福島旅日記2
翌日は朝食前に旅館のすぐ横にある鯖湖湯(さばこゆ)へ。飯坂温泉で一番古い共同浴場。松尾芭蕉も入ったといわれてます。お湯の温度はかなり熱い。
朝食をたっぷりいただいてから、徒歩でぶらぶら花ももの里へ。
桃にはまだ少し早かったのですが、桜は満開。
桃はつぼみだったけれど、これもまたひなあられっぽくて可愛い。
そして再び飯坂線で美術館図書館前まで。
福島県立美術館で「伊藤若冲展」観賞。
平日昼間だったのにそこそこ混んでいて、ぞろぞろ人の隙間から覗き見しつつで結構疲れました。いやでも「東日本大震災復興祈念」を謳っているいるのだから、ガラガラでもそれはそれで困るのだけど。
そこそこの点数はあったけれど、目玉になる大作はなく、数年前に大々的にやっていた展覧会に比べたら意外と小規模展示だった印象。グッズも展示されていない作品のものが多数混じっていて、もしかしたら今回のために作られたわけではないものが多かったのではないかと。
鶏の作品は若冲だけに多く、とくに水墨画(モノクロの)が多かった印象。筆遣いだけで表現しているようなものがとくにカッコイイ。雄鶏は写実的なのに、ヒヨコになると急に丸書いてチョンみたいな雑な感じになってるのも可愛い。あと六歌仙とか人間になると急に写実じゃなくてマンガっぽい表現になってるのとかお茶目で好きでした。
タイトルロゴに使われている「猿猴捕月図」とか激カワで、これをもっとグッズとして売り出せばいいのに!とじたばたしました。(実際はひとつもなかった)失礼ながら、何かがちょっと惜しい展覧会だった気がする。
福島美術館自体も、無駄に広くて立派だけど、中はそれほど近代的ではなく、やや残念な美術館。驚いたのは1F展示会場内の女子トイレが個室1つしかなかったこと。さらに2F常設展会場の女子トイレは個室2つ、両方和式!もう1カ所1Fにあったトイレは確認してないけど、これだけの規模の美術館でこのトイレの少なさは異常だと思った。(頻尿おばちゃんなのでトイレにうるさくてすみません)
レンタカーを借りるため曽根田駅まで移動、カウリキッチンというところで自然食ランチバイキング。
そして飯館村にある「山津見神社」へ。
この神社は震災ではなんとか建物は無事だったものの(避難区域にはなった)、2013年に火事で一部が焼失。242枚のオオカミの天井絵も消失しましたが、偶然にも資料が残っていたため東京芸大の学生らが協力して2016年に復元されたそうです。
神社の名前は別名「虎捕山津見神社」といい、虎捕というのは平安時代にこの辺りを荒らした凶賊・墨虎を、源頼義が夢に出てきた山の神の神託(墨虎を捕えるには白狼の足跡を追うべし)により捕まえたことによるとのこと。
狼はいつから信仰されていたものか。天井絵だけでなく、鳥居の前にも、狛犬ならぬ狛狼が鎮座してました。もっとちゃんと調べたい。
そして4月なのに寒波が来て激寒の日で、なんと山の中では雪が降りました。あっという間に山道真っ白。驚愕。桜が咲いているのに雪が積もるというすごい光景でした。
そしてそれ以上にびっくりしたのが、震災後の汚染土を入れた黒い袋がいまだにあちこちにものすごい数で山積みのまま放置されていたこと。これじゃいくら安全だと言われても暮らすためには戻ってこれないよ・・・。いろいろ考えさせられることがたくさんありました。