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【長年の命題】ボーカリストに音楽理論は必要か?

↓この記事の動画版

この記事はシンガーにも、楽器奏者にもみてもらえたら嬉しいと思いながら書いていきます。

何かの参考になれば嬉しいです。


正直にいうと「シンガー(歌うだけの人)は音楽ができない」っていう印象がありますが、実際に

・読譜や聴音ができない。

・コードの知識もない、スケールが何かもわからない。

・キーとは何か、ピッチとは何かわからない。

・拍子とは何か、ビートとは何か、グルーブとは何かがわからない。

・音価がわからない、メロディの崩し方やハモリ方がわからない。

…など、楽器をやっている人ならほぼ当たり前わかることでも、シンガーには全くわからないというのはよくあることだと思います。

大学や専門などという音楽を学ぶ場所ですら、ボーカルを専攻する生徒は楽器を専攻する生徒に比べると音楽理論の知識が非常に不足しているものだと聞きます。



で、結論から言ってしまうと間違いなく必要です。

というか

音楽なんだから必要に決まっているじゃん!

(歌から音楽要素抜いたらそれ歌じゃなくてポエムでしょうw)


この一言で完結しまうくらい、本来はシンプルな問いなんです。

いろいろな理由をつけて必要性を語ったり、利点をこじつけたりするのは容易いことですが、この話ってそもそも

「なぜ歌には理論が必要ないと考えられてしまったのか?」

その理由こそが話の肝なのですよね。

取り違えちゃいけないところなのに、なぜか忘れられている気がします。


利点はたくさんの方が既に書かれていることだと思いますので、

私の記事では

「なぜ必要ないと言われてしまったのか」というところから音楽理論の必要性を確認していこうと思います。



前の記事でも書きましたが、歌手は楽器であると共に奏者です。

楽器奏者なのになんで音楽分からなくていいのでしょうか?

考えられる理由を考え、大きく3つにまとめてみましたのでぜひ読んでみてください。



①音楽的側面以外の表現の幅が広すぎるから


私が思うに、一番大きな理由はこれだと思います。

歌詞や振り付け(ダンスや見栄)という武器があるので、音楽的テクニックが不足していたとしても感情を強調すれば人に感動を与える手段は大いにあります。

単なる楽器奏者にはこのようなアプローチができませんし、やれたとしても大きな制約があることでしょう。


演奏は歌詞がないからこそ、音とリズムにかかる比重が大きくなるのでより多くの練習量が必要になります。

(楽器では音楽理論の知識、あるいはそれらに裏付けられ洗練された感覚がないとアドリブもできませんが、歌では歌詞を変えたり発音に変化をつけることもできますからね)



②音を真似るだけなら理論が必要ないから


一般的に声は他の楽器と違い多くの修練を必要とせずに使うことができるものです。

練習しなくても音量やリズム、音の高低をほとんどの人が操ることができます。


楽器の場合はどうでしょうか??

ピアノでしたら、まずは音名を覚えてスケールから練習しますよね。

ギターならコードのフォームや構成音を覚えたりもするでしょうし、

ドラムならビートの知識もつける必要があるでしょうし、

ベースだってルート音が何かを分からなければつまらないでしょう…。

管楽器などではそもそも音を出すところから練習しなければなりません。


そう考えると、世の中のほとんどの楽器は演奏をしようとする時点で最低限の知識を求められたり、基礎の基礎からやり方を確認したり、教わったりをする必要があります。

これらがあるかないかでまるで知識が違うのもわかるでしょうし、


単なるシンガーと楽器奏者とではスタートの段階から大きな差があるのは否めない事実です。



③ボーカルのある曲では神輿(主役)だから


これはジャンルによって開きもあることだと思いますが、そもそも歌詞のある曲はボーカルが主役の場合がほとんどです。

必然的に他のパートはその引き立て役になることが多いでしょうし、

歌はそれらの伴奏に文字通り”乗っかる”形になります。


そこで必要になってくるのは果たして理論でしょうか??

それ以外の要素も多く求められるのではないでしょうか??

つまり①で説明した内容がより深く求められるのはこのためです。


カリスマ性だったり、圧倒的な存在感、音楽的要素以外のものの大部分を担うのがボーカル(つまるところ「楽器の奏でた音楽」という人工物の中に、確かに感じられる生の音、本物の生命、それが声)だと思うのです。



まとめ


以上の三点がボーカルに音楽理論が必要ないとされてしまっている理由なのではないでしょうか?

①音楽的側面以外の表現の幅が広すぎるから

②音を真似るだけなら理論が必要ないから

③ボーカルのある曲では神輿(主役)だから

要は感動させるだけなら別に演奏がうまくなくてもいいのです(笑)


ただし、そういう手段で歌う方のことを「シンガー(歌う人)」とは思いますが、「ボーカリスト(声という楽器の奏者)」ではないと思います。

それらの要素は、歌というものの素晴らしさ、奥深さを強調する所以ではありますが、「ボーカリスト」であるならその利点を最大限に生かし切った上で音楽をしてほしいと思います。


今日はここまでにします。

書いていたらちょっと熱が入ってしまったので、後日おかしなところがなかったか確認しながら追記したいな笑笑

ここまで読んでくださりありがとうございました^^

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Yoshiki /Vocal coach
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