気虚の苦しみ
なんと暗いタイトルだろうか。
とはいえ、別に病んでるわけでもないので、(むしろ調子良いくらいだ)本日も近況語りをしていこうと思う。
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先日、自身の体調を改善するべく、漢方薬局へ漢方相談なるものに行ってみた。
(主に弱っている胃腸についての相談だ)
どうやら先生曰く、私は慢性的な気虚の状態にあるらしい。
気虚とは一言で言うと、エネルギー不足である。
具体的に言うと、疲れやすい、集中力が持続しない、胃腸が弱い等だ。
漢方的に「気」とは、自律神経を制御しているらしく、食べ物を消化する機能にも関係しているため、「気」が不足すると消化吸収能力の低下に繋がるらしい。
その結果、食欲不振や胃腸虚弱、倦怠感などといった症状が起こりやすくなるとのこと。
なるほど。
そういうことか。これを聞いて今までの身体的違和感に納得がいった。
集中力は特別感じたことはないが、疲れやすさに関しては幼い頃からこの傾向があった。
例えば、幼稚園に入る頃、家族でUSJ(ユニバ)に行ったのだが現地に着いてから放った第一声が
「さぁ帰ろっか」
だったらしい。
(あんまり覚えていないが、そのようなセリフを言ったような気もする)
USJなど子供が一番喜ぶテーマパークだろう。
しかし、うっすらではあるが、このUSJに行って楽しかったという記憶がまるでない。(幼い頃は結構な頻度で行っていたのだが)
あちらこちらから鳴り響くアトラクションの大きな音、凄まじい熱気と人混み、効率よくアトラクションに乗るために並んで乗ってを繰り返す行動。
その全てが私にとってはストレス以外の何物でもなかった。
アトラクションに乗ったら乗ったで酔うし、酔った状態のまま次のアトラクションへ移動するのも大変だった。
歩いていると遭遇する恐竜や謎のオブジェ、クラッカーや爆発音などの大きい音は、恐怖の対象でしかなかった。
(認めたくはないが、幼い頃から怖がりで若干の聴覚過敏のきらいもあった)
このUSJのエピソードはほんの一例で、小5の林間学校へ行った際、4泊あるうちの2日目にして疲労と帰宅願望から人知れず涙が溢れ出たことや、そこそこ高級なものを食べに行った際、急に食欲が失せてほとんど食べられなかったことなど細かいものを挙げればキリがない。
もちろん、現在でも少々遠出をするだけですぐへばってしまうため、適宜の休憩を要するし、高級料理店は苦手だ。
上記の食欲不振も気虚の特徴である。
私は日々の食欲にムラがあり、同じ食事量であっても全然満腹にならない日もあれば、あまり食が進まない日もある。
また先程のような高級料理店はもちろんのこと、ちょっと変わった料理や店の雰囲気によっては食欲がなくなることが多々あるのだ。
原因は緊張などのストレスからくるメンタル的なものも半分くらいはあるのだが、ストレスが溜まると逆に爆食する人も多いので、元の食が細いというのも気虚だからこそとも言えるだろう。
また、漢方面談中には先生からこのようなことも言われた。
「ALVAさんって赤ちゃんの時小さく産まれましたか?」
なぜそれがわかったのか!?と驚いた。
まさしく先生の言うとおりで、私は産まれた時の体重が2600gで多くの人が3000g前後で産まれるのに対し、低体重で産まれたと言える。
そしてこの小ささは今までずっと変わらず、身長も体重も見た目の骨格も全てが人と比べて小さい。
(もちろん私より背の低い男性もいるが、大体は体重で負けることが多い)
どうやら小さいからこそ、普通の人よりも基礎体力が少なく、元気が足りないのだそう。
そしてこれは、体質によるところも大きいので、食事や運動などで一定の改善は見込めるものの、活発な人と同じような生活は困難を極めると言われた。
これが気虚のキツさだ。
多くの人が楽しめるものがまるで楽しめない。
疲れやすいがゆえに、テンポよく外出することが苦手で、食が細いがゆえに、ますますエネルギーが湧かない。
だから、旅行やレストランやその他刺激の多いところが嫌いで、人と合わないことが増える。
ただ、気虚ゆえにいいところもある。
それは節約になってコスパがいいということだ。
家に引きこもっていても全く疲れないし、事実休みの日は1日の大半をベッド上で過ごす。
これは何も我慢しているからではなく、したいからしているのだ。
主に音楽を聴いたり、そのまま空想に耽ったり、時々本を読むなどしてのんびり過ごしている。
おそらく体力が有り余っているような人は、休みの日には必ずどこかへ出かけないと落ち着かなくなるのだろうし、ストレスが溜まったら暴飲暴食をするのだろう。(私の父がまさにそう)
一方私は、酒もタバコもギャンブルもノータッチなので、節約にも健康にもいいと思う。
まぁ食が細いのは健康に良くはないと思うが、浴びるように酒を飲む人と比べたらマシだろう。
気虚とは日常生活が人と比べて大きく制限されるという意味で大変厄介な性質ではあるが、それ以上のものではないので、直ちに命に関わるようなものではない。
むしろエネルギーを節約するので、危険なことには巻き込まれにくいし、大きな負荷もかからないのではないだろうか。
そうやって細く長く生きていくのだ。
日常的に「疲れた」とか「ここが苦しい」なとど言う割に、結構しぶとく、幸いにも大きな病気にもかかったことがない。
この特徴はおそらく老年期に活かされることになると思う。
仕事一筋に全力投下して退職したら燃え尽きるような人ではないし、刺激を求めて行動しまくることはないので、安全に穏やかに暮らせるだろう。
年老いて、外出したいのに身体が思うように動かせなくてストレスが溜まるなんてこともない。
以上、長々と自分の体質の虚弱さについて述べたが、そう泣き言ばかり言っても仕方がない。
死ぬまで付き合う己の肉体を自分自身が愛さねば、誰が愛してくれるというのか。
今まで通り、自分なりに元気を出して一日一日を生きていきたいものである。
最後に、この前『聖書の解剖図鑑』という聖書についてイラスト付きでわかりやすく解説されている本を買ったのですが、中々面白いです。
これでいつか美術館でも行った際、宗教画などを今まで以上に楽しめそうなので、おすすめ。