2歳児と始めるマレーシア生活奮闘記-子育て環境にはお得感があるけれど、文化の違いに悩む日々(現在進行形)
初夏に日本へ一時帰国したとき、改めて「小さな子どもを連れて入れるお店の少なさ」を実感しました。
ファミレスや回転ずし、モンテローザ系の居酒屋が主な選択肢。
べるべるパークなどのキッズカフェにも行きましたが、大人2人と子ども1人で3時間パックが約1万円!
すっごい楽しかったのですが、その代償として、お財布には厳しかったです。
それに比べて、マレーシアのキッズカフェはとてもお手頃です。
子どもの利用料はだいたい500~1000円で、保護者料金があったり、または、一定額を使うかワンドリンク制というパターンもあります。
よく聞くのは、Publicaの「The Little Owl Korean Cafe」やPlaza Arkadiaの「Noriter Cafe」、Pavilion Embassyの「Kids Clubhouse」、ららぽーとBBCCの「Ngam Ngam」あたりです。
友人ファミリーと一緒に行けば、子どもたちは遊びに夢中、大人は会話に集中できて、約2000円。
気軽にリフレッシュできるのがうれしいですね。
保育施設も充実していて、保育園も幼稚園もたくさんあるし、その中間のようなプレスクール(preschool)もたくさんあります。
タイミングが合えばすぐに入れることも多く、日本の都市部でよく聞く「保育園に入れない」という悩みはまったくありません。
費用はピンキリですが、クアラルンプールのインター校併設系や、ローカルだけど意識高い系のプレスクールなら、月額5~8万円くらいが相場という感じでしょうか。
日本の保育園や幼稚園と比べると高く感じますが、英語環境や多言語教育、モンテッソーリや国際バカロレアなど、教育方針が選べることを考えると、お得に感じますね。
しかも、朝食・昼食・おやつ、オムツに写真付きの連絡帳アプリまで含まれているので、子育てに優しい環境だなと思います。
最近は東京でも増えてきたようですが、その費用は月額10万~20万円となかなかの金額です…
さらに、小さな子どもを連れていても、ほとんどの飲食店で歓迎されるのがマレーシアの魅力です。
少々騒いでも、周りの視線を気にせずに過ごせるのは、子ども連れには本当に助かります。
ほかにもおもちゃが安いとか、子ども服が安いとか、良い面はたくさんあります。
それだけ子どもが多いし、社会に受け入れられているということなんだと思います。
日本には「子育て罰」なんていう悲しい言葉がありますが、マレーシアにはありません。
さて、少し気になって調べたのが人口構成です。
日本:出生数は2022年に79万人を下回り、合計特殊出生率は1.26(世界平均2.4)
マレーシア:出生数は2022年で約43万人、合計特殊出生率は1.7で、近年低下傾向
日本の方が子どもの数は多いように見えますが、マレーシアの人口は約3200万人と日本の約1/4なので、人口に占める割合で考えるとマレーシアの子どもたちの存在感は大きいです。
この辺りは「産めよ、増えよ、地に満ちよ」という宗教的な教えの影響もあるようですね。
ただ、その一方で、文化や習慣の違いには戸惑うことも多いです。
モラルやマナー、他者へのリスペクトや感謝など、子どもの倫理的・道徳的な教育への影響が気になることがたくさんあります。
これらは、マレーシアで子育てをする中で大きなしこりになっています。
たとえば、ゴミをポイ捨てする人が多かったり、タバコをどこでも吸って火が付いたままポイ捨てしたり、真夜中に打ち上げ花火をやってみたり。
実は、人種差別も結構あります。
マレーシアは外国人労働者がとても多いのですが、「外国人に仕事を奪われた」と主張する人も結構いるんです。
この人種差別問題は現地の人に詳しく聞くことができたので、別で書いていきたいと思います。
時間感覚の違いもストレスです。
何事も時間通りに進みません。「人生大渋滞」という感じです。
マレーシアは水回りが致命的にダメでどうしようもないですが、水漏れが起きると、1日以上、滝行する羽目になります。
修繕業者が半日程度遅れたりドタキャンするのは日常茶飯事で、いつ来るかわからないんですよね。
水漏れする天井を見つめながら、連絡もなく、何時間も待たされるのは本当にストレスです。
また、修繕も「その場しのぎ」が当たり前。
上の写真は天井裏のパイプの水漏れですが、このときの修繕方法は、「ティッシュをちぎって瞬間接着剤で捏ねて貼る」でした。
いや、もう、ね… こんな感じじゃ何度でも水漏れしますよね…
加えて、公共の物は修繕されずに放置されることが多いです。
上の写真は工事が放置されている状況ですが、もっと大規模に「ゴーストシティ」になっているところもあります。
You Tubeでもたくさんの動画が見つかるので、ぜひ"Malaysia ghost city"で検索してみてください。ゾンビ映画の撮影現場で使えそうなところです。
一応こちらは法人税を格安にして経済特区として再生を試みているようですが、最近始まった施策なので、どうなるかわかりません。
熱帯ならではの"命の循環が速い"という自然の特徴や、イスラム教の「インシャラー(神の意志次第)」という価値観が背景にあるようですが、ある種の諦めのようなものも感じます。
子育て環境の便利さを満喫しつつも、こうした生活や文化の違いを目の当たりにすると、息子がこの地でどんなふうに育つのか、考えさせられる日々です。