KORG TR-S でJC-120の出音を変える試み
ここしばらく音楽器材系のYouTubeにハマっている。キッカケはこの動画。
UAFX ENIGMATIC。かのDumbleアンプのシミュレーターだ。Dumbleアンプとは幻の…という冠がつくハンドメイド高級ギターアンプ。ラリーカールトン、ロベンフォード 等々 名だたる超一流ギタリストが愛用してきた真空管アンプだ。
Dumbleさんが個人的にこの人のために、と製造してきたアンプなので誰でもかれでも手に入るわけじゃないし、めちゃくちゃ高価なので試奏するなんて機会に人生でまず出会えないシロモノ。そのDumbleアンプをシミュレートしたエフェクターなのだが、こいつの出来が素晴らしく、動画もいくつもあがっているがどれもこれもそそられる映像。かつてはアンプシミュレータと言っても名前ばかりで全然使い物にならなかったものだが、昨今の技術革新は著しいんですねぇ。
で 振り返ってみると、自分の場合リハでもライブ本番でも自前のギターアンプを持ち込むということはほぼ無い。できるだけ荷物は減らしたいし、重いものを持って腰を痛めてしまっては生活にも困るし。
となると、スタジオやライブ会場に常設されているギターアンプを借用することになるのだが、たいていどこにも置かれているのが国産アンプの名器 Roland JC-120。
堅牢なトランジスタアンプだ。出音はその名の通りとてもクリーン。とにかくハイファイで出力も十分。入力された信号を加工することなくそのまま出力するタイプなので、ギターじゃなくキーボードアンプとして使う人もいる。
ただこの性質はオーディオなら素晴らしいのだけど楽器としてどうかというと悩ましいところでもあったりする。所詮エレキギターの出せる周波数帯域なんて広くないし、中域にクセのある音がエレキギターらしさを出しているので上から下までクリーンに出せることが幸いというわけでも無いのだ。
それゆえにギタリストの多くは真空管アンプを欲しがるのだが、大体の場合真空管アンプは大きく重いというネックを抱えているし、持ち運びにも神経を使う。
となるとローディーを抱えることなど出来ない年金受給ギタリストからすれば「どうやって手軽に真空管っぽい出音をだすか」という課題は、「スタジオ常設のJC-120をどうやって使ったら満足のいく音になるか」という命題に変わる。
「腕を上げる」という解決方法は頭から外すので、結局は「どういう道具を使ったら何とかなるか」という方法しか思いつかない。そこでネットを調べて入手したのが「KORG TR-S パワーチューブリアクター」
KORGの開発したNutubeという真空管を模した素子を使って、パワーアンプの歪み感をコントロールする というエフェクター。これをトランジスタアンプに接続すればあたかも真空管アンプのように!という夢の一品。そりゃ買っちゃうでしょ。
こいつをギターアンプに入る直前に追加するか、アンプのセンドリターン端子に繋ぐかという使い方。自宅のアンプでは大きな音が出せないし、そもそもJC-120じゃないのでハッキリした結論は出せないが、それでも使ってみた感じは悪くなかった。音の輪郭が太くなる。特に低音の巻き弦の鳴りがそれっぽくなる感じは、シングルコイルの方が顕著だった。
前述のUAFX ENIGMATICも欲しいのだけど何せお値段がソコソコするので、まずはJC-120だけでどれぐらい自分の希望の音色が出せるか試してみてからゆっくり考えようと思っている。というわけで明日はスタジオ借りて個人練習してきます。
今日も一日つつがなく過ごせたことに感謝。