農作物は価格競争から「価値競争」へ。
いつもご覧いただきありがとうございます、ベンチャー農家のなかたく( https://twitter.com/venture_nouka )です。
”食の当事者を増やす。”をミッションに長野県須坂市で「りんご」と「ぶどう」を作っています。プロフィールはこちら↓をご覧ください。
先日、新規就農者が成功するためには、徹底的にパクって進化させるというnoteを公開したところ反響が良かったので、今回は価格競争ではなく「価値競争」についてまとめました。
農作物の5つの価値
農作物には以下5つの付加価値があると考えています。
・機能的な価値
・届け方の価値
・栽培方法の価値
・加工する価値
・生産者/組織の価値
それぞれについて簡単に紹介すると、
・機能的な価値
作物が持っている「基本的な価値」です。新鮮なレタスやみずみずしいトマトが代表例です。この価値で差別化は難しいため、価格が安いものが選ばれる傾向にあります。
そのため海外商品との競争に負ける可能性が高いため、いかに付加価値をつけられるかが鍵となります。
・届け方の価値
産直やスーパー等の届け方によってつけられる付加価値です。
既存の届け方に加え、最近ではアプリやネットで農産物が買えるので、活用するのも手です。
・栽培方法の価値
一般的な栽培方法とは異なるやり方で農産物に価値をつけることです。
糖度を1度あげるために試行錯誤する必要があり、普通の生産者というよりは職人に近い気質が求められます。
・加工する価値
農産物を加工して付加価値をつける方法です。ジュースにしたり、アイスにしたりとさまざまな方法がありますが、加工すれば付加価値がつくわけではないので、安易に取り組むのは危険です。
消費者が求めているものを作るために「加工」をするという思考を持っている必要があります。
・生産者/組織の価値
作り手の人柄によってつけられる価値です。
情報が透明化してくると何を買うかよりも「誰から買うか?」が重要視される傾向にあると思います。
その際によくわからない人よりも人となりがわかっている人から買った方が安心であるというのは一目瞭然です。
私のような個人農家が一番つけるべき価値であると考えています。
価格競争から「価値競争」へ
新聞やニュースで取り上げられるのは「価格」についてが主です。そのため農産物の価格競争が注目されがちになってしまいます。
上記の5つを総合的に判断して「価格」が決められるため、表面的な数字ばかりを見ていては、日本の何倍もの国土で大量栽培している海外に勝てるわけがありません。
例えば、林檎をドライフルーツに加工して付加価値をつける等、自ら価格競争に巻き込まれないような工夫をしていく必要があると言えます。
これからの農業に求められていること
近年はAI・ブロックチェーン等の最先端技術が注目されていますが、ITでさえ誕生してから100年も経過していません。
一方で農業という産業は数千年も前から存在し、今後も受け継がれてい区ことでしょう。悪く言えば、盛り上がりもせず衰退もせず、平行線をたどっている産業です。
そんな農業にもIT化の波が押し寄せてきています。情報が透明化することで、価値がない農家は淘汰されていくと考えています。
そのため、農作物の5つの価値を上げていくために工夫を行い、価格競争から価値競争へシフトをしていく必要があると言えます。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。
今回は、これからの農業に求められる「価値競争」について書きました。気になった点や要望・質問は、ぜひコメント欄へ!
今後もこのnoteでは「農業」や「地方」を軸としたコンテンツをお伝えしていくので、ご覧いただければ幸いです。
農業の始め方に悩んでいる方は、実際に私が農業をはじめるために行った7つのステップを以下のマガジンで紹介しているので是非ご覧ください。