VEILANCE購入品レビュー
最強の普段着、VEILANCE
VEILANCE。シャープでクールな字面である。尤もシャープでクールなのは字面だけではない。エッジの効いたカッティング、クオリティの高い縫製、あらゆる気候に対応する機能的な素材。そうした細部へのこだわりと機能性をこれでもかと詰め込んだVEILANCEのアイテムの数々は元来縫製や素材に定評のあるアウトドアブランドであるARC'TERYXの上位ラインとしてふさわしい。
VEILANCEのアイテムは男ウケするカッコ良さに満ちている。しかし、女には全くと言っていいほどモテない。こだわりのカッティングや縫製、機能性といったVEILANCEを構成する要素は女相手にはむなしく空振りする。
しかし、別に常日頃から女ウケを狙いに行く必要もないだろう。我々の日々をハレとケの日に分けるのなら、VEILANCEは何でもないケの日常を快適に過ごすために存在する。
本レビューでは私veitarouが現在デイリーユースしているVEILANCEのアイテムを紹介する。
☆印がついているアイテムは特におすすめで、マストバイ級と勝手に思っているアイテムである。
◎アウター部門
・Patrol Down Jacket☆
VEILANCEの中でも最強と名高いダウンジャケット。
このジャケットはゴアテックスプロで風雨をシャットアウトし、850フィルパワーの高密度ダウンで保温するため、北海道など極寒の地の真冬でもTシャツの上にこのジャケットを一枚羽織るだけで余裕で暖かいという化け物スペックである。
しかし、最強と呼ばれる所以は単に暖かいという点にあるのかと問われればそうではない。ゴアプロとダウンを合わせたジャケットならNode Down Jacket, Monitor Down Jacket, Altus Down Jacketなど他にもあり、それらはPatrolと同等の保温性・防風性を有する。ただ、それらのジャケットは全てゴアテックスのシェル部分とダウンのインサレーション部分が一体となっており、分離できない。Patrol Down Jacketの優位性は現行のVEILANCEで唯一シェルとインサレーションが分離できる点にこそある。というのは、ゴアテックスのシェルとインサレーションが一体となっている場合、インサレーションが吸水した水分を洗濯機で脱水することが難しいため、大変洗濯がしにくいのである。
(参照:https://note.com/nnbtar/n/nd94e72e8ec4c)
一体型の方が見栄えがいいという利点はあるのだが、冬に数ヶ月着用するのであればゴアテックスのシェル部分はシーズン中に何度か洗濯したいところであるから、シェルとインサレーションは分離できた方が機能性が高い。メンテナンス性はデイリーに着用する上で非常に重要なポイントである。
また、分離によって洗濯が楽になるだけでなく、シェル+インサレーション、シェルのみ、インサレーションのみの3通りの着方ができるため、真冬だけでなくオールシーズン着用できる点も強みである。
そして、このジャケットは機能性だけでなく見栄えもかなりカッコいい。特に好きなポイントは少し高めに位置するポケットからすぐ下のポケットに繋がるラインの回収の仕方、右上腕部の何を入れるかわからんポケット、インサレーション部分のシェル部分と接続するボタンをしまいこめるギミック、シェル部分のフードの襟の立ち方の4点。
半端丈で流行りの長さではないし、一見地味でユニクロみたいだが、よく見るとアイテム自体の出来は大変素晴らしいというVEILANCEらしいアイテム。普段着としてこれより良いアウターは存在しません。最高!
・Monitor Down Coat(売却)
ゴアテックスプロ+ダウンの一体型コート。見た目や機能性は最高だが、先述の通り洗濯だけが難点だった。自宅で洗濯するのが怖すぎて1シーズン着ないうちに手放した。
・Monitor Coat(売却)
ゴアテックスの中綿なしコート。ゴアプロ、薄めのゴア、Shakedryの3型が存在するが、ゴアプロのを購入した。高級雨ガッパとして活用していたが、後にPatrolを購入し、Patrolのシェル部分と役割が完全に被ったので放流。
MonitorはPatrolと同様、襟の立ち方が大変良い。丈が長いので雨が降ってもほとんど濡れずに済むので、雨ガッパを一枚買うならこれ。
・Field LT Jacket(売却)
ポケットの角度、全体のバランス、腕周りのカッティングと完璧なデザイン。M65をベースとした恐ろしくカッコいいゴアプロジャケットである。しかしシェルに関してはPatrolを後に購入したため、役割が被り売却。
・Mionn IS Jacket☆
化繊中綿インサレーションジャケット。アークインラインのAtomとほぼ同じだが、ロゴがない、カッティングがより洗練されているなどの要素にオタクくんもニッコリという出来である。しかしそうした地味な要素の積み重ねにプラス数万円を払う価値があるのかと問われれば答えに窮する。
とはいえこれは最もオキニのVEILANCEのアイテムの一つである。スッキリしたミニマルなシルエットで着ぶくれ感がないのに、ちゃんと暖かく機能性も十分。大体5-10度くらいまではMionnでOK。表地はゴアじゃないので手入れも楽勝で、洗濯機に放り込んで脱水までできる。
サイズ感だけは注意が必要。VEILANCEのアイテムの中では小さめの部類であるため、普段のサイズよりワンサイズ大きめのを選ぶことをおすすめする。
・Arris Jacket☆
とんでもなくシルエットがきれいなマウンテンパーカー。VEILANCEを代表するアイテムである。素材はc~knitという肌触りの良いゴアテックスを使っているので、薄着になりやすい春夏でも取り回しが良い。マストバイ中のマストバイである。
・Nemis Jacket(売却)
非常に使いやすい薄手のブルゾンであるが、ヘビーユースにより首周りのゴムが秒でよれてくる。価格がユニクロなら使い捨てもやむなしと思えるものの、価格がユニクロの10倍するので許容できるわけもなく手放した。
・Indisce Blazer
ゴアテックスインフィニアムのジャケット。こういうジャケットを着て出かけることがないのでほぼ使ってないが、万が一のために一応残している。
・Blazer LT(売却)
テラテックスのジャケット。ほとんど使わないので手放した。
◎トップス部門
・Graph Cardigan
取り回しのいいブルゾン。カーディガンというよりは薄手ウールのMA-1である。着心地がいいので部屋着にしているが、これはVEILANCEである意味はそんなにないかも。ユニクロで十分と思う。
・Metre LS Shirt☆
薄手の長袖シャツ。非常に良い。マストバイ中のマストバイ。シャツは肌に触れて何度も着用するものであるから頻回の洗濯に耐える性能が必須であるが、このシャツは何度洗濯してもへたる気配ゼロである。惜しむらくはワンシーズンでディスコンになってしまったこと。それゆえ球数が少なく、2次流通にはほぼ出回らない。メルカリなどで見かけたら確保必須である。5枚くらい買っておくべきだった……。
◎パンツ部門
・Align MX Pant☆
2本所有。毎日履いてる。生地の厚さが秋冬にちょうどいい。室内でも暑くなりすぎないのがgood.デカいカーゴポケットに何でも入れれるので便利。
・Spere Pant☆
2本所有。毎日履いてる。Align MXが暑くなってきたらこちらに切り替え。真夏でも余裕。ややワイドで生地が薄いので履き心地が良くて最高。
・Convex Pant(売却)
Spereと役割が被ったため手放した。細身で窮屈なのとベルトが必要なのがダルい。
◎その他
・Bucket Hat
全身テックに合わせると不審者感がエグいのでほぼ使ってない。たまに不審者になりたい気分の時に装備している。
・Nomin Pack☆
最強のバックパック。雑に扱っても良いので日常使いにちょうどいい。死ぬほど丈夫なので壊れる可能性は低いが、万が一壊れたら同じものを買うだろう。それくらい気に入っている。
結語〜オタクくんのユニフォーム〜
我々は忙しい。故にケの日までいちいち服装を考えたくないというのが実情であろう。したがって何でもない日の服装は固定してしまうのが合理的である。
何かを選ぶとは、別の何かを選ぶ可能性を捨てることである。日常着の大枠をVEILANCEで固定してしまえば、毎日の服の選択だけではなく、服を購入する際の意思決定コストすらも削ることができる。服を固定していては流行の移り変わりにより時代遅れなダサいヤツになってしまうのではないかと心配する向きもあるだろうが、それに関しては気にする必要がない。VEILANCEは2009年にブランドがスタートして以来、オーバーサイズの流行をものともせず、全く変わらない服作りをしている。その普遍性によりVEILANCEはイケ/ダサの二項対立を超え、オタクくんのユニフォームとして完成されている。みなさんもVEILANCEを身にまとい、ケの日の生産性を爆上げしていこうではないか。生産の場にモテパワーは不要である。
おまけ〜気温別ユニフォーム〜
ここまでを読めば大体わかると思うが、最後に私が普段ルーチンで着用しているアイテムを気温別に紹介する。購入する価値はあまりないので注意。
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