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【1/24発売】「煌めく宝珠は後宮に舞う」1、2巻【書籍宣伝】

 2025年1月24日、角川文庫より刊行の「煌めく宝珠は後宮に舞う」の紹介記事です。
 
第9回カクヨムコンテストのライト文芸部門特別賞受賞作の書籍化です。刊行を間近に控え、表紙・ストーリー・キャラクターなど、作品の魅力を作者からプレゼンさせていただきます。
 ひとりでも多くの方に興味を持っていただけますように&読んでいただけますように!


表紙

 イラストレーターは夏目レモン先生。1巻は明るく華やか、2巻は妖しくしっとりと。いずれも美しいカバーにしていただきました。

「煌めく宝珠は後宮に舞う 1」

 1巻の表紙にいるのはヒロイン・燦珠さんじゅとヒーロー・霜烈そうれつ。物語の冒頭、街角で《梅花蝶ばいかちょう》という舞を披露する燦珠を霜烈がスカウトする場面です。梅の花の精が、恋人を探すために蝶に姿を変える──という演目のイメージ通り、満開の花が舞う中でヒロインの明るさが咲き誇っています。ここから物語という舞台の開幕です!

「煌めく宝珠は後宮に舞う 2」

 2巻の表紙は燦珠と相手役の男役・星晶せいしょうそう、この美青年は実は女の子です。涼しくもぱっちりした目元や華奢な手にフェミニンさも窺えるかと! 2巻では、この「美青年」が「女装」して潜入捜査するのも見どころのひとつとなっております。後宮での陰謀が本格的に始動する物語にも相応しく、妖しさが漂っています。

ストーリー

 KADOKAWAの公式からあらすじを転載します。太字は筆者。

煌めく宝珠は後宮に舞う 1
天才少女が魅せられたのは、女人禁制の華劇の世界--!

街角で舞を披露し、人気を博する少女・燦珠は、舞台役者になることが夢だ。しかしこの国では女が舞台に立つことは禁じられていた。ある日、妖しい美しさを持つ男が現れ、後宮にある女だけの劇団・秘華園へと誘う。喜ぶ燦珠だが、即位したばかりの今上帝は、秘華園だけでなく、華劇自体を廃そうと考えていて……。天賦の才を持つ少女は、役者への道を切り開き、舞台という皆の楽しみを守れるのか? 胸躍る後宮ファンタジー、開幕!

https://www.kadokawa.co.jp/product/322408000670/

煌めく宝珠は後宮に舞う 2
宮廷を震撼させる、新たな皇位継承者とは?

後宮に唯一設けられた女だけの劇団・秘華園へ入り、新人ながら頭角を現す燦珠。志を同じくする仲間や、才能を信じてくれる妃嬪とも出会い、後宮お抱えの役者として華やかな一歩を踏み出したはずだった。しかし、先帝の息子として帝位を主張する男が秘華園に現れる。皇太后も信じ込み、彼は後宮に居つくことになり……。国中を揺り動かす大事件に、燦珠はどう立ち向かうのか? 美と毒が舞い躍る後宮ファンタジー、第2弾!

https://www.kadokawa.co.jp/product/322408000671/

 一言で言うと、中華後宮×ミュージカルなお話です。芝居嫌いの皇帝による風紀取り締まりも、帝位を揺さぶる陰謀も、明るくポジティブなヒロインが歌って踊って解決します。一切の誇張なく、歌と踊りと演技が物語の鍵になっています。
 文字で綴る物語であっても、一幕のミュージカルを観たような満足感を味わっていただけるかと思います!

主な用語&キャラクター

 物語を彩る用語やキャラクターをご紹介します。読書のガイドにもなるかも。

🌸用語

華劇(かげき)
 京劇をモチーフにした、歌や舞・芝居を包括する舞台芸術。一般的には女役も男性が演じ、女性が舞台に立つことはない。

秘華園(ひかえん)
 後宮にある女だけの劇団。または役者の宿舎や練習場、劇場を包括する一画。数代前の皇帝が重度の芝居好きだったため創設された。

翠牡丹(ツイムータン)
 秘華園の役者に与えられる、翡翠で造った牡丹の花。秘華園の役者は常に身につけて身分証にするほか、後宮内の行き来をほぼ自由にする通行証にもなる。

🌸登場人物

梨燦珠(り・さんじゅ)
 ヒロイン。名優である父に倣って国一番の娘役を目指す、天真爛漫・明朗快活な少女。舞台に立たせてくれない父に反発して街角で舞を披露していたが、女でも芝居ができるとと聞いて後宮にある秘華園を目指す。
 舞も歌声も華やかで、輝く宝珠にも喩えられる。

楊霜烈(よう・そうれつ)
 本編ヒーロー(?)。燦珠を秘華園に誘った芝居好きの宦官。後宮の妃嬪にも劣らぬ美貌に加えて、聞く者の魂を愛撫するような美声を持つ。
 華劇と秘華園に対し、並々ならぬ思い入れがあるようだが……?

翔雲(しょううん)
 最近即位した新帝。先帝の実子ではなく、傍系から選ばれた。帝位に野心を持った父に厳しく教育されたことにより、非常に真面目かつ勤勉。先帝が政治を放棄した元凶として華劇と秘華園を嫌い、禁止/廃止しようとしている。

文宗(ぶんそう)
 先帝、故人。四十年にわたる治世のほとんどを秘華園に引きこもり、政を顧みずに華劇に耽溺して過ごした。
 特に寵愛した舞姫に産ませた皇子がいたというが……?

崔喜燕(さい・きえん)
 役者候補の少女。舞が得意。
 同輩はみな競争相手だと教えられ、事実、共に研鑽していた幼馴染を陥れてまで秘華園に入ろうとした。燦珠の眩しさと華劇へのひたむきさを見て、我が身を顧みるようになる。

見どころ

 こんな要素に「おっ」と思っていただけたらぜひ一読を!

🌸ヒロイン・燦珠の明るさ眩しさ真っ直ぐさ

 とにかく芝居が大好き、歌いたい踊りたい舞台に立ちたい! で頭がいっぱいの元気な女の子がヒロインです。こんな子なので、寵愛や権力争いにもいっさい興味がないし、皇宮に入れば「ここがあの演目の舞台……!」と感動に浸り、美しい妃嬪を前にすれば「姫君役の参考にしよう……!」と目を輝かせます。舞台にかける一途さやひたむきさ、きっと応援したいと思っていただけるかと!
 また、陰謀渦巻く後宮にこんな真っ直ぐな子が入ることで起きるほかの登場人物との化学反応も注目ポイントです。芝居嫌いの皇帝や、役者同士は競い合うものと思い込んでいるライバルも感化されたり戸惑ったり怪しんだり、あるいは考えを変えることもあるかもしれません。

🌸華やかな演目の数々

 京劇といえば、華やかな衣装や色鮮やかな隈取(臉譜リェンプー)、驚異的な身体能力による軽やかかつダイナミックな動き(ダー(立ち回り)、と言います)が思い浮かぶと思います。
 本作の「華劇」は京劇を参考にしつつ、作者が大好きな宝塚やミュージカル、経験のあるダンスの要素も加えて「こんな舞台があったら良いな/観たいな✨」を詰め込んだ夢の空間になっています。
 花と咲き誇る舞姫、天上から舞い降りる鳳凰の歌、酒に酔わせた仙狐を追いかけたり、千里を越えて想い合う恋人たちがいたり──物語の要所要所を、様々な演目が彩っています。
 楽しく心躍る、あるいは切なく心締め付ける演目の数々をお楽しみください!

🌸中華もの・後宮ものならではの陰謀劇

 もちろん、あります! 本作の執筆のために調べたところ、京劇は政治と密接にかかわってきた歴史があるとのこと、本作中の国や後宮においても芝居/華劇は腐敗の温床となってしまっています。芝居を愛するヒロイン・燦珠にはもちろん看過できないので、どう立ち向かうか──もテーマのひとつです。
 また、作中の国は傍系の皇族が皇帝となったばかりの状況です。こんなもん揉めるに決まってるので、色々な企みがあちこちで燻っています。幾つもの思惑が交錯する陰謀劇も詰まっております。

まとめ

 個性豊かなキャラクターと華やかな歌舞、愛憎渦巻く陰謀劇が織りなす大舞台、興味を持っていただけましたら是非お読みいただけますように。

 各電子ストアでも購入可能です。どうぞよろしくお願いいたします!


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