【あの昔話のワンシーン←実は歌でも大切】歌詞の読み方で注意するべきポイント
こんにちはYoshikiです。
今回は日本人ならほぼみんな知っている「あのお話」に出てくる「アレ」を歌で「あれ」すると良いよって話をしようかな?どうしようかな?と思っています。
すみません冗談です(´・ω・`)
宣言延長で下がったテンションが逃げ場を失ってちょっとおかしいのです。
悔しいねぇ…。
1. 一休さんのお話覚えていますか??
またまた歌に関係なさそうなところからお話を切り出していきます!
(というか、「コレが私の記事の個性になりつつあるのでは?」と感じていますw)
一見難解な問題を ”とんち” で切り抜ける一休さん、もとは江戸時代ごろの説話で(舞台は室町時代)、絵本、紙芝居、アニメ、実写ドラマなど、様々な形で触れる機会があったかと思います。
この一休さんのとんちで有名な話の一つが、「考えようによっては歌にも活かせるテクニックになりうる」というのが今回の記事です!
2. 「このはしわたるべからず」のお話
一休さんが渡ろうとした橋のたもとにこんな立て札。堂々と渡った一休さんは「端は通らず、真ん中を渡りました。
みんな知っているこの話、歌に使えると言われてピンとくる方もきっと少ないでしょう(笑)
日本語には、同音意義語がたくさんありますので、これの意味を解釈するためには、前後の文脈から一番可能性の高いものを連想しなければならないわけです。
(この物語の場合、前後の文脈がないこと、漢字で書かれていなかったことが理由で読み取りができなかったわけです)
もし、「このはしわたるべからず」が一休のトンチを試す意味で書かれていたのではなかったとして、本当に ”はし” を渡って欲しくなかったのだとしたら、
どちらの「はし」だったと思いますか?
予想が難しいのではないでしょうか?
そしてこれ、歌でも同じこと、似たようなことが言えますよね?
ここで重要になるのが、「強調されるべき部分はどこか?」といった点なのです。
3. 歌詞を正確に伝えるため「強調」
※有名どころでわかりやすい例をあげようとしたら、なかなか具体例を上げるのは難しかったのですが、実際にはもっといろいろな箇所で使えるテクニックですのでまずは例をみて想像してみてください!
まずは別の言葉で覚えられがちな歌詞を例にあげましょう。
例1. 世界に一つだけの花/SMAP
・もともと特別なオンリーワン
もっともっと特別なオンリーワンって歌われる方、いらっしゃいますよね(笑)
この歌詞の場合、跳ねないように歌えば聞き取りやすくなると思いますが、楽曲のテンポ的にもさらっと歌うのはそれはそれでつまらなくもあります。
どちらの意味で歌うかで、込める感情、イメージも変わってしまうのではないかと思います。
「僕らはもともと特別なんだよ。生まれながらにしてオンリーワンなんだよ」
と歌っているのか、
「ナンバーワンなんかより、もっともっと特別なオンリーワンなんだよ」
と歌っているのか。
前者の場合は、「ナンバーワンには成れないかもしれないけれど、最初からオンリーワンではあるんだよ。」といった柔らかなニュアンスで受け取れますが、
後者の場合は、オンリーワンを比較対象にして「ナンバーワン」を否定しているようにも受け取れます。
極端に言えば「競い合いに意味はない、僕らはもっと特別なオンリーワンなんだから!」というふうにも解釈できるということです。
たった一言、「もともと」か、「もっともっと」かでこんなにニュアンスが変わってしますのです。
これら二つを果たして同じ歌詞だと思えますか??
別ですよね?
そしたら、正しい方の歌詞で歌うように、聞こえるように努めねばなりません。
※作詞作曲された槇原さんがわざと二重解釈を誘ってやっているのかもしれませんが(笑)
次に、これも例としてわかりやすいか微妙なところですが、
例2. Lemon/米津玄師
・きっともうこれ以上傷つくことなどありはしないとわかっている
この場合、「これ以上」は「傷つくこと」にかかっているのでしょうか?
それとも「ありはしない」にかかっているのでしょうか?
前者なら、「『これ以上の悲しみ(傷)』を受けることは、もうありはしない」と受け取ることができます。
後者なら、「これ以上、『悲しみ(傷)を受けること』は、ありはしない」
と受け取ることができます。
同じ意味に思えますか?
これもまた別物でしょう??
自分の思う方の解釈に合わせて
「傷つくことなど」を強調するか、
「ありはしない」を強調するかが変わってくるのです。
このように、
歌の中でも音量や発声&歌唱のテクニックで伝えたい部分を強調したり、心で自分のイメージをしっかり持っておいたりすることで、伝えたいことをわかりやすくする必要があるのです。
4. 超難問例題。あなたは解けますか??
一つ練習問題を出してみましょう。
「僕は彼の背が高くなる夢の話を聞いた」
この文章の解釈は何通りあるでしょうか??
※但し、同じ区切りでの言葉の意味合いは一つとします(例えば、夢という言葉の意味を多重に取らないこととします。)
答えは下にありますので少し考えてみてください。
※苦手な方は一気にまとめまでどうぞw
①僕は「彼の『背が高くなる』」夢の話を聞いた
②僕は「『彼の背』が高くなる」夢の話を聞いた
・「僕」は、彼の「夢の話」を聞いたのですが、この解釈の場合、背が高くなるエピソードはあくまで「夢の話」の一部分であって、「背が高くなる夢」ではありません。背が高くなるはこの「夢」の呼称、いわゆる印象的な一部分にすぎないのです。
・彼の、「背が高くなる」のか、「彼の背」が高くなるのか、主語はあくまで「背」なので、「彼の」がどこにかかっているのかわからないのです。夢に出てくる別の人物の背が高くなっただけで、彼の背は高くなっていないかもしれません。
③僕は「彼の『背が高くなる』夢」の話を聞いた
④僕は「『彼の背』が高くなる』夢」の話を聞いた
・今回は「背が高くなる夢」の話を聞いたので、背が高くなる以外の夢についてはおそらく何も聞いていません。
・上の①②に同じく、彼の、「背が高くなる」のか、「彼の背」が高くなるのか、主語はあくまで「背」なので、「彼の」がどこにかかっているのかわかりません。
⑤僕は「彼の『背が高くなる夢』の話」を聞いた
⑥僕は「『彼の背』が高くなる夢の話」を聞いた
・今度は「夢の話」を聞いたので、夢についてのお話というより、具体的に「夢についての物語」を聞いています。前項③④まででは、夢の中で高くなったんだで済ませられますが、「背が高くなる」という部分は「『夢の話』の題名」のようなものでしかないので、内容に触れているのがわかるかと思います。
・上の①②③④に同じく、彼の、「背が高くなる」のか、「彼の背」が高くなるのか、主語はあくまで「背」なので、「彼の」がどこにかかっているのかわかりません。
⑦僕は彼の「背が高くなる夢」の話を聞いた
⑧僕は彼の「背が高くなる夢の話」を聞いた
・とうとう彼のみた夢ではなくなってしまいました(笑)この解釈の場合、話し手が彼であるだけで、彼が夢を見たことを証拠づけることはないのです。
・①②と非常に似通った鉤括弧になってしまってはいますが、別の解釈です。
・この場合は彼の持ちネタでしかなく、彼の夢ではないので、「夢」の話なのか、「夢の話」なのかだけの二通りになります。
ということで答えは八通りですね。ゲシュタルト崩壊したので自信はありませんがww
まとめ
さぁて、ついてこれていますか??(笑)
現代文の授業でもこんなややこしいことってなかなかやらないでしょう…
ちなみに私は、普段から文章を見かけるとき、このように多重に解釈を見つけてしまうのでそれはそれで不便な生活をしています😅
結論、日本語音いうのは順序をバラバラにしても意味が通じやすい反面、解釈が多様化しやすく難しいのです。
歌の中でもこういうややこしいことが起こっているんだな〜程度に受け取っていただければ幸いです。
大事な部分をしっかり強調し、自分の届けたいメッセージに合わせて歌い方を調整してみましょう。
丁寧に読み解き、解釈すれば、きっともうこれ以上ないオンリーワンの歌が歌えるはずです☺️
うまいこと纏まったので以上!!
ありがとうございました!!