見出し画像

【観光の大問題】本当は誰も行きたくない修学旅行


修学旅行にはさまざまな問題がある。今回は、催行する側の目線で考えてみたい。

教師にとって修学旅行は負担

修学旅行はなるべく週末直前に行われることが多い。そうすることで、教師は週末にゆっくり休めるからだ。もちろん例外もあるが、多くの学校でこのスケジュールが採用されている。

しかし、そもそも教師は修学旅行へ行きたくないのが本音だ。その理由は明確で、修学旅行に行くとその分仕事が滞るからだ。さらに、ほぼ24時間ずっと生徒と一緒にいなければならず、精神的な負担が大きい

以前は旅行会社の添乗員がいろいろと教師のサポートをしていた。しかし、今では添乗員に過度な負担をかけることができなくなったため、教師自身の負担が増えている。昔から教師をやっている人は慣れているかもしれないが、最近の教師は修学旅行に対して否定的な意見を持っていることが多い。

※私の「思い込み」ではなく、友人の私立高校教師の意見から。

添乗員の視点

添乗員の立場から見ると、昔に比べて教師のお世話をする負担は減った。しかし、最近では教師が生徒そっちのけで自分たちが楽しみ始めるケースもあり、結局のところ添乗員に任せっきりになっている場面が多い。ディズニーランドなど、名ばかりの「本部」に座らされて、「じゃあ行ってきまーす」といってどこかへ行ってしまうケースしか知らない。

今から20年ほど前だろうか、生徒が就寝した後、教師が一堂に集まって、その日1日の様子を報告し合う。ところが、当時はここで添乗員がビールやジュース、お菓子、(広島なら)お好み焼きを買いに走り、先生たちに振る舞っていたのだ。今でこそ、添乗員は時給なのでチーフ添乗員以外は部屋に戻れるが、当時は地獄だった。

先生たちも眠い。生徒より早く起き、深夜も見回りするのだから。反省会の時にこっくりこっくりする先生も多かった。

さらに言えば、各階や廊下で毎晩深夜遅くまで見張るなんて、刑務所じゃないか。馬鹿馬鹿しい。教師の立場でも、生徒の立場でも、そして添乗員の立場でも、「アホか」と思う。

一般旅行者にとっての迷惑

修学旅行は教師や添乗員にとって負担が大きいだけでなく、一般旅行者にとっても迷惑な存在になっている。

例えば、沖縄や長崎、広島などの観光地に行くと、修学旅行生の団体であふれており、落ち着いて観光することが難しい。私自身、旅行の計画を立てる際には必ず「修学旅行生はいませんよね?いつ頃なら重なりませんか?」と確認するほどだ。

さらに迷惑なのが、「現地で見かけた外国人観光客に質問してみよう」という学習活動である。これは本当にやめてもらいたい。断るのも難しいし、決まったスケジュールがあるのに時間を取られる。しまいには、何の関係もないのに通訳までさせられることもある。

私自身、東大寺で同じグループといたときに、2回も別々の修学旅行生に呼び止められて質問に答えさせられたことがある。教師側は自己満足かもしれないが、見ず知らずの外国人観光客に話しかけるよう指導するのは大迷惑である。

修学旅行の廃止を提案

そもそも、旅行は自分たちが行きたいから行くものであり、学習目的とはいえ、世間の迷惑になるような修学旅行は廃止すべきではないだろうか。

特に、修学旅行でしか利益を上げられない旅行会社が存在するなら、それはもう破産するべき時期なのかもしれない。

本当は、添乗員も修学旅行の仕事には行きたくない、教師も修学旅行に行きたくない、生徒も修学旅行に思い入れはない、親は家計の負担になっていると考えれば、修学旅行が嬉しいのは旅行会社だけということになる。

いいなと思ったら応援しよう!