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読書記録『知的戦闘力を高める独学の技法』山口周
本日は読書記録。
それも少々意識高い系の本で、興味ない方はマジで興味ないかもしれないが、自分の思考をまとめる意味でも投稿させていただく。
タイトルは『知的戦闘力を高めるための独学の技法』というもので、山口周さんが書いた本。
先日心理機能であるNiを向上効果的に使うには知識のストックが必要という記事を読んだ。
そこで、Fiと並んでメイン機能であるNiをもっと伸ばすためのヒントにならないかと思い読了。
それでは本の要約から始めていこう。
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内容の要約
内容はタイトル通り、知的戦闘力を向上させるために、合理的な方法で学び続けて、己の人生を切り開け!というもの。
知的戦闘力を向上させるためには、自分の専門分野のみならず、文学、歴史、心理学などといったリベラルアーツを幅広く学ぶ必要があり、それによって洞察力が向上するとのこと。
(序章で、これからの時代、リベラルアーツを学ばなかったらどうなっても知らんぞ的な脅しが書いてあったが、エリート単位ならともかく一般人はそこまで気にしなくていいだろう)
そこで効率よく独学を行うために以下の4ステップが大事とのこと。
①戦略
→この本で言う読書とは、独学をすることで仕事に活かしたり、キャリアアップを目指すものとされている。
そのため、どのようなテーマで本を選ぶのか、選書の段階で戦略を練っておく。
②インプット
→本を読むだけにとどまらず、五感を通じて学びを幅広くインプットする
③抽象化・構造化
→インプットされた知識をそのまま持っていても現場で使うことはできない。
仕入れた知識は抽象化&構造化してどこでも応用可能な知識とする必要がある。
④ストック
学んだ知識はすぐに忘れるものだが、肝心な時に思い出せなければ意味がない。
なんらかの方法で思い出せるよう仕組み作りをしなければならない。
(著者はEvernoteとかいうアプリを使っているらしい)
学ぶジャンルだが、「歴史」「心理学」のようにジャンルで分けるのではなく、自分の学びたいテーマに沿ってジャンル横断的に読むのが良い。
著者は例として「組織における権力構造」というテーマを掲げており、そのために、
歴史文学、政治哲学、映画、動物行動学を学んでいるのだそう。
その他、本の種類によって読み方が異なることや、抽象化をするにあたっての具体的なプロセス、山口さんおすすめの本99冊の紹介など盛りだくさんの一冊。
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感想と考察
結論、この本を読んでめちゃめちゃ納得したし、ぐうの音も出ないほどの正論だと思った。
これができたら最高だと思うし、読んでいて非常に勉強になった。
ただ、本書は独学術の本であり、対象がかなりのエリートだと思われるため、一般人の私が真似しようと思ってもかなりハードルが高いとは思った。
(高学歴NTJの人とかにはブッ刺さる内容だと思う)
将来のために知的ストックを貯め、即効性のないリベラルアーツを生涯にかけて学び続ける。
それらの学んだ知識は全て抽象化し、いざと言うときのためにリアルで使えるものではなければならず、ただ膨大に知識を保有しているだけでは雑学バカとなってしまい、組織で使える人材にはなれない。
特に仕事の出来なさを教養で補おうとする人に対しては釘を刺しており、現実から目を背けるなと問題を直面化している。
これはいくらなんでもオーバーキルすぎるだろう。
このようなことを言われてしまうと、「使えない知識は全てゴミなのか?」という疑念が湧いてきてしまうではないか。
もちろん著者の山口さんの意見は一つの正解だと思うが、個人的には読書や教養に対しては、もっとカジュアルなものでいいのではないか?と思っている。
自分の読書のスタイルとしては、このnoteを始めた当初に紹介したこの本の言っていることの方が近い。
ただ単純に仕事で結果を出すだけなら、本なんて読まず、脳死で一生懸命働いた方が勝算は上がる。
しかしそれでも本を読むのは、「自分の人生とは何か?」「自分は本当は何をしたかったのだろうか?」と言った抽象的な自己覚知から向き合う体力を高めるためだ、ということ。
また、純粋な知識欲を刺激して人生をより豊かなものにするためだと述べている。
上記で言われているような終わりなき自己覚知は私の得意分野だし、「何の役に立つかは知らんけど、興味あるから知りたい!」というのは、人としてある意味自然な動機なのではないか。
ただ、心の赴くままに散発的に読みたい本を気まぐれで選ぶというのも悪くはないが、そうするとどうしても思考がとっ散らかるのは避けられないだろう。
そこで、山口さんの提唱していた読み方は参考になると思う。
具体的には要約のところでも書いた、「学びたいテーマに沿ってジャンル横断的に読む」というものだ。
自分だったら気になるテーマは何だろう?と考えたが、最近は以下のようなテーマの本を選んでいる気がしたので言語化してみる。
人はどうして権力に対して思考停止で従うことができるのか?
「思考停止」という嫌な表現を使ったが、全体主義的な発想を自分は持ち合わせていないため理解したいという欲求がある。
高校時代の部活動や体育会系組織であった前々職で不適合を起こした経験に由来するものだろう。
最近読んだ名作、ジョージ・オーウェルの『1984年』も面白かった。
無意識にそのテーマに近しい本を選んでいたものの、改めて言語化するとより一層、選書の精度が上がりそうだ。
その意味で今回読んだ本は学びがあったと言える。
山口さんも上記の堀内さんも読書や学びについて色々述べているが、読書をする目的は皆それぞれ違うだろう。
純粋に読書は楽しいし、読書という行為そのものも「なんかカッケェ」と思っている。
山口さんは、「知識は活かしてなんぼ」と言っていたが、個人的には教養にも満たない雑学を大量に保有している人は、話していて面白いと思うし憧れの気持ちもある。
ただ例の国家試験まで残り3ヶ月をきっており、読書どころか、noteの投稿頻度も落ちそうな気がするので、これからどうなるかはわからないが、、。
(投稿頻度減っても、皆さんの投稿はきちんと読みます!!)
ということで、長々とした個人的な読書論の見直しに付き合っていただき、ありがとうございました。