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OUR PRODUCTION with ハイライフ八ヶ岳2020

VEJがハイライフ八ヶ岳2020をやった理由

ミッチェです。
ハイライフをやった理由とあるが厳密にいうと、VEJは共催なので、主催はアースガーデンになる。そしてVEJはイベント運営制作については素人だ。それでも、ハイライフ八ヶ岳には一昨年から主にWEBやチラシなどのデザイン制作として携わっている。

VEJのハイライフ八ヶ岳2020というプロジェクトは遡る事昨年末から始まっている。

2019年は生憎曇り空の中で開催された。絶景フェスと名を打ってるわりに来た人に絶景を見せる事が出来なくて残念でいた。
しかしながらそれでも空気のおかげか標高のおかげか絶景を感じてくれた人もいたのだ。

なので今年は、その雲の中より上を目指すようなそんな願いを込めてビジュアルコンセプトからスタートした。

そして、
「観たい景色、聴きたい音楽は雲の上」
というキャッチコピーが出来た。これは今年VEJと出店してくれたイヌブックスのいくちゃんとVEJ柊子が考えてくれたものだ。

そしてデザイナーキムラダイゴの手によって、空に八ヶ岳が浮いたビジュアルが完成。

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そして今年2月、3月にかけて出演するアーティストが発表された。
そこには、かねてより主催アースガーデン南兵衛さんと共に要望していたROVOとクラムボンが含まれている。
ROVOは、言うまでもなく俺がVJを始めた10年以上前から大先輩だ。かつてROVOのVJを務めていた迫田悠さんを見て俺はVJを始めたのだから。そして小淵沢のスタジオと縁の強いクラムボン、とりわけ原田郁子さんには山梨に移住する前から、北杜市のオススメのお店や情報を教えてもらっていた。そして当日、本番直前に「もう移住して4年も経ったよ。そして山梨にもたくさん友達が出来たよ。」と郁子さんに伝えれた事、それが嬉しかった。

そう、俺は多少ハイライフのブッキングにも携わっている。
今年はというと、甲府出身のermhoi、からのMONO NO AWARE、Ovall、キセル、大宮エリー、田我流など。たくさんの縁と協力があって山梨に来てほしいアーティスト、また山梨から届けたいアーティストに南兵衛さんと相談してブッキングをしている。今年はトークステージにBEEKの土屋さんとかえる舎のかずま君にも参加してもらった。

そして、4月、コロナウイルスによる緊急事態宣言だ。

生活が一変してしまった。
VEJも全社在宅勤務となる。

それでも我々はインターネットを使った仕事なので、大きな影響はなかった。もちろん、案件の延期や中止などめちゃくちゃになったが、その中でネットショップの立ち上げなど、様々な案件を受けていた。もちろん、案件じゃない事も積極的に取り組んでいた。

5月、さあどうするかハイライフの7月開催。まだブッキングも半分くらい、フライヤーも出来てない。チケットの売れ行きも伸びない。そして何より"自粛"という中だ。

ちょっと話を変えます。

VEJの広告制作という仕事は、お客さんから制作の依頼を受けて要望の物を作るというのが通常業務だ。
そう、広告というものを通じて、お客さんの思いを人に伝えるための仕事だ。
そして、制作したものが人を感動させたり、気持ちを動かすことが出来るって信じてる。
そう思って物作りをしているのである。

ハイライフ八ヶ岳は冒頭の通り共催という形なので少なくともプロデュースする立場である。VEJの通常業務とは異なり、何を伝えるかそれを考える方だ。

ハイライフ八ヶ岳で何を伝えるか、それがVEJのハイライフ八ヶ岳における仕事なのである。

それは、
●山梨の良さを伝えたい
●そして素晴らしい音楽を山梨に届けたい
それに尽きる。

そう、それが5月当初、どうしても出来るとは思えなかった。

フェスどころじゃない。
東京山梨間を移動出来ず、飲食店は営業が出来ない、みんな自粛を強いられていた。人に会う事を警戒しなきゃならない。そんな状況で2ヶ月後のフェスなんて考える事が出来なかったのである。
なんの解決策も出せないまま、フジロックをはじめとする数々のフェス中止と、関東で残るフェスはハイライフのみという状況になった。
南兵衛さんとは連日連絡を取り合い、地元のミーティングではかなりシリアスな打合せを繰り返した。
風評被害が起こったらどうするんだ、など。
そこで、実行委員である地元の面々がサンメドウズ清里に働きかけて延期の可能性が浮上したのだ。

そして6月末、9月への延期が決定した。
この時点でも俺は開催出来ないと思っていた。

しかしながらアースガーデンはイベントを諦めなかった。7月11日ハイライフ八ヶ岳が開催されるその日に国や東京が定めるガイドラインに沿う形であきる野のキャンプ場にてROVOのワンマンライブを開催したのだ。

俺はVEJとしてではなく、いちVJとしてオファーを受け当日参加したのである。

ステージの前に距離を取って置かれた椅子、消毒、検温など、感染症対策を行なっていた。ぶっちゃけた話、椅子で距離を取って大人しく聞くライブなんてライブじゃないと俺は思っていたが、リハーサルで音を聞いた瞬間、これで良い、って思ったのだ。
配信じゃ感じられない、音圧。
アーティストの真剣なパフォーマンス、音響、照明など裏方さんの真剣な眼差し、これで十分って思ったのだ。
そして本番、一部酔ったお客さんがいたが、勝井さんがMCで言った事が胸に刺さった。
「あのころと同じじゃダメなんだよ。ここは、新型コロナが感染拡大するまえのフェス会場じゃないんだ。」
そう、もう戻れない、新しい形を作らないといけないんだと。

そして、8月、感染拡大とは裏腹に進められる政府の経済活動推進。
気持ちと行動がバラバラになりそうだった。それでも不安を持ちながら様々な経済活動が再開されていった。

中でも地元飲食店の勇気と覚悟に元気づけられた。
時短営業、テイクアウト事業やオンライン販売など、多様な方法でコロナに負けないように頑張っているからだ。

ウィズコロナって口で言うほど、簡単じゃないんだよ。今まで当たり前だった事に気づく所からスタートして場合によってはそれを壊さないといけない。色々な人の努力を見た事で、俺は9月ハイライフ八ヶ岳をやってみようと思ったのだ。

今年のハイライフ八ヶ岳でVEJは何を伝えたいか、それはウィズコロナである事は明確だった。

それから運営統括である木村さんが作ったガイドラインにも、様々なフェスを参考にしながら口を出させてもらった。

感染状況に応じてガイドラインも変えていく事を明記した。そして、順次更新していく、そこはWEBの強みである。

そうして、ガイドラインを記したハイライフ八ヶ岳の感染症対策「コロナ時代のフェスのお作法」の草案が完成。
ちなみにこの「お作法」という言葉は、アースガーデンが主催したライブフォレストにてライターの葛原さんが考えたものだ。ガイドラインとか、ルールとか、ではなくなんとなく優しい気持ちになれる言葉でとても良い。

そしてVEJは、ガイドラインをデザインするべくまずは、デザイナー山形(ニゴ)によるアイコンを使った物が完成した。

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指示通り一生懸命作ってもらったのだが、俺は何かもの足りなかった。多分、対策のデザインが当時の施設などでよく見るような物だからかもしれない。ある意味わかりやすいのだけど。
悪く言えばちゃんとやってる風だ。(ニゴ怒らないでね。。)

で、ちょうど自宅で作業していた時に、デザイナー・イラストレーターである嫁にアイデアを相談してみた。すると、ササっと彼女が書いたイラストを見て、「そうそう!これこれ!」となったのである。それから約半日でイラストを仕上げてくれた。

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https://hi-life.jp/covid-19/

八ヶ岳には動物がたくさんいる。そんな動物達が八ヶ岳でガイドラインを守って来てくれる事をお願いしている。そんな感じだ。

オフィシャルサイトのトーンとは違うイラストで目を引きながらもインスパイアはハイライフなのでバランスを取れている。そして何より可愛い事で対策ルールが押し付けがましく無い。

とても好評だった。今では、いくつか他のフェスサイトでも似たようなデザインが見受けられる。嬉しい。

このイラストでシールも作った。山梨の飲食店で店頭などに貼ってくれているので探してみて欲しい。シール自体が欲しい人はうちのオフィスに来てもらえればと。

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そしてこの感染症対策は、週に一回のペースで更新およびSNSで告知を続けた。
対策の内容として、とても大事だったのは、COCOAアプリのインストールと個人情報を把握。感染がわかった場合まずは参加者全員に連絡が取れる状態でいること。そして3000人規模ともなれば濃厚接触者の特定は難しい。だからこそのアプリだ。
実は始め個人情報の取得は現地で記入してもらう予定だった。しかし万が一連絡の提出が必要になった場合、3000人手書きの情報を渡す事になる。それを受け取ってくれるかどうかも怪しいが、いずれにせよ書き起こしが必要になる。そんな事をしてる間に感染拡大したらダメだって事で、とても参加者には面倒だけど、事前にメールフォーム記入を促した。約3週間前にだ。ほんとに協力ありがとうございます。約8割以上の人が事前に記入をしてくれていた。もちろんフォームには、ハイライフ八ヶ岳感染症対策を読んでもらう事、同意してもらう事も必須条件だった。それが少しばかり感染症対策の周知につながったかもしれない。

あとは、出店者の人に向けzoomによる説明会をお願いした。説明会の内容はガイドラインの説明はもちろんのこと、大事なのは感染を防止するという気持ちを持ってもらう事だった。というのは、厳密にルールを決めると、誰も出店出来なくなる可能性があった。飲食、出品、ワークショップなど約50を超える様々なかたちの出店者に厳しいルールを決める事はできなかった。だからこそ出店者自身が自分達の思う形で感染しない方法を考えてもらうしかなかったからだ。そんな事を出店担当の田川さんに相談して、とても気持ちのこもった説明会を開催してくれた。時間の無い中、参加してくれた出店の方々にも感謝です。

あとは今年も当日配布のガイドマップの作成や現場で使用する各種サインの作成、ポスターやシール、今回はうちわなど色々作った。

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そしてVEJは、カメラマンのコーディネイトもハイライフでしている。
写真はデザインする上で最も重要だ。県内のカメラマンを含め、例年参加してくれている人や今年は急遽参加してくれたカメラマンもいる。フェスに慣れているので俺はとっても頼りにしているのだ。今年のフォトギャラリーはとても素晴らしい写真の数々なので期待してほしい。

それと今年はプロモーション映像も作った。

そんなこんなで、開催直前準備を迎える。

今回VEJから、MAHBIEが田我流のステージとソロでDJとしての出演、マイケルが2日目のDJ、俺が新しくできた焚火ステージで初日nego含めVJ、2日目はトリのROVOでVJ出演だった。あとはVEJ MARTとして自作のグッズを出店していた。

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VEJ MART : https://vejmart.thebase.in/

そしてオフィシャルにも書いてあるけど、実は設営時、運営スタッフに発熱者が出たのである。夜、実行委員と数名のスタッフが呼ばれ緊急ミーティングが行われた。既に発熱したスタッフは、PCR検査を受け、熱は下がったものの別の宿泊施設にいること、接触者と思われる運営スタッフは隔離状態にいること。検査結果が出るのは翌日だ。
直前にして中止か、、、そんな事も思ったが、
結論、検査結果が出るまで接触の疑いのあるスタッフは隔離のまま進行することになった。なのでハイライフの主要スタッフは隔離状態のまま全員遠隔で指示を出す事になった。そこで急遽共催のZaigoo incのメンバーがフル稼働をする。VEJは現場では役に立たない。とりあえず俺は広報土田さんが考えた陽性結果が出た場合の報告書を一緒に詰めることしかできなかったのである。迎えた翌日、結果は陰性だった。

1日目、驚いた事にお客さんはほぼみんなマスクをしていた。ハイライフステージも八ヶ岳ステージもみんなガイドラインを守ってくれている。出店に並ぶ人も距離を取ってくれていた。しかしながら夜、焚火ステージが混雑していた事は否めなかった。それでも密を気にしてくれていたり、声をかけてくれたりしてる状況はほんとに大事なことだった思う。
そして夜は満天の星空だった。

2日目、天気は曇り。曇りというか雲の中。
雨は降らずとも昨日と変わらず、ゆったりといた空気が流れている。

会場はとても広い。各々が好きな位置で音楽を楽しむ事がハイライフ八ヶ岳は出来るのだ。ステージ前だけがフェスの楽しみでは無い事を実感する。
子供を膝に抱えて椅子でのんびりと。なんて感じで。
実は初日からゆっくりライブを見る事が出来なかったのだが、クラムボンだけはしっかり見届けたかった。なんとなく一番後ろの客席まで行ってみた。すると、寝転がっていたお客さんが、「本当に来て良かった」と言っていた言葉をふと聞いて、俺は泣いてしまった。

今年フェスに行くという事は、多分参加する人それぞれの思いがあるはずだ。それはフェスに迎える側もみんな違う思いがあるはず。それでもこの2日間同じ音楽を聴いて、同じ場所にいた事で、言葉に出来ない同じ気持ちを感じる事が出来たんじゃないかと思っている。そして少しでも山梨という場所のことが思い出になってくれていたら嬉しい。

そして、開催より2週間が過ぎた。
感染したという報告が無い。

感染が無かった事が成功というわけでは無い。
コロナウィルスはまだ無くなっていない。
いつか感染するかもしれない。
ハイライフ八ヶ岳の成功は、みんながそれぞれのバランスで、コロナと向き合った事だと思う。

最後に、今回、VEJとしてハイライフ八ヶ岳で何か伝える事が出来たとしても、我々だけでは当日行動に移す事までは出来なかったと思う。
アーティスト、出店者、お客さん、スタッフ、そして来れなくても見守ってくれていた人、みんなのおかげです。
ほんとにほんとに感謝します。
ありがとうございました。

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photo by 丹澤由棋、高野一幸、平林岳志、古厩志帆、高橋良平、片岡一史

ハイライフ八ヶ岳2020 https://hi-life.jp/

ハイライフ八ヶ岳2020開催を終えて2週間の確認と報告

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