激安トルクレンチの検証・インプレ
先日、ホームセンターにて激安トルクレンチを買いました。
このトルクレンチの測定範囲は19N・m~110N・mです。
(発売元が推奨する測定範囲は19N・m~80N・mとなってます)
メーカー(ブランド名?)は「E-Value」となっていて、商品名は「T-80」と
なってます。値段はトルクレンチとしては激安の3,129円で、しかも
誕生日割引でさらに10%引きで買いました。
私がメインで使ってるトルクレンチはSIGNET製の、測定範囲が
6N・m~30N・mのものです。
SIGNETのトルクレンチもブランド品としてはかなり安いのですが、
ちゃんと校正証書も付いており、精度は問題なさそうです。
さて、今回はホームセンターで売ってる激安トルクレンチの精度は
いかがなものか?また、使い心地は?という点を調べてみました。
実験台になったのは我が家のメインマシン、KX85です。
指で指してるキャリパーボルトの指定締め付けトルクが25N・mなので、
両者の比較にちょうど都合がよかったのです。
まず、ボルトを適当に緩めます。緩める時はメガネレンチを使います。
SIGNETのトルクレンチを使い25N・mで締め付けます。
締め付けたら、マーカーで印を付けておきます。
再びボルトを緩めて、安い方のトルクレンチで締め付けてみます。
マーカーがぴったりの位置になる様にトルクレンチの設定を
変えながら締め付けます。
この写真の位置で、マーカーの印がぴったりと合いました。
目盛の設定は24.5N・mになってます。
SIGNETとの誤差は約2%でした。通常、ブランド物のトルクレンチでも
出荷時公差は±3~4%以内にするという事なので、約2%の誤差は、
十分に許容範囲内と言えるでしょう。
安さにひかれて買ったものの、「誤差が大きかったらどうしよう?」と
思ってましたが、これで安心できました。
使い心地も意外と良く、目盛の設定も簡単でしたし、規定トルクに
達した時の「カチッ」という音や手応えも分かりやすいものでした。
誤差も少ない様ですし、「これは思ったよりも使えるなあ」という印象でした。
【オマケ】
ついでに、家で長いこと眠っていたトルクレンチも実験してみました。
10年以上前に2~3千円で買ったものだとおぼろげに記憶してます。
こちらは表示単位がN・mになる以前の、kgf・mが使われていた頃の製品です。
このトルクレンチ、主目盛は1.4kgf・m毎に記されているのですが、
1箇所だけ目盛の間隔が1.3kgf・mになっているという、よく分らない設定です。
しかも副目盛が0.14kgf・mとなってるようで、セッティング時の
計算が非常に面倒です。
また、設定トルクに達した時の音や感覚が分かりにくくて使い難く、
そもそも買った当時はトルクレンチの使い方がよく分らなかったので
今まで全然使ってませんでした。
実験は同じ方法で行いました。
誤差がどれくらいあるか分からないので、かなりユルめの設定から
始めてみます。
結果、1.82kgf・m(N・mに換算すると17.8N・m)のところでマーカーの
印が合いました。誤差はなんと約40%!
さすがに10年以上前の激安商品は経年劣化もあるでしょうが、
とても使えないことが分かりました。
〈筆:Mr.V〉
(すべてがmotoになる:2009年3月7日投稿分)
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