veganって宗教なの?|veganへの質問シリーズ②
日本ではveganの人に対し、このような発言をよく聞きます。
正直に言うと、とても悲しくなる質問です。
一方で、この質問からは日本人の宗教に対する認識が浮き彫りになるとも思っています。
今日はそのことについて思ったことをツラツラと書きます。
「宗教」とは?
「①生きている間の病気や災害などによる苦しみや、死・死後への不安などから逃れたいという願いを叶えてくれる絶対者の存在を信じ、畏敬の念をいだきその教えに従おうとする心の持ちよう。また、それに関連して行われる儀礼的行為。②仏教・イスラム教など、全世界に分布している宗教。また、その総称。」(新明解国語辞典 第七版、2016、p.678)
上記に当てはめてみると、veganは宗教ではないと断言できます。
veganは「動物から可能な限り搾取しない生き方」を実践する人のことで、絶対者の存在を信じているわけでもないし、何かに畏敬の念を抱いているわけでもありません。ただ単純に、
地獄のような苦しみにいる動物たちを救いたい
動物たちの命を尊重し搾取しない生き方をしたい
という気持ちで生活をしているだけです。
結論、veganは宗教ではなく
上記のような思いをもって生きるライフスタイルを選んだ人のことです。
【おまけ】ちなみに、日本人の宗教偏差値は?
結論から言うと、日本人の宗教偏差値はかなり低いと思います。
というのも、
低くなければ「veagnって宗教なの?」という質問は出ないからです。
往々にしてそのような質問をする方の中には、
これまでもっていた自分の考えでは理解できない、
何か得体のしれないものを「宗教」という言葉で
ひとくくりにしたい
そんな思いが見え隠れします。
自分の価値観では理解できないものを「宗教」と片付けるならば、
豚肉を食べないイスラム教の方々、
牛を神聖視するヒンドゥー教の方々、
イエス・キリストを信じるキリスト教の方々を前にしても
同じことが言えるでしょうか。
この宗教偏差値の低さには様々な理由があると思います。
神戸情報大学院大学教授の山中俊之氏によると、日本人の宗教偏差値が低い理由として、以下の3つを挙げていました。
1.地理的理由
2.神道がもともとあり、その上に仏教を受け入れた
3.江戸時代の檀家制度と明治以降の国家神道
詳細は割愛しますので、興味のある方はリンクをご覧ください。
クリスマスを祝った翌日に門松を出してお正月の準備をし、
ハロウィーンやバレンタインを異常なまでに盛り上げる。
とにかく、楽しいイベントには便乗し、企業もそれをうまく利用して利益を上げる、そういった図式に見えて仕方ありません。
いずれにしても、「veganって宗教なの?」
その質問から私は、宗教に対する正しい知識をもつことが
いまの日本には求められていると思えて仕方ありませんでした。