前途多難の妊娠出産記(口唇裂編②)
妊娠6ヶ月目にして判明したお腹の子の口唇裂。今回はメンタル面についてのお話(前回の記事は以下リンクから)。
■口唇裂を受け入れるまで
自分は不妊をこじらせたせいもあり、妊娠・出産面に対してあまり前向きではありません(もちろん、子どもは欲しいし、生まれてくるのは楽しみなのですが)。
とにかく待ち遠しくてしょうがない!早く赤ちゃんに会いたい!というよりはお腹の赤ちゃんに何かあったらどうしよう…と不安になるタイプ。正直、エコーの時も何か疾患等のおそれを指摘されないか毎回恐々してました(そして綺麗に回収されるフラグ)。
指摘された際は流石にナーバスになり、「経過は順調?」「エコー毎回楽しみだよね、顔が見れて♡」という周囲の何気ない発言に対して(じゃあ順調じゃないですって言ったら、あんたどう反応すんのさ)(それは検診や経過も順調で、子供も何事もなく生まれてきたから言えるんじゃん…)と、どす黒い感情が沸々と湧き上がるのでした。もちろん会話のきっかけでしかないのは分かってるんだけどね…
その後は関連書籍を購入したり、ネット・ブログ・論文等から情報を収集することで、「時間はかかるけど、適切な治療を受けさせれば治すことができる」と、段々と気持ちを落ち着けられました。というより、「じたばたしたところで状況が変わるわけでもなし!」という割り切りに近い気持ちもありますが… 結局どんよりとしていた時期は口唇裂疑惑浮上から1週間程度でした。この開き直りのお蔭か(?)、後日の口唇裂確定の結果もそこまで落ち込むこともなく受け止めることができました。
また、産科や形成外科の先生たちの態度がそこまで深刻そうじゃない(尿蛋白の値の方がよっぽど気がかりそうだった)ところも「なんとかなるものなのだろう」という気になれました。
■皆が何もなかった訳じゃない?
一時期、口唇裂と切迫早産でややメンタルがやられてる際、妊娠・出産系のアプリ、ゼク●ィBabyやたま●よなどの記事から溢れんばかりのハッピーワード(可愛いベビたんに早く会いたい♡、世界一幸せなお洗濯♡etc.)」や写真にあてられて、「何事もなく妊娠・出産できるのが当たり前のように書いて、なんでこんなお花畑になれる訳?」と暴言を吐いたことがありました(ごめんなさい)。
すると、夫に「いや、逆でしょ。妊娠・出産って凄く大変だから、"こんなに幸せなことなんですよ!"っていう自己暗示と世間に対するアピールなんじゃない?ネガティブなことばかり書かれてたら、皆子供なんて産もうとしないよ」と返されて、衝撃でした。
皆そうでもしないとやってられないってコト…?!
そして切迫早産からの入院となり、周囲に状況を報告すると、出るわ出るわ妊娠・出産前後に関する深刻な話題の数々。
「実は顕微までステップアップして授かるまで数百万円かかった」「切迫早産で2カ月間管理入院、退院した当日に結局破水してしまって、子供は暫くNICU行き」「妊婦健診では何ともなかったのに、生まれてから希少難病が見つかった」「外出時はエピペンを持ち歩くほど重篤なアレルギーを持っている」などなど…
自身がトラブルに見舞われたことを話したからこそ、相手からも打ち明けてもらえることってありますね。確かに経過が順調なら、あえて混み入った話題を出す機会がないよなあ。
皆、表向きは幸せで何事もないように見えるので、「どうしてうちの子だけが…」って落ち込んでいましたが、蓋を開ければ何かしらの苦労や心配事があったり、悩みを抱えていたりするのだなと気付かされました。
不妊治療をしていた時から何度も味合わされましたが、改めて「妊娠・出産って本当に奇跡(むしろ何事もない方が珍しい?)だなあ」と思わされる今日この頃です。
■周囲へのカミングアウト
口唇裂が分かった後、「周囲へいつ・どのように伝えるか」は悩みました。
夫と相談の上、まずはお義母さんに伝えることに。さっぱりとした気風の方で医療従事者のため、疾患への認知もあり受け止め方もそこまで深刻にはならないだろうと、軽くジャブをいれる形で報告。「最近は綺麗に治るって聞くし大丈夫よ~、あんた(※夫)のお友達にも口唇裂の子いたじゃない」と想定通りのリアクションでした。よかった…!お義母さん経由で聞いたお義父さんにも「それも一つの個性だからね」とすんなり受け入れてもらえました。
さて、当方の両親は疾患自体も知らなさそうだし、特に母が心配性なのでこちらもきちんと情報を整理して、安心してもらえるような説明の準備が出来てからにしよ…と考えていたところ、うっかり形成外科の予約票を見られるという痛恨のミス!
すぐにフォローを入れましたが、両親も独自に調べてくれたようで「最初は驚いたし、治療も大変そうだけど、皆でしっかりケアして成長を見守っていこうね」と温かい言葉をかけてもらったので、安心しました。
お腹の子もほぼ週数平均通りに成長し、今のところ口唇裂以外には大きな問題もなさそうです。今、親としてできることは「疾患について知識をつけること」「きちんと心構えをしておく」ことしかありません。とにかく元気に生まれておいで~!