取量をカレンダーに記録し、3ヶ月後と6ヶ月後に飲酒習慣のスクリーニングテスト(AUDIT-C)に回答しました。
驚きの研究結果
介入群では研究開始3ヶ月後に飲酒日の飲酒量やAUDIT-Cのスコアが対照群と比べて有意に減少しました。
この結果から、過剰なアルコール摂取を減少させるためには、個々のアルコール代謝遺伝子情報を活用した個別指導が非常に有効であることが示唆されました。特に、遺伝子情報を基にした具体的なアドバイスが、飲酒習慣の改善に効果的であることが明らかになりました。
一方、アルコールに関する指導パンフレットのみを渡した対照群では、3か月後、6か月後ともに飲酒量は減らなかったそうです。(確かにそんな感じがしますよね。)
やっぱり、自分ごとにしないと飲酒指導は響かないですよね。
今回の研究から感じた事。それは従来のパンフレット配付だけの飲酒指導では効果が薄いということ。
一方、遺伝子情報に基づく個別指導をおこなうことで、より精度の高い飲酒指導が可能となり、過剰なアルコール摂取による健康リスクを大幅に低減できることが期待されます。
企業や教育機関においても、このアプローチを取り入れることで、従業員や学生の健康管理をより効果的に行うことが可能となるでしょう。遺伝子情報を基にした個別の減酒指導は、これからの健康経営の重要な柱となることが期待されます。
また、面白いニュースがあれば共有したいと思います。