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前途多難の妊娠出産記(口唇裂編⑥)
口唇裂を持って生まれてきた娘。いよいよ口唇裂の手術を受けます!
■手術日
当日の順番がトップバッターのため、両親は朝イチで病院へ向かいます。指定時間に小児病棟前で待機していると、看護師さんがぶかぶかの手術着に包まれた娘(可愛い)を抱っこして連れてきました。
昨日の状況を聞きましたが、ミルクの飲みっぷりもよく、平常通りに過ごしていたそうです。肝座ってるね。
看護師さんから娘を受け取り、下の階の手術室まで抱っこしていきました。ちなみに、2番目以降の子は予め点滴処置を済ませてコットに乗せられ、手術室前にて親御さんと初めて合流できるそうなので、小児病棟へお迎えに行き手術前まで抱っこさせて貰えるのはトップバッターの特権(?)のようです。
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手術室前で先生達を待つ間、娘と最後の触れ合いを楽しみます。この日は本人のコンディションが良かったのか、お顔もふくふくで目がキラキラしており、いつにも増して愛らしく見えました。「こんなに可愛いのだから、手術しなくてもいいんじゃない…?」なんて気持ちがふっと過ぎりましたが、勿論すぐに打ち消しました。
生まれてからの4ヶ月、口唇裂のある顔をずっと慈しんできたので、この顔とお別れしてしまう寂しさや、手術した後の表情が想像できず不安な気持ちがあったのかもしれません。
先生や看護師さんと氏名や生年月日、本日の手術目的等の最終確認を終え、娘は手術室の奥へ連れて行かれました。あぁ、いよいよこの時を迎えたのだ。どうか先生お願いします…。
手術時間は麻酔から覚めるのも含めて2、3時間ほど。親は手術終了の連絡を頂くまで病院内で待機となるため、1階のカフェにて夫と共に待ちました。
お昼前には終わるかな?と思っていたところ、実際に手術終了の連絡を貰ったのは13時半、およそ4時間半後のことでした。12時を過ぎたくらいからはかなりソワソワしてました…。
3階に行くと、まずは待合の部屋に通されました。主治医の先生がお越しになり、無事手術が成功(口唇顎裂の縫合や小鼻の形成が完了)したと、手術過程の写真をPC画面に表示させながら丁寧に説明して頂きました。
部屋を出ると、いよいよ娘がストレッチャーを兼ねたベッドで運ばれてきました。最初は声をあげてグズグズしていましたが、我々の顔を見た瞬間に安心したのか落ち着きを取り戻しました。
沢山の管に繋がれて痛々しい見た目になっているかと思っていましたが、点滴・酸素マスク・呼吸心拍モニター・抑制筒のみ装着されていて、正直想像よりはずっと元気そうな姿でホッとしました。
病棟の部屋へ戻った後も脚をジタバタしていて、順調に回復しているようでした(ちなみに酸素マスクはがっつり装着している訳でもなく、吹き流し程度にするくらい)。
手術後は実質面会という形になるので、15分経過したら帰らないとなりません。ただ、上記の通り本人も痛がっているような素振りもなく割とケロッとした感じだったので、落ち着いた気持ちで帰宅することができました。
夫と遅めの昼食を食べつつ、「ついにうちの子も他の子と変わらないような鼻・口になったのかあ」と感慨深さを覚えました。
■入院中の様子
この週に夫も連続休暇を取得したので、基本は2人で面会に行きました。
術後1日目
・到着時は電動ベビーラックでうとうとお休み中。乗せられていると落ち着くのか、面会時は大体この格好にされていることが多かったです。
・軽く出血しているのか零れている涎が少し茶色くて焦りましたが、この日以降は見られませんでした。
・浮腫が出ており少し疲れたような表情をしているものの、自宅でも使用している口唇口蓋裂児用の専用哺乳瓶で900mlもミルクを飲んで元気いっぱいだそうな(そのため、既に点滴も外されていました)。自宅でもこんな量を飲んだことがなかったので驚き!排泄も問題なく出来ており、普段の様子と変わらないようです。
・基本面会時はベッドから降ろして抱っこをしながらスキンシップしたり、看護師さんとお話することがメインでした。おむつ替えや沐浴はさせていません。
・ベッドには寝返り防止用でU字型にしたバスタオルが敷かれていました。
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術後2日目/3日目
・2日目は浮腫も昨日より収まりつつあり、3日目の診察では、唇と歯茎が綺麗に繋がっていると確認されました。発熱も3日目以降はなくなりました。
術後4日目/5日目
・日に日に慣れも出てきて落ち着いてきた様子。看護師さんにも笑顔を見せるほど余裕が出てきました。
・経過も順調で予定通り退院できるとのことなので、退院前日には自分たちの手で授乳にチャレンジ。裂が塞がれたことで吸引圧がかけられるようになったのか、ミルクの嚥下が力強くなり驚きました。よく飲みよく寝て看護師さんの手を煩わせることも少なかった様子。
入院時の描写があっさりしていてすみません…というのも、面会時間が15分だけというのはありますが、少なくとも見に行ったときは基本泣くこともなく、穏やかに過ごしてたので特筆事項がないのです(勿論良いことなのですが!)。看護師さん達が優しくケアしてくださったので、大変有り難かったです。
ちなみに、ミルクの飲みが悪い場合は点滴が継続されるようなので、術後の回復具合なども個人差があるのかもしれません。
■入院中の親の状況
1週間完全に育児から離れることになりますが、この間に親は何をしていたかというと、なんと引っ越しをしました。
里帰り終了後は両家の母親に週1、2回ほどの頻度でサポートに来て貰っていましたが、結構な負担を掛けさせてしまうため、申し訳なさがありました。また、東京都の方が子育て支援も充実しているため、「いつかは引っ越しした方が良いだろう」とぼんやり考えていたところ、たまたま私の実家の近くに良い間取りを見つけたため、半分勢いで引っ越しました。
もともと育児中の隙間時間で部屋のレイアウト変更・物の断捨離を地道に進めていたこともあり、内見からほぼ1ヶ月(荷詰め期間は3週間)という短いスパンにも係わらず、なんとか引っ越しすることができました。
振り返ればかなり無茶な行程でしたが、両家実家からも近くなったことで更にサポートをして貰いやすくなったり、子育てするには以前の家より良い環境になったのでこの機に移り住んで正解でした。
更に来年度からは第一子の保育料が無料になるという朗報も!有り難い限りです。
次回は退院日以降の様子について記載します。