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好きな小説のジャンルについて

時折、学校の友人と本屋に立ち寄る機会があり、そこで今読んでいる本の話などをするのだが、自分の好きな本のジャンルを説明するのが難しいと感じる今日この頃。

その友人(5歳以上年上のENFJ)はJ型らしくミステリーが大好物のようだが、個人的にミステリーはそこまでである。
(ミステリーが好きな人ってJ型が多いイメージ)


サスペンス、SF(サイエンスフィクションの方)、家族もの、恋愛、ハードボイルド、ホラー、どれもしっくりこない。

ファンタジーはいけるが、モノによると言ったところか。

また本好きでありながら、謎のひねくれより、東野圭吾さんを一冊も読んだことがなく、伊坂幸太郎さんも学生時代に一冊しか読んだことがないレベルだ。

本屋大賞など今話題の本、もしくは聞いたことない作家だけどこれから売れそうな本を選びがち。
『アリアドネの声』とか『レーエンデ国物語』とかを割と早い段階で手にしていたのは、ささやかな自慢。


では私の好きなジャンルとは何なのだろう?

何とも説明しにくいのだが、一言で言うなら文学、特にヒューマン系だろうか。

例えば、
同調圧力によって個性を抑圧されながらも、何者かになりたくて孤軍奮闘する物語とか。

戦争や何か大きな事件に巻き込まれた主人公が、心の傷を抱えながら、懸命に生き抜く物語とか。

ポイントはここで復讐劇にならないことだ。

バトルマンガであれば、復讐劇も面白いのだが、小説になると、そう短絡的に暴力の行使に走らないでほしい。
もっと心の傷と向き合ってほしい。


時代背景は、外国だったり、戦時中だったりと現代日本から少し離れている方が好みだ。

きちんと説明がなされていて、イメージを想像させてくれるのなら、架空の異世界でも面白い。
(SF型とかは現実世界に密着した話を好む傾向にあると思う。時間軸を飛び越えたストーリーを好むあたりN型ならではな気がしてる)


小説を読む時は自分の本来の気質と思われるINFPが全開になり、心の奥の奥に深く訴えかけるものを好むようだ。

またTe劣勢であるため、同調圧力や全体主義に対して密かに反抗するようなものも好きだ。作家で言ったら中村文則さんとか。


ラストはハッピーエンドでもバッドエンドでも構わないが、無理矢理ハッピーエンドで終わらせるのはあまり好きではない。

あとは伏線の回収に躍起になったり、ラストのどんでん返しなども微妙なところだ。

もう少し、読者に解釈の余地を残してほしいというか、余韻を残してほしい。

とは言え、個人的に物語の終わらせ方にはあまりこだわりがなく、あくまでその主人公や周辺人物らの心情変化に重きを置いている。

物語が進むにつれ、どのように気持ちが変わっていくのか、どう成長していくのか。
登場人物の気持ちを想像し、時に彼らと対話して己のFiを充足させる。
そんな楽しみ方を小説に見出している。

そのため、小説を読むには、その世界観に自分が没入する必要があるため、結構な集中力と体力を消費する。

だから中々多読ができず、疲れていると読書をせずにそのまま眠ってしまうことも少なくない。(本が好きだと言っている割に読書量が少ないのは、ややコンプレックス)

ただ、本当に面白い本は心が震えるし、いつまでも記憶に残り続けるし、その後感想を書いたり考察したりするのも楽しめる。

私が好む上記のような特徴をもつ小説は、割と重厚で、読むのに痛みを伴うことも少なくないため、好き嫌いが分かれそうである。

ただ、そんな作品を楽しめるというのは自分の強みだなぁと感じるところ。


今回はちょっと短かったので、最後におすすめの本を何冊か紹介しておこう。

『車輪の下』

ウルトラ繊細で鬼メンタル弱いけど、超優秀な主人公ハンスが、有名神学校へ通うものの、学校ともめたり、親友が退学したりで、自分も学校を辞め、結局密かに見下していた実家の機械工に成り下がるという話。

理想に燃えていたINFJが、運と環境が悪いといかに闇落ちして転落していくのかがわかり、INF×は身に覚えがありすぎて、共感必至。

人によってはINTJあたりも共感できるかもしれない。

繊細さん、勉強を頑張ってきた人におすすめ。

『歌われなかった海賊へ』

終戦間近のドイツが舞台。
ナチスの体制に疑問を抱く少年らが海賊団を結成して、絆を深めていくが、ある日線路を辿ると強制収容所を見つけてしまう、という話。

理想主義的で、自分たちの正義を遂行しようとする少年らには、「若いなぁ」と思いつつも
頼むからうまく行ってほしい、みんなが無事でいてほしいと祈りながら読んだ一冊。

史実を元に書かれたらしいので、歴史が好きな人にもおすすめ。

なお作者は、同志少女で名を轟かせた逢坂冬馬さん。

『われら闇より天を見る』

アメリカが舞台の海外小説。
過去にとらわれ薬漬けだった母親が、何者かに殺されたところから物語は始まる。

主にその母親の子供たちが、母亡き後に懸命に生きる話と、地元警察が母親を殺した犯人を探す話というヒューマンドラマとミステリーが同時に楽しめる一冊。

殺された母親の長女の方が、幼い弟を守りながらも周りの信用できない大人たちに反抗し、強くあろうとする姿は大変痛々しく、読者の心がえぐられる。

海外小説でページ数も中々多いので、読みにくそうだが、読んでいると続きが気になって仕方なくなるし、翻訳も丁寧なので変な突っ掛かりもない。


上記3冊はそこそこ内容が重厚であるため、気軽に読めるタイプのものではないが、もし1冊でも面白そうだと思っていただけたら、嬉しい限り。

以上です。

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