アビガンは承認されないと使えないという誤解に対して

アビガンの5月中の承認を断念というニュースがありました。

アビガンについては、当初投与の前に院内における倫理審査委員会での承認が必要であるなど、観察研究への参加手続きの煩雑さなどが指摘されており、必要と判断した患者にスピーディーに投与できないという現場からの声もありました。

それを改善し、5/4に発出された厚労省の事務連絡にて患者の同意を得たうえで医療機関内にて適応外使用に係る手続きが完了していればアビガンの投与が可能であることが明確化され使用しやすくなりました。(観察研究への登録は必須だが、事後で可となった)

早速福岡県で5/11に、福岡県医師会が認めた医療機関で高齢者や、基礎疾患があって重症化の恐れがある患者に現場医師の判断でアビガンの投与が可能となっていると報じられています。

また、アビガンの医療機関への納入は、アビガンの供給に関する希望を窓口に依頼の当日または翌日に速やかに行われています。一部報道では政府関係者や所謂「コネ」のある人間だけがアビガンの投与を受けられるという情報があたかも事実のように流れていますが、関係当局にはしっかりと否定していただきたいと思うしそれを報道するべきだと感じます。

なにかと非難される厚労省ですが、この迅速な対応は評価されるべきだと思います。

もちろんアビガンの有効性についてはまだ結論が出ていないため早計な判断は慎むべきですが、現場の医師にとっては治療の選択肢が大いに超したことはありませんのでこのような体制が整っているのは良い事だと思います。

根拠となる出典
5/4厚労省事務連絡:新型コロナウイルス感染症に対するアビガンに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供について

https://www.mhlw.go.jp/content/000627594.pdf